萩生田報道の仕方
自民党憲法改正草案を読む/番外301(情報の読み方)
2019年11月02日の読売新聞(西部版・14版)に、萩生田の「身の丈発言」から急展開した「民間英語試験」の続報が載っている。一面の見出しは
そして、この記事の最後にこう書いてある。
これではまるで萩生田の「手柄」のような書き方であるが。
たしかに「不平等」を明確にしたのは萩生田の「手柄」である。萩生田がテレビで「身の丈発言」をしなければ、民間英語試験は実施されていただろう。しかし、萩生田は試験を延期する(再検討する)ための問題提起として「身の丈発言」をしたのではない。萩生田は「不平等はあたりまえ」「身の丈にあわせて受験すればいい」と突っぱねたのだ。民間試験に対する批判を、逆に批判したのだ。
ここが問題。
だから、
これは、読み直す必要がある。つまり、ここには嘘が書かれていると思って読まないといけない。
「受験生機会に不平等が生じるとの批判」はすでに何度も言われていた。首相(官邸)が心配したのは、「憲法で保障されている教育の機会均等を否定する、萩生田のような人間を文科相にしておくのは間違っている」という批判の高まりである。萩生田への「辞任要求」を心配したのである。「首相官邸」ではなく「安倍首相」が心配したのだ。受験生の混乱も、学校の混乱も、業者の混乱も、気にならない。「お友達」への批判だけが気になるのだ。
一面の最後の部分に書いていたことを、読売新聞は、3面でも繰り返し書いている。
あくまで「手柄」を萩生田に与えたいらしい。
しかし、私はこの最後の部分を違った読み方をする。
萩生田は安倍に「やっと大臣になったのだから、ここで辞めたくない。まして引責辞任なんていやだ」とダダをこねた。安倍は安倍で「お友達の萩生田が辞めさせられるのは我慢できない。萩生田が悪いんじゃない。ちゃんと準備をしたこなかった文科省が悪い。部下が悪い」「そうだ、そうだ、部下が悪い。私は文科相になったばかり。自分に責任はない」「部下に最初から計画を練り直すよう指示することにしてしまえ。萩生田が、そう決断したということにすれば、萩生田の評価もあがる」「そうだ、そうだ」。これが一面の見出しになっていた「是非含め1年再検討」につながっている。
ここでも、「責任」は「部下」に押しつけられ、トップは知らん顔。「身の丈にあわせて受験すればいい」と言ったことなどなかったかのように振る舞う。「1年間、再検討するよう指示した。萩生田は受験生のことを大切にしている」という印象づくりである。
社説でも、ご丁寧に
「極めて」を二回も繰り返して、責任を「文科省」におしつけている。この問題に目をつむり続けてきた安倍の責任にはひとことも触れていない。文科省の職員は、安倍、その部下の下村(元文科相)の「狙い」にしたがって仕事をしてきただけだろう。たまたま文科省のトップが交代して、萩生田が「身の丈」と言ってしまったから、何もかもが台無しになったと不満がたまっているに違いない。下村、安倍の狙いとしては、貧乏人は「身の丈」にあわせて二回しか受験できないだろうけれど、金持ちは「身の丈」にあわせて何度でも受験する。その分だけ民間業者がもうかる。業者がもうかれば、自分に還元される金も増える。こんないい制度はない、ということで進められたものなのに、その「意向」を「忖度」して働いたばっかりに、「おまえらが悪い」なんて言われてしまう。それも、萩生田が自分の所に転がり込んでくる金のことを思って浮かれ上がって、金持ち受験生は何度でも受けられるという裏話を「身の丈」ということばで説明したために、こんなことになった。また仕事が増えるじゃないか……。
やってられないだろうなあ。安倍、萩生田、文科相幹部だけではなく、文科省の職員、さらには民間英語試験の業者(のトップではなく、従業員)の声をきちんと取材すべきだろうなあ。「真実」は、そういう「細部」というか「下部」にうごめいている。
新聞は、書かれていることばを手がかりに書かれていないことばを探して読む。そうするとおもしろい。テレビでは「話されなかったことば」を想像する間もなくほかの話題に移っていくからね。
#安倍を許さない #憲法改正 #天皇退位
*
「天皇の悲鳴」(1000円、送料別)はオンデマンド出版です。
アマゾンや一般書店では購入できません。
https://www.seichoku.com/user_data/booksale.php?id=168072977
ページ右側の「製本のご注文はこちら」のボタンを押して、申し込んでください。
自民党憲法改正草案を読む/番外301(情報の読み方)
2019年11月02日の読売新聞(西部版・14版)に、萩生田の「身の丈発言」から急展開した「民間英語試験」の続報が載っている。一面の見出しは
英語民間試験 24年度目標/大学共通入試 来年度見送り発表/是非含め1年再検討
そして、この記事の最後にこう書いてある。
文科省は当初、受験生や民間団体が準備をすでに進めていたため、延期に慎重姿勢だった。しかし、受験生機会に不平等が生じるとの批判を懸念した首相官邸の意向も踏まえ、萩生田氏が最終決断した。
これではまるで萩生田の「手柄」のような書き方であるが。
たしかに「不平等」を明確にしたのは萩生田の「手柄」である。萩生田がテレビで「身の丈発言」をしなければ、民間英語試験は実施されていただろう。しかし、萩生田は試験を延期する(再検討する)ための問題提起として「身の丈発言」をしたのではない。萩生田は「不平等はあたりまえ」「身の丈にあわせて受験すればいい」と突っぱねたのだ。民間試験に対する批判を、逆に批判したのだ。
ここが問題。
だから、
受験生機会に不平等が生じるとの批判を懸念した首相官邸
これは、読み直す必要がある。つまり、ここには嘘が書かれていると思って読まないといけない。
「受験生機会に不平等が生じるとの批判」はすでに何度も言われていた。首相(官邸)が心配したのは、「憲法で保障されている教育の機会均等を否定する、萩生田のような人間を文科相にしておくのは間違っている」という批判の高まりである。萩生田への「辞任要求」を心配したのである。「首相官邸」ではなく「安倍首相」が心配したのだ。受験生の混乱も、学校の混乱も、業者の混乱も、気にならない。「お友達」への批判だけが気になるのだ。
一面の最後の部分に書いていたことを、読売新聞は、3面でも繰り返し書いている。
文科省幹部は受験生への財政支援などの微修正を主張し、予定通りの試験実施にこだわったが、最後は官邸の支援を得た萩生田が押し切った。
あくまで「手柄」を萩生田に与えたいらしい。
しかし、私はこの最後の部分を違った読み方をする。
萩生田は安倍に「やっと大臣になったのだから、ここで辞めたくない。まして引責辞任なんていやだ」とダダをこねた。安倍は安倍で「お友達の萩生田が辞めさせられるのは我慢できない。萩生田が悪いんじゃない。ちゃんと準備をしたこなかった文科省が悪い。部下が悪い」「そうだ、そうだ、部下が悪い。私は文科相になったばかり。自分に責任はない」「部下に最初から計画を練り直すよう指示することにしてしまえ。萩生田が、そう決断したということにすれば、萩生田の評価もあがる」「そうだ、そうだ」。これが一面の見出しになっていた「是非含め1年再検討」につながっている。
ここでも、「責任」は「部下」に押しつけられ、トップは知らん顔。「身の丈にあわせて受験すればいい」と言ったことなどなかったかのように振る舞う。「1年間、再検討するよう指示した。萩生田は受験生のことを大切にしている」という印象づくりである。
社説でも、ご丁寧に
土壇場での方針転換は極めて異例だ。受験生を翻弄した文部科学省の責任は極めて重い。
「極めて」を二回も繰り返して、責任を「文科省」におしつけている。この問題に目をつむり続けてきた安倍の責任にはひとことも触れていない。文科省の職員は、安倍、その部下の下村(元文科相)の「狙い」にしたがって仕事をしてきただけだろう。たまたま文科省のトップが交代して、萩生田が「身の丈」と言ってしまったから、何もかもが台無しになったと不満がたまっているに違いない。下村、安倍の狙いとしては、貧乏人は「身の丈」にあわせて二回しか受験できないだろうけれど、金持ちは「身の丈」にあわせて何度でも受験する。その分だけ民間業者がもうかる。業者がもうかれば、自分に還元される金も増える。こんないい制度はない、ということで進められたものなのに、その「意向」を「忖度」して働いたばっかりに、「おまえらが悪い」なんて言われてしまう。それも、萩生田が自分の所に転がり込んでくる金のことを思って浮かれ上がって、金持ち受験生は何度でも受けられるという裏話を「身の丈」ということばで説明したために、こんなことになった。また仕事が増えるじゃないか……。
やってられないだろうなあ。安倍、萩生田、文科相幹部だけではなく、文科省の職員、さらには民間英語試験の業者(のトップではなく、従業員)の声をきちんと取材すべきだろうなあ。「真実」は、そういう「細部」というか「下部」にうごめいている。
新聞は、書かれていることばを手がかりに書かれていないことばを探して読む。そうするとおもしろい。テレビでは「話されなかったことば」を想像する間もなくほかの話題に移っていくからね。
#安倍を許さない #憲法改正 #天皇退位
*
「天皇の悲鳴」(1000円、送料別)はオンデマンド出版です。
アマゾンや一般書店では購入できません。
https://www.seichoku.com/user_data/booksale.php?id=168072977
ページ右側の「製本のご注文はこちら」のボタンを押して、申し込んでください。