新聞を読んでいて思わず「バカヤロー」と声が出るときがある。
無批判性が頭に来る。
きょう6月6日の読売新聞。「独自」、つまり特ダネが載っているのだが、これは単に読売新聞の記者の無批判性が厚労省のだれかに利用されたというだけ。「独自」取材ではなく、リーク先を選択されたというだけ。
その「ニュース」というのがこれ。
【独自】「ステージ4」減って11道府県…病床使用率で新方式、実際に入院中の人だけで計上
厚生労働省は今月から、新型コロナウイルス感染者の病床使用率の集計方法を変更した。これまでは、入院中の人だけでなく入院先が決まった人も含めて計上していたが、新方式では、実際に入院中の人だけで計上する。これにより、医療の逼迫ひっぱくが最も深刻な「ステージ4(50%以上)」の状態にあるのは2日時点で大阪や愛知など11道府県となり、前週の20道府県から大きく減った。
病床使用率は、国が定めた7指標の一つで、医療の逼迫度を分析し、緊急事態宣言の解除などの参考にしている。従来の集計では、入院先が決まっているものの、準備が整わずに自宅などにいる感染者も加えて集計していた。このため、病床の逼迫度合いが正確に把握できていなかった。
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この集計方法では、「入院先が決まっているものの、準備が整わずに自宅などにいる感染者」が死亡したときはどうなるのか。
また、「準備が整わず」とは誰のことなのか。病院か、患者かもわからない。
いま現実に起きている問題として、自宅で待機中(療養中)に死亡するひとがいる。
こういう例が増えれば、ベッドの使用率はどんどん下がる。
「準備が整わない」という理由で入院させなければ、ベッドの空きはどんどん増える。
ベッドの使用率にほんとうに余裕があるのなら、自宅待機(療養)は即時に中止して、全員入院させるべきである。
統計上の「数字」をごまかしても、自宅待機(療養)の患者が減るわけではない。
ベッドの「使用率」が問題なのではなく、入院できない感染者がいるということが問題なのである。集計方法を変更して、ベッドの使用率が低くなったかのように見せかけても現実は変わらない。
この計算方法を思いついた厚労省のだれかは、きっと菅に「こうすれば、ベッド使用率が下がるので、ステージ4の都道府県数が減る。安全・安心オリンピックをアピールできる」と進言するのだろう。そうやって出世していくのだろう。
この「特ダネ」を書いた記者も、「やった、特ダネだ。これで出世できる」と思っているのだろう。
国民(感染者)そっちのけで、自分の出世だけを考えて行動している。
あまりに情けない。