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バッティの☆作業日誌☆in 千葉(青森から引っ越しましたw)

LOVEで、ROCKで、SPIRITUALな詩人バッティの、今日の心の現像。
(Twitter→jakoushee)

『しめなわ雑談』の紙の本ができた。さあ、友人、知人、親戚一同に発送だ(笑。

2025-01-22 18:29:25 | しめなわ雑談

こちらのブログで連載していた
『しめなわ雑談』の紙の本ができたよー。

もちろん、
製作費も自腹、

郵送費も自腹での
友人、知人、親戚一同への送りつけだよw

30部作って、残部3冊という結果になりそうだな。
来週あたり、Booth(https://hobo.booth.pm/)におくから、

紙で読みたい人は注文してね。
販売価格は200円にしとくけど、

送料が380円、だったかな、かかるんだよね。
ま、

そこは気にしないで(笑。







しめなわ雑談53

2024-12-30 21:00:28 | しめなわ雑談
53  私が克行を生んで三ヶ月で入院したころ


おかあさん、

そういえばさ、最近、宝塚のおばさんから
万年筆を送ってもらったことがあって、さ、
もう黄ばんだ八つ折されててお守りの札みたいな便箋も添えてあったのよ。
開けたらさ、細くて縦長でつながっていくあなたの字だったよ。


「今日は二十七日
 今年最後の里美の年例祭でした。
 お昼に食事の用意をして
 三人でお参りしました。」

だってさ。
それ、昭和の何年のことだろうね、わからないけどさ。
三人ってだれだろう。
ぼくと両親ということかな、まだ弟が生まれていないころなのかな。

「思えば色々の事が私の頭の中をかすめて行きます。
 あなたが学校から帰るのを待ち兼ねて
 子守りをさせたことや遊び盛りの年頃とも知らず
 大変無理な事もお願いしていましたね。」

ということは、あれか、
宝塚のおばさんは、学校から帰ると待ってましたとばかりに
ぼくの面倒を見る係を担当させられたりしていたということか。
それ、いつのこと?
調べてみるか、こういうとき、じいさんの戸籍があるから便利だよ。
ぼくは昭和三十二年生まれで、おばさんは昭和十八年生まれか。
ということは十四歳差、
あらーっっっ、つまりぼくが赤ん坊のときには
おばさんは中学二年生だったということだな。
なるほどっっっ、それが、「遊び盛り」ということなのね。
でも、さ、それで子守りをしてもらっている間に
あなたにはなにかべつの、
家のことですることがあったんだろうな。

「それから私が克行を生んで
 三ヶ月で入院した頃
 夏の暑い日ざしの中を
 お乳を飲ませに来た事が
 一番胸の中に残っています。」

だってよ。
そうか、ぼくは生まれたと思っていたけど
あなたに生んでもらっていたのか。
それ、まったく念頭になかったよ。
あなたが自分の具合が悪くなるくらいにがんばって
ぼくを生んでくれたということか。
で、あなたは体調を崩して入院してしまってて、
その宝塚のおばさんが、まだ中学二年生の女子が、
生後三ヶ月の赤ん坊まるだしのぼくをだっこして
病院まで母親のお乳が飲めるように
てくてく歩いていってくれていたという、そういうことなのね。

知らんかったわー、そんなこと。
お世話になりまくってるじゃん。
じゃあ誰にお礼を言えばいいの、
ああ、両方にか。

じゃあ、あらためまして、
宮子おばさん、ありがとうございました。
あのときの背中の赤ん坊は、こういう、
字を書いたり消したり直したりすることの好きな人間に育ちました。
人間、育ててみなければわかりませんよね。
でも、こういうことで、
少しでもみなさんのお力になれれば
ぼくはとてもうれしいです。

じゃあ、あらためまして、
おかあさん、ありがとうございました。
ほんと、こんな短い言葉を言うのに
もうあれから四十年ぐらいかかってるんだよ。
そういう息子ですみませんが、
ぼくはあなたがた二人の子供であることに
たいへん感謝しております。
この心の澄み具合、青空の中に立っているような心は
お二人からいただいたものと感謝しております。

