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「1Q84」BOOK2 読書日誌 第19章

いやあ,ついに
「空気さなぎ」のストーリーが出現しましたねえ。

だが,これを読んでも
具体的にリトル・ピープルが

なにをしたいかははっきりと分からない(笑。
ホントに,死んだ山羊の口から出てきたね,

こわいよ,このイメージがこわい(笑。
まあ,これまでの例から考えると

リトル・ピープルは人間のなにか
邪悪なものを栄養素としているのだろうね。

それは,無意識の中に潜んでいる
暴力性なのではないかという気もする。

ちなみに,「羊をめぐる冒険」では
どうだったかを調べてみよう。

僕に羊の目的は何だっのかと聞かれて,
羊博士はこのように語っている。

「人間と人間の世界を一変させてしまうような
巨大な計画だ」(257ページ)

では,別の証言者。
鼠だ。

僕が聞く,羊は君になにを求めたのかと。
「全てだよ。何から何まで全てさ。俺の体,俺の記憶,俺の弱さ,俺の矛

盾,・・・羊はそういうものが大好きなんだ。」
どうやら,羊は人間のアイデンティティを好むらしい。

権力機構を引き継いだあとは,どうなるのかと尋ねられると
鼠はこういう。

「完全にアナーキーな観念の王国だよ。
そこではあらゆる対立が一体化するんだ。」

リトル・ピープルもこのような事態を
出現させるのを望む存在であるのだろう。

しかし,アナーキーな観念の王国とは
どのような国なのだろうか。

あらゆる対立が一体化するとは,
どのように可能なのだろうか。

あらゆる対立を考えることは難しいので,
最も端的な例を挙げて考えてみよう。

善と悪である。
善と悪とはどのように一体化が可能だろうか。

善と悪とが一体化を行うには,
その二つを隔てている壁が壊されなければならない。

その壁とは,なにか。
それは,倫理である。

善と悪とを隔てているものは,
むしろ分厚い壁のようなものではないもしれない。

それは細胞膜のような,
浸透圧によって,正負の向きが全く異なってしまうものかもしれない。

だが,われわれ人間は
そのベクトルができるだけ一定方向を指すようにして生きている。

その倫理の膜を通過するものを吟味することによって,
われわれがなにものかを濾過しうると信じているからである。

生きるという言葉をわれわれが口にするとき,
その言葉が意志的な響きをもつのはその信じる行為に由来している。

われわれが守ろうとしているその濾過行為を
踏みにじるように思えるもの,それがリトル・ピープルにとっての

生きるということであるだろう。
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「1Q84」BOOK2 読書日誌 第18章

天吾くん,
青豆さんにつながる記憶を思い出しに

出かけているが,
それはあまりに迂闊な行為でしょ。

ふかえりちゃんを
置いていっていいのかな。

ちょっと,不安。
月が二つになったくらいでは(笑。
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「1Q84」BOOK2 読書日誌 第17章

タマルって,
こんなにたくさんのことをしゃべるのか。

いささか,驚き。
では,草食のネコの話はスルーしちゃって

いいのかな(笑。
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「1Q84」BOOK2 読書日誌 第16章

天吾くんと青豆さん,
高円寺にいるんだねえ,高円寺(笑。

高円寺は,
潜んで住むにはよさそうなところだもんなあ。
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「1Q84」BOOK2 読書日誌 第15章

おー,青豆さん,
無事に戻ってこれたんだね,

よかった,
よかった。だが,

青豆さんの
「私は天吾くんを愛している」という言葉の

愛は,一般的な意味での愛ではない。
愛しているという言葉は,

少女時代に感じた感謝と
同士的友愛には用いられない。

「私は地球を愛している」
「私は妻を愛している」

これが愛の正しい用法である。
地球は大きすぎ,妻は身近すぎる。

距離を失い,遠近感をなくしたところに生じる
浮遊する方向性のない恩寵感,

それが愛である。
したがって,青豆さんの愛,

これは誤用であって,それは
痛切な思慕と呼ぶのが適切である。
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「1Q84」BOOK2 読書日誌 第14章

ふかえりちゃんファンのオレとしては,
天吾くんとそういう関係になってほしくなかったが,

第14章の始めに,
「今では雨も降り始めていた」と書いてあるのをみたとき,

二人は,そういう事態になるのだなと観念した。
雨は,村上春樹の世界では

孤独の輪郭を消す天然の修正液のようなものなのだ。
孤独の壁は取り払われ,

親密な二人を守る壁となるのが
雨なのである。

雨が降れば,
そうなる。

でも,ふかえりちゃん,
「わたしはニンシンしない」といってるけど,

きみ,BOOK1の371ページで,
新人賞の応対の練習をしているとき,

「ボーイフレンドはいますか」という質問に,
首を振って,

「ニンシンしたくないから」と答えているよ。
これ,ウソ(笑?
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