しめなわ雑談32

32 冷たくもなく、温かくもなく。

(おかあさん、)

もうすぐ葬儀が終わるんです。
あとは棺の蓋を閉めればいいところまで

つつがなく進行してきたんです。
花を、と神主が言いました、どうか最後の別れになりますから。
ぼくは棺の端の方に渡された花を置き、
あなたの足に触ってみました、最後だから。
あなたは、冷たくもなく、温かくもなく、常温って感じでした。

新婚のおじゃま虫だったじいさんは、
花を置くとその手を合わせて拝み、
神様になってわたくしたちを守ってくださいよと伝言していました。
オヤジはただ、サツエ、とだけ声をかけて
花を置いて退いて、顔を伏せていました。

もうこれで棺をおおっても
いいですか、

(おかあさん。)

しめなわ雑談31

31 では、着替えますかね。

(おかあさん、)

陽気な疾風たちとの歓声がひんしゅくをかって、
今度はぼくが捕獲されました。

早く喪服に着替えなさいといわれましたけど、
そんなの持って来ていない、と言うと、当たり前です、
自分の肉親の危篤の知らせに喪服を持ってやってくる人間がいますか。

おお、やっぱりそうか、
それでよかったんだ。

貸衣装が届いているはずだから、
はやくお隣に行って着替えてきなさい、と指示がでたので
ネクタイが一本足りないとか、
このズボンはいくらなんでも太過ぎると、バス旅行にでかけそうな
騒動をしている親戚のおっちゃんたちにまじっていきました。

あなたは、きょうも死体のままで、横たわっていました。
死ぬことが、このような死体になることでしかないのならば、
ぼくの人生はまだまだ平坦なものでした。

ぼくは自分が慌ただしい人生を過ごしていると思っていましたが、
それは間違いでした。
しかもまだ始まったばかりでした。
職場をいくつか変えて、一度結婚して、一度離婚しただけでした。
死体のあなたは、ぼくのこれからを応援しているようでした。

人間、こうなるのよ。
でも、こうしかならないんだから、
死体になるだけなんだから、
全力で生きればいいのよ。
それだけでいいのよ。
こんなことしかできないと恥ずかしがったり、
自分をもっとできそうに見せるようと虚勢をはっても
こうなるんだから。
ほら、ようみて、
がんばらなんたい。

わかった、よくわかった。
まさかこんなこととは思わなかった。
死体は静かだよ。
死体は激励なのに静かだよ。
がんばるよ、
ありがと、

(おかあさん。)

しめなわ雑談30

30 さわがしい朝だった。

(おかあさん、)

目覚めたときには、まわりが騒々しいんですよ。
大人も子供もけたたましくて、ぼくが言えた義理ではないですが
生きてるってことは傍若無人なことらしく、
しめやかな葬儀の朝、なんてものは吹き飛んでいて
親戚やいとこのこどもたちが自分たちの走力を知ろうとしてるみたいに
だれかがだれかをおいかけていて
広々となっている家の中をかけまわっているんです。

ぼくはそのかけまわる陽気な疾風たちを捕獲して
自分の名前と親の名前とを言わせて自己紹介させ、
兄弟がいるならばそれがいまどこを走っている人物かを

指さしてもらって、それを暗唱し、

きみは誰で親は誰で兄弟は誰でと確認しては
リリースしてました。

そうか、生きてるってことは、こういうことか、
意味のない大声を挙げて走り回ることか、
そしてそのことそのものが楽しいってことか。
そんなこと、忘れてましたよ、

(おかあさん。)

LINE飲みしているうちに、ソフトバンクが負けてる。全然、リアリティない(笑。

高校の同級生仲間で

LINE飲み会して

盛り上がっているあたりで

ソフトバンクがボコられてた。

しょうがない。
3戦目でスチュアートが投げるし、

中継ぎは「えいやっ」と投げる

勢い頼みの若衆しかいないからのぉ。

ペナント中の投手交代で番長が

「ちぇぇぇぇんじ!」とどなってから

DeNAはハートに火がついたね。
番長、名将。

優勝おめでとう。

来年は、阪神がとりかえすけどね(笑。

おおお、ヨドバシ、仕事はやっ(笑。

在庫お取り寄せになっていたから、

あーあ、やらかした、

こりゃ、中旬くらいまでかかるかもと

想定していたら

あっちゅーまに来た、

手元まで届いた!

早い、

ヨドバシ、仕事早い。

遅いのは、ビールと戯れている

オレだけか(笑。

しめなわ雑談29

29 眠れ、眠れよ、朝がくるまで

(おかあさん、)

ぼく、酔っ払ってそのままそこで寝ちゃってました。
オヤジの姿が見えたときに、軽く頭を下げて挨拶して
そのまま飲み続けて、寝ちゃってました。

一度、目覚めたときには、蝋燭のあかりはついたままでした。

で、またそのまま寝ちゃいました。
寝かせてください、このまま、あなたの棺のそばで、

(おかあさん。)

そもそも、今日の予定狂ったのは、この「ダメ連」動画(笑。

おっ、こいつがダメ連のやつか。

ビール飲みながら楽しそうに話してやがる。

じゃ、オレもビール飲みながら見るかw

こいつは、オレの10こぐらい年下だから

まだバブルがブイブイいってたころに

社会から自主的にドロップアウトして

低収入、低支出の安定生活方法を

編み出したらしい。

偉いのぉ。

「勝ち組、負け組」に対して

「ぬけ組」というジャンルを

創出したらしい。

そうか、オレも抜け出したけど

定年後だから

「すっぽ抜け組」でいいっす(笑。

ジャック・ブルース、全然わかってなくて、すんまへんでしたっっっっ(笑。

『I'm so glad』つながりで

Creamの再結成コンサートにたどりついたっす。

たいてい、再結成ライブは

気が抜けた、ふぬけたビールみたいなもんっす。

ところが、ここに、

神経はりつめたおっさんがいるっす。

ベースのおっさんっす。

歌を歌い始めたあとのクラプトンファンなので

Creamとか、ブルースをラウド化した

ブリティッシュのおぼっちゃんの

スリーピースバンドとしか思ってなかったっす。

すんまそん。

このベースのおっさん、すごいっす。

なんすか、この人。

この声、ブルースっす。

当事者のブルースっす。

名前もブルースって、それ、

綴り違うっすw

この人がいたら

クラプトン、歌えないわ。

出る幕、ないわ。

だって、この人、

炭鉱の声してる(笑。

カップス、きっと自分たちを世界のトップだと思ってただろう(笑。

すんません、

かっこえぇぇぇぇを超えてて

カップスは凄かったです。

ライブ盤聞いたら、

ものすげー天才キーボードがいて

一人だけ16ビートで鳴らしてたっす。

きっとこれがミッキー吉野っす。

ものすげーっす。

で、ベースのルイズルイスも

ものすげーっす。

なんすか、これ。

すごいっす。

すごすぎて、知らなかった自分が

恥ずかしいっす。

気づかなかった自分が恥ずかしいっす。

つーか、カップス、

なんで「長い髪の少女」とかやってたのよ(笑。

Mac勢、なめとったっっっっ。先、越されたっっっっっ(笑。

今回のMacminiって、オールUSB-Cだから

変換アダプタいるよなって

ヨドバシで買う準備してたのよ、

お気に入りに登録して。

で、そろそろ買っとくか、、、、

おぉぉぉぉぉぉぉぉ、

お取り寄せになっとるっっっっ!!

まぢか、、、、、、

なめとった。

なめたら、あかん、なめたら、あかん。

じゃ、ハッピーターンでも

ぽりぽりするか(笑。