いや、ホントだってば、まだ酔ってないから。
母親っていうのは、報われるまでに
ながいながい時間がかかる家族の宝石なんだねえ、

おかあさん。




[完]
みなさん、永らくおつきあいいただきまして
ありがとうございました。

母が亡くなってからもう、
四十年近く経ちますが

ようやく、このように
ひとつの形にできてよかったです。

おかげさまで、同時並行して
本としても作ることもできましたので、

親戚、知人の方に配ることができます。
よかったです、

自分にはできないのかと思いましたw
これでまたひとつ、人生の宿題を終え

背負った荷物をひとつおろせます。
では、一日はやいですけど、

みなさん、
よいお年をお迎えください。





雑談しめなわ52

2024-12-26 21:00:08 | しめなわ雑談

52 朗報! あなた、ちんちくりんではありませんでした(笑。

おかあさん、

話したいことは全部話したけど、朗報があるので、
もうひとつ追加させてください。
どうら雑談なんだから、まあ、いくつ増えてもいいんだけどさ。

ぼくはあなたのことをちんちくりんとか言ってましたが、
たぶん、これはあなたのとうちゃんもそう言ってたからでしょ。

ところが、ですよ、
つい最近、西宮のおばさんから届いた手紙に
こういうことが書いてあったんですよ。

あなたの葬儀のあの日、
あなたのとうちゃんはあなたをみつめながら

「サツエ、こげんきれかったか、、、
 きれかねー、、、、」

と、言ってたらしいです。
初耳ですっっっっ。

ひょっとすると、あなたのとうちゃんは
あなたから見つめ返されると恥ずかしいので
あんまり、あなたを見なかったかもしれないですねえ。
ありうるなあ。

で、まぶたを閉じてしまったあなたをやっと
しげしげと遠慮なく見つめる機会に恵まれて
あなたの美しさに気づいたのかもしれないですねえ。
ありうるなあ。

ということで、おかあさん、あなた、
ちんちくりんではなかったということでいいでしょうか。
話し終わったので、のどもかわいたし、
では、サツエさん、乾杯でもしますか、
オレはビールをグラスで飲むけど、
あなたはどうします、おちょこででも飲みますか。
はい、では、
永遠不滅ではあるものの
見過ごされたり、なくなったものとして諦められたりして
再発見されるまでにとても長い人生の時間を必要とする
しめなわに、

乾杯っっっっっ笑。



しめなわ雑談51

2024-12-23 21:00:46 | しめなわ雑談

51 オヤジ、ラッキー、持ってる、なにか持ってる(笑。

(おかあさん、)

朝になって、弟から電話がきたんです。
何を言われても動揺しないようにとかしこまってでたんです。
そしたら、
「施設から電話きたけど、
 尿もでるようになって、
 血圧も八十台に戻った、らしいよ。
 入院することになるらしいよ」とのことです。

入院、ウェルカムです。
入院ということは、病院に入ることだから
治療してくれるじゃないですか。
ということは、無事、誕生日を越せるということじゃないですか。

喪服と弔辞は容態の急変に備えていっしょに宅配便で送ることにして
入院だから面会もないだろうけど
とにかく帰省だけでもすることにしようとしたら
おばさん二人もお見えになってくれることになり、
なんと入院先の病院でも面会ができるということになったんですよ。
どうやら検査入院ということじゃないですかね。

うおおおお、
オヤジ、ラッキーっっっっ、
あんた、持ってる、なにか持ってる!!

ということで、今回の面会は
ぼくひとり、おばさん二人の組み合わせで行われました。

ぼくは模造紙を広げて写真を撮り、
「約束通り、来たばい、
 おやじ越え、おめでとう」と声をかけました。
顔のつやは、今年になって一番くらいに戻ってました。

おばさんたちは、再び、オヤジを起こすことに成功したらしいです。
恐るべし、兄妹パワー炸裂、パート2笑。

そんなこんなで、無事、オヤジの誕生日を祝うことができたんですよ。
で、退院も無事できたらしいです。
はぁ、もうなんつーか、不死身かよ、オヤジって感じです。


だいたいこれで話したいことは話せたかな。
雑談なんだけどさ。
雑談、大事だよ。

まあ、いつか、ぼくがそっちにいって
こんなふうにらちのあかない雑談を楽しめる日もくるでしょう。
それまでは、ぼくはこっちで、この地球の地表で
このカラダでぼちぼちやっていきます。

では、その日まで
そっちも元気にやっててください、

おかあさん。



しめなわ雑談50

2024-12-21 21:02:37 | しめなわ雑談

50 もうあと数日で誕生日というあたりの日。

(おかあさん、)

もうあと数日で誕生日というあたりの日、
もちろん、新幹線の予約も取っていて
あとは行くだけという日に、施設から
「尿がでません、血圧も六十台になりました」と
電話がきたというわけよ。
ググってみたら、それ、余命二、三日の臨終期の兆候らしいです。

そうか、オヤジ、、、、、
あと数日で、あなたが目標としてきた
「おやじ越え」が達成できるというのに
残念だけど、本人がそうなったのならしょうがない。

ぼくは喪服を出し、どちらを着ればいいのかわからないので
半袖と長袖のワイシャツにそれぞれアイロンをかけ、
それから弔辞を書くために墨汁と筆とを準備したんです。

それはオヤジが言いたいであろうことを
代わりに述べるというスタイルの弔辞です。
「ヨシオからみなさんへ」で始まり、
「今日は、みんなそれぞれ忙しかとこ、遠かとっからも
わざわざきてもろうてねほんなこて、みんな、
ありがとおぉぉぉ
おれはカラダのきつなってきたけん、
もうこっちに戻ることにしたったい。」と続いて
模造紙四枚分になりました。

書き終わると、このあとどうしたらいいのか、
全然思いつかなかったのでなにがわからないのかを考えたら
結局、どの時間帯にどんな知らせがきたら
どう行動するかの指針がないからだと分かったので
連絡が入る時間帯ごとに場合分けして、電話を枕元に置いて
もうあとはオヤジに任せると思って寝たんですよ、

(おかあさん。)




しめなわ雑談49

2024-12-19 21:00:34 | しめなわ雑談

49 鼻ぴんぴん。

(おかあさん、)

で、四月の面会は、おばさん二人に同行することになったのよ。
ひとりでいくと十分で終わるから施設の人がご一緒でどうですか、と
配慮してくれたので素直に従ったのよ。

二月のときには、車椅子に座ってねていたけど、
今回は、オヤジはベッドで寝てたので
「祝、再会」と筆で書いた模造紙をかけて写真を撮って、
約束通り来たばい、また誕生日のときに来るから
そこまで頼むばい、と伝えたので
ぼくのミッションはすぐ終了したんです。

おばさんたちは、最初のほうこそはベッドの片方に集まっていて
静かに「ヨシオ兄さん、ヨシオ兄さん」と
静かな声をかけるだけの
オーソドックスな面会客のたたずまいだったんだけど、
そのうち、両はじに分かれて手をさすったり、顔をさすったりして
目を開けるように大声で促すようになり、
いや、もう、ここは個室だからいいけど
ぜったい扉ごしに廊下までつつぬけになっとるやろ的な
遠慮のない声援を送っているかと思うと、
そのうち、なんと、寝ているオヤジの鼻をつまんだり、
鼻を指でピンピン弾き出したのよ。

おいおい、オヤジが壊れるやろ、
その人、看取り期に入ってる人なんだよ。
という息子の心配をよそに

「ほら、こうやって、
 うちらのこと、鼻ぴんぴんしたやろ」
「みんな、ならべーゆうて、ならばせて
 鼻ぴんぴんしたやろ」といって
かまわず、鼻をつまんだり、ぴんぴん弾いて
どうやら、怒らせて目を覚まさそう作戦のようなんです。
かと思うと、
かかっているふとんをはいで
「足、細うなっとるな」と観察眼を発揮したりして
いったい冷静なのか、情熱的なのか区別がつかないんだけど
さすがに根負けしたのか、なんかオヤジが反応して
「うるさいのがおるのぉ、いったい誰じゃ」みたいになってきたのよ。

もう少しで目を覚ますという確信を得たのか、おばさんが
「このままじゃ、帰られへんなぁ」って、
もうそこまでで四十五分ぐらい経ってるんだけど、
もう一ラウンド追加になったわけです。
そしたら、オヤジが
「わかったわかった、
 誰かと思ったら、
 お前どんか。
 もう、うるさかー。
 しょんなかけん、
 俺も起きるたい」みたいにして嬉しそうに笑ってるのよ。
個人の感想ですけど、喜んでるのよ。
「わざわざ来たかい。そら、大変やったのぉ」って
口元が緩んでるのよ。

こんな面会、ありますか?
終わったら、もう一時間三十分も経ってましたよ。
いやあ、兄妹パワーすごいです。
脱帽ですよ、これに比べたら息子の激励なんか
単なる通りすがりの沿道の人です。
でも、ミッションはクリアしたんでぼくも満足はしているんですよ、

あ、でもまだ終わらなかったわ笑、

(おかあさん)



しめなわ雑談48

2024-12-16 21:00:22 | しめなわ雑談

48 とうとうオヤジもここまでか、いや、ちがった(笑。

(おかあさん、)

あなたのとうちゃん、つまりオヤジなんだけど、
今年の七月二日で九十五歳なのよ。
もうあなたがいなくなったあと四十年も長生きしているといえば
そうなんだけど、オヤジはいつも、ひとつぐらい
(あの、くそ)おやじを抜かんといかんと言ってて
長生きぐらいは勝とうと心に思ってたんだよね。
で、今年がその年なのよ。
だから、ぼくも、がんばれオヤジと思って
今年になって毎週、勝手にハガキを送りつける作戦を実行中なんだけど
二月の後半、施設から
「看取り期にはいりました」連絡がきたらしいのよ。

えっ、なにそれ、
看取り期って、もう臨終近いってことか?
もうそろそろ心の準備をしとけってことか?
いやー、よくわからんが、
確かに二月のZOOM面会で見た寝ている様子は、
もう魂が抜けてるんじゃないかと思うくらいに
生気のない感じだったから
看取り期もしょうがないという気になって、
弔辞の下書きを書き始めたのよ。
ちゃんと心をこめたけど、すらすらと書けたよ。
で、書き終わって、考えたのは、
じゃあ、いつオヤジはこっちを去ろうとしているかを予測して
そこを先回りしてふさごうということなのよ。

もしかして、あなたの誕生日の二月二十八日とか狙ってたりしてな、
この純情なうちのとうちゃんは、とか思って
じゃあ、危険なその穴をふさぎに行くことにしたのよ。

で、その面会のときに、どうせ寝ていて
なにも聞いてはいないだろうけど、
深いところでは分かっているだろうから
今度の四月の納骨堂祭のときにまた来るから、
で、そのつぎには誕生日のときにまた来るから、
そこまでは頼むばい、オヤジ、
と、約束してきたのよ。

あ、終わらなかった笑。
もう少し続きます、

(おかあさん。)



しめなわ雑談47

2024-12-14 21:00:21 | しめなわ雑談

47 雑談、大事だよね。

(おかあさん、)

親と子の絆っていうのは
神社のしめなわみたいなものだと言ったけど、
きっと太いところは親の無条件の愛情でできてて
端っこの細いところは親子の雑談でできているんじゃないかな。

オヤジもね、認知症になって施設にお世話になっているけど
きっと、誰にも言わずにひとりで
あっちまで背負っていこうとした心の重荷を
少しずつ降ろしているんだと思うよ。
塩水につけたアサリが砂を吐くように
いま、すこしずつ吐き出しているんだと思うよ。
どんなに酔っても話そうとしなかった里美ちゃんのことを
降ろそうとしているんだと思うよ。

もし認知症になっていなければ、ぼくも毎日電話して
脳トレの計算ドリルを解いてもらいながら
オヤジの声を聞く機会なんてなかったよ。

男同士で雑談なんてできないもんね。
今年二月の面会で、一生分のお礼を紙に書いた通り
一方的にしゃべりかけても十分で終わったからね。
青森から半日かけて新幹線を乗り継いで
でかけていっても、たった十分しかもたない。

でも、そのときのミッションは
話しながらオヤジの手をさすってくる、だったから
ミッションは成功したんだよ。がんばったよ。

さてさて、いろいろと話してきましたが、あとひとつ、
今年のオヤジの誕生日のことだけ話しておわりにするかな。

じゃ、あとひとつね、

(おかあさん。)




しめなわ雑談46

2024-12-12 21:00:58 | しめなわ雑談

46 不動明王さまはライ麦畑の見張り番。

(おかあさん、)

不動明王さまというのは、右手に剣を立てて、左手には縄をもって
背中には炎を背負ってるから見た目はゴツいけど
それ、いまの言い方でいうと、
あんまり跳ねすぎて崖から落ちないように見張っている
ライ麦畑の見張り番といっしょなんだよね。

ぼくも好きだよ、不動明王さま。
一回、夢のなかで
「どうだ、ちょっと代わりにここに座ってみるか」と
スカウトされかかったこともあるよ。遠慮しといたけど。

正一にいちゃんが修行していた栃木のお寺さんは、
途中でグーグルマップが入らなくなるくらいの田舎にあったよ。
住み込みで修行できるように寄宿舎というか、寮みたいになってた。

入院しているときに観音さまが痛いところを
さすりにきてくれておかげで楽になると
あなた、ねえちