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詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

いつ?(情報の読み方)

2020-11-23 08:45:47 | 自民党憲法改正草案を読む
いつ?(情報の読み方)

 2020年11月23日の読売新聞(西部版・14版)の1面に「特ダネ」。

安倍前首相秘書ら聴取/「桜」前夜祭 会費補填巡り/東京地検

 安倍晋三前首相(66)側が主催した「桜を見る会」の前夜祭を巡り、安倍氏らに対して政治資金規正法違反容疑などでの告発状が出されていた問題で、東京地検特捜部が安倍氏の公設第1秘書らから任意で事情聴取をしていたことが、関係者の話でわかった。特捜部は、会場のホテル側に支払われた総額が参加者からの会費徴収額を上回り、差額分は安倍氏側が補填ほてんしていた可能性があるとみており、立件の可否を検討している。

 この記事でいちばん気になるのは「いつ」任意で事情聴取をしたか。
 二通り考えることができる。
①安倍の辞任前。任意聴取があったので、安倍がうろたえて体調を崩した。(仮病という説もあるが。)追及を逃れるために、病院へ駆け込む準備をした。
②学術会議6人任命拒否の「黒幕」が杉田と判明し、国会の追及(国民の批判)が杉田に向かった。
 どちらの場合でも、権力と検察の「蜜月」がほころびはじめたときである。①のときは黒川が黒川が検察庁長官構想が破綻した。②は杉田「公安」の支配力が低下するきざしを見せた。
 単純に考えれば、②が起きたから、遡って①も視野に入れているということかも。

 そして、記事には、こんなくだりもある。

 特捜部はこれまでに、安倍氏の公設第1秘書や私設秘書のほか、地元の支援者ら少なくとも20人以上から、任意での聴取を実施。安倍氏側からは出納帳などを、ホテル側からは明細書などの提出を受けて分析を進めている。関係者によると、前夜祭の飲食代などの総額は、参加者の会費だけでは不足していたという。

 任意聴取が20人以上。安倍の出納帳とホテルの明細書を付き合わせている。その結果「前夜祭の飲食代などの総額は、参加者の会費だけでは不足していた」という「証言」を聞き出している。
 もう一度、桜を見る会問題が国会で注目を集めるだろう。

 で、これからが、私の思うあれこれ。
 どうして、これが一面のトップではなかったのだろうか。1面トップは、

GoTo札幌除外へ/北海道方針、26日にも/旅行停止 再生相「数日中に詳細」

 コロナ感染が大問題になっているから、いま緊急の話題がトップというのは、たしかにわかる。しかし、GoToの縮小(なぜ即座に停止しないのかわからないが)は、すでに規定方針。しかも、「札幌除外へ」というのは「方針」。読者の驚きは、その決定が「26日にも」ということの方にあるかもしれない。私は、なぜ、きょうからではないのか思ってしまう。26日まで「延期」する理由がわからない。たぶん、キャンセル料を考慮しているのだと思うが、もしそうなら、なぜ26日まで決定をしないのかを追及する記事にしないといけないだろうと思う。
 そして、そうであるなら。
 読売新聞は、まだ、安倍に「忖度」をしていることになる。
 桜を見る会は「任意聴取」であり、「事件」になるかどうかあいまいだから(つまり、「予測」に過ぎないから)トップにしなかったということなのかもしれない。
 でも、先に書いたように「前夜祭の飲食代などの総額は、参加者の会費だけでは不足していた」という「証言」が引き出せたのなら、これはかならず追及される問題である。
 きっと今後、「桜費用、会費では不足判明」というような見出しの記事が出てくるはずである。ニュースとして広がり続ける。権力の犯罪が明るみに出る。

 GoToのドタバタも、権力(内閣)のめちゃくちゃ(ほかに表現がみつからない)が招いたものだが、もしかすると、このコロナ対策をめちゃくちゃを隠すため(コロナ対策批判が噴出しているが、その矛先を別のところに向かわせるため)に、「安倍秘書聴取」という情報が「リーク」されたのかもしれない。
 そう考えると、菅は、保身のために安倍を捨てた、ということも考えられる。菅は、安倍のやってきたことを隠蔽するために担ぎだされた人間だが、それが目的(?)を遂行できない、ということになれば、どうなるのか。
 私は、菅の任務は遂行されるべきではないと考えているから、大歓迎なのだが……。

 こんな余分なことを書くのは。
 読売新聞は、一面で「政治の現場」という連載を開始している。その一回目が「首相の厚遇 二階派の春」という作文。
 政治の裏側を派閥から描き出しているのだが、GoToと桜で問題が起きているのに、わざわざおなじ紙面で「派閥」の動き(政治の裏側)に目を向けることはないだろう。連載企画はきょうからはじめると決まっていたのかもしれないが、どうも紙面構成が奇妙である。
 最初に書いた「任意聴取」は「いつ」なのか。さらには、そこに書かれていることが「わかった」のは「いつ」なのか。
 これがわかると、記事はもっとおもしろくなる。
 私は野次馬なので、「桜」がどうなるか、とても気になる。読売新聞の「続報」が気になる。
 別ないい方をすると、読売新聞は、安倍にも菅にも見切りをつけて、「二階よいしょ」に傾き始めた、それを二階に知らせるために紙面を利用しているということなのかも、などと考えたりするのである。





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「情報の読み方」は10月1日から、notoに移行します。
https://note.com/yachi_shuso1953
でお読みください。
 

#菅を許さない #憲法改正 #読売新聞



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