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詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

加計学園「獣医学部」問題

2017-08-19 00:32:39 | 自民党憲法改正草案を読む
加計学園「獣医学部」問題
            自民党憲法改正草案を読む/番外113(情報の読み方)

 加計学園「獣医学部」問題を、少し違った視点で見つめなおしてみる。獣医学部新設には「石破4条件」がクリアすることが不可欠と言われている。そのことと関係する。
 いま、大学の獣医学部はどうなっているのか。
 加計学園が問題になったころ、2017年04月22日の読売新聞(西部版・14版)には、鹿児島大学と山口大学が共同で大学院を設置するという記事が載っている。

 鹿児島大と山口大は21日、来年4月を目標に大学院の「共同獣医学研究科」を設置すると発表した。複数の国立大が共同設置する全国初の学部となった2012年4月開設の「共同獣医学部」(6年制)の1期生が来春卒業する予定で、その受け皿とするために大学院の設置を決めた。
 4年制の博士課程で、定員は両大とも6人ずつの計12人。手術方法といった臨床獣医学などを修める獣医科学コースと、専門医資格を取得できる獣医専修コースを設ける。

 この記事からわかるように、鹿児島大学と山口大学では、2012年に「共同獣医学部」を設けていた。
 何のためにか。
 2012年09月17日の読売新聞の「山口県版」に、

共同獣医学部 設置半年 国際認証取得に高い壁 山口大・鹿児島大
 
という見出しで、こんな記事がある。

 全国初の複数の大学による共同学部として、山口大と鹿児島大の共同獣医学部が新設されて9月で半年になる。両大は規模拡大の利点を生かし、質・量ともに獣医学教育の向上を進めているが、目標とする国際認証取得には、課題も多い。

 ここで注目すべきは「国際認証取得」ということばである。
 日本の獣医学部は世界的水準に達していない。まず「国際認証取得」を獲得するために、鹿児島大と山口大は連携したことがわかる。
 その「経緯」については、さらに詳しく書いている。(山口版なので、山口大学を中心にして書いている。)

 山口大が鹿児島、宮崎、鳥取大と共同獣医学部設置の検討を始めたのは2007年。背景には、▽自治体で食肉検査などを行う獣医師や畜産動物専門の獣医師の減少▽欧米に比べて遅れている獣医教育の充実の必要性▽口蹄疫(こうていえき)など国境を越えた感染症の発生――などがあり、獣医学教育の改革は不可避だった。
 しかし、鳥取大が交通の利便性の悪さを理由に離脱。宮崎大も学内での連携に方向転換した。山口大と鹿児島大は10年3月、共同獣医学部設置に合意。国際認証の取得を目指す。

 大学の連携も、なかなかむずかしいことがわかる。ここにも「国際認証」ということばがある。
 「国際認証」というのは、どういうことなのか。

 山口大の丸本卓哉学長は「獣医学教育を評価するAVMA(米国獣医師会)やEAEVE(ヨーロッパ獣医科大学協会)の認証を取得したい」と構想を話す。国際的な信用が高まり、卒業生が欧米の機関に就職しやすくなるなどの効果が生まれるからだ。
 ただ、認証取得のためには、▽全ての講義や実習を英語で行う▽学生1人当たり50頭の小動物診療――など高いハードルがある。

 詳しいことはわからないが、なかなかたいへんな「認証」らしい。

 で、このことと加計学園「獣医学部」と、どういう関係があるか。
 既存の獣医学部は(鹿児島大と山口大は)、「国際認証」を取得するには単独ではむずかしいと判断し、共同で「教育内容」を深めようとした。そうしないと、とても「国際認証」は取得できない。つまり、日本の獣医学部の水準は国際的に低いと認識している。
 これは「共同獣医学部」に加わらなかった島根大、宮崎大も同じだろう。一番の課題は「獣医学部」のレベルアップである。たぶん、獣医教育にたずさわるひとの共通認識であるはずだ。
 私は「獣医学部」の現状については何も知らないけれど、読売新聞の記事の書き方からみるかぎり、関係者は同じことを思っていると推測できる。
 読売新聞の記者は、こう書いている。

 文科省や大学の担当者、獣医教育改革に携わってきた研究者……。取材した誰もが「獣医学を国際レベルに引き上げなければならない」という危機感を共有していた。共同獣医学部設立という“大きな前進”を生かすためには、遠隔講義の回数を増やしたり、教官が移動して両大学の学生を直接指導したりするなどの取り組みが必要だと感じた。

 そこで、問題である。
 日本の獣医学教育の水準が、そんなに低いのなら、いま新しい獣医学部をつくって、それがどんな効果をあげることができるか。
 多くの教育関係者は、疑問に思っているはずである。
 それを、もっと国民に知らせないといけない。
 「獣医学部を新設するよりも、既存の獣医学部の水準をアップすることの方を優先しないといけない。既存の獣医学部のレベルアップのために何をするべきかを問題にしないといけない」
 その声が共有されれば、加計学園問題は、別の展開になるだろう。
 野党も追及の仕方を考えないといけない。
 安倍も加計も(加計は姿をみせないが)、ほんとうのことを言わないなら、ほんとうのことを言うひとを探してきて、獣医学部の新設は急務ではないということを語らせればいい。そうすれば、なぜ、安倍が加計学園に肩入れしているのか、その肩入れに問題がないのかというところから、問題をより深く追及できるはずである。
 獣医学部を新設して、その大学がいきなり国際水準に達することができると考えるのは、いくら何でも「空想」というものだろう。そこから問題点を追及すべきである。そうしないと、獣医学部の問題は何も解決しない。

 新聞に書かれていることを読むだけでも、そういうことが考えられる。
 実際に獣医学部の教育に接することができるひと(取材できるひと)は、ほんとうの問題点がどこにあるか知っているはずである。
 自分は知っているから、それでいい、というのではなく、その知っていることを他人に語り(他人に伝え)、いま起きている権力の私物化を告発すべきである。
 「事実」を知っている人間が、みんな口を閉ざしている。口を閉ざすことで、安倍から何かの見返りを受け取ろうとしている。
 そんなふうにしか思えない。




 
#安倍を許さない #憲法改正 #天皇生前退位
 
詩人が読み解く自民党憲法案の大事なポイント 日本国憲法/自民党憲法改正案 全文掲載
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アベノミクス (steve vai)
2017-08-20 00:36:41
日本は人口減少、毎年、医者は生まれるけど需要が増える時代じゃない、
教員免許にしても、もっていれば必ず先生になれるわけじゃない、
そういう時代に、経済特区を使って獣医学部の新設って、
学部新設より、既存の大学の獣医学部改革が必要だ、
卒業して毎年生まれる獣医師が、ペット獣医以外の道へ進めるような。

PS、「家畜を診るなど、ペット以外の獣医師が不足してる、」という、
安倍総理を擁護する発言が墓穴を掘った、全国の大学の獣医学部の現状を、
把握してないことが露呈した(調査しないで結論が新設は、おかしい)。
いずれにしても、アベノミクスの規制改革、優先順位が間違ってる。

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