詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

西脇順三郎の一行(51)

2014-01-07 06:00:00 | 西脇の一行
西脇順三郎の一行(51)

「あざみの衣」

昔の夏にジュースを飲んだ空きびん

 ここからは『豊饒の女神』。
 「昔の夏に」の「に」が不思議。私は、こういうときに「に」をつかわない。「昔の夏、」と読点「、」でごまかしてしまう。「に」によって、ことばの「接続感」がつよくなる。ことばが直線から曲線にかわるような感じがする。その曲線は、ねばっこく、けっして折れない感じの曲線である。
 その不思議なまがり方に、「ジュース」「空きびん」といった硬い音がぶつかる。硬いといっても音引きと「空きびん」の「あき」という音がごつごつ感をやわらげる。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 平田俊子「マドレーヌ発」 | トップ | 田中光敏監督「利休にたずねよ」 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

西脇の一行」カテゴリの最新記事