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詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

議論はいつするのか(安倍の沈黙作戦)

2017-12-21 11:13:17 | 自民党憲法改正草案を読む
<議論はいつするのか(安倍の沈黙作戦)
             自民党憲法改正草案を読む/番外157(情報の読み方)

 読売新聞2017年12月21日朝刊(西部版・14版)1面、

自民改憲本部/自衛隊明記 2案併記/9条2項「維持」「削除」

 という見出し。

自民党憲法改正推進本部(細田博之本部長)は20日の全体会合で、改憲4項目に関する「論点取りまとめ」を示し、了承された。自衛隊に関する規定を巡っては、憲法に自衛隊を明記することでまとまったが、戦力不保持を定めた9条2項について「維持」と「削除」の両案を併記し、結論を持ち越した。自民党は来年1月以降、党の憲法改正案をまとめた上で通常国会に提出し、国会発議を目指す。

 この前文のあとに、もうひとつ見出しがついている。

論点4項目 来年発議目指す

 「自衛隊」「緊急事態」「参院選の合区解消」「教育充実」の4項目を改正するのか自民党の狙いである。
 なぜ「4項目」なのかわからない。
 それ以上に、なぜ「自民党は来年1月以降、党の憲法改正案をまとめた上で通常国会に提出し、国会発議を目指す。」という「日程」がわからない。「来年1月」というのは、もう目の前である。
 そんな簡単に議論がまとまるのか。
 4面には、さらに詳しい日程が載っている。それによると、

1月以降 自民党の憲法改正案とりまとめ。通常国会に提出
22日   通常国会召集
3月末  18年度予算成立
6月以降 憲法改正の国会発議(発議は総裁選後の可能性も)
9月   総裁選
秋(?) 国民投票(発議から60- 180日以内)

 いったい、「改正案」の議論はいつするのだろうか。3月までは予算審議が優先されるだろう。そのあと6月まで議論するのか。その議論はどんな形になるのか。総裁選前に発議した場合、総裁選で安部以外の人間が選出されたとき、どうなるのか。議論がすんでいるから、だれが総裁でも同じということか。あるいは、もう安倍の選出が既定事実なのか。
 さらには、国民の議論はどうなるのだろうか。国会で議論したから、あとは国民が賛成か反対か投票するだけということか。国会の議論だけで、国民が論点の問題を整理、理解できるだろうか。
 あまりにも性急ではないだろうか。
 4面には、全体会合で出た「主な意見」という形で、北村参院議員の声がかかれている。

政治日程や皇室関係の日程を考えると、時間は極めて限られている。来年の通常国会で発議し、秋から12月に国民投票を実施すべきだ。

 「政治日程」というのは19年4月の統一選、夏の参院選のことである。「皇室日程」というのは4月30日の天皇退位、5月1日の皇太子即位のことである。「皇室日程」と憲法改正は関係ないだろう。「改憲」が争点では統一選、参院選の勝敗がわからない。自民党が負けるかもしれない。影響がでないうちに改憲をすませようということだろう。
 国の将来のことなど考えていない。自分たちが当選できるのはいつが一番いいか。そのことしか考えていない。
 改憲の「4項目」のひとつが「参院の合区の解消」である。「合区」は一票の格差を是正するために決まったこと。それをやめて、各都道府県からかならず1人を選出するという方法に戻す。議席の確保が狙いである。
 なんとしても参院選のまえに改憲しなければならない。
 こんな身勝手なつごうで「日程」が決められ、国民の議論が封じられる。国民の議論を封じるだけではなく、自民党内の議論も封じようとしている。「各都道府県からひとり、自民党議員がでないとまずいだろう。合区をこのままにしておくと、どんどん合区が増えてくる。当選できなくなるぞ、いいのか」と脅し、議員をも沈黙させようとしている。「落選したくなかったら、安倍の言うことを聞け(沈黙していろ)」という独裁が、ここまで進んでいる。

#安倍を許さない #憲法改正 #天皇退位 

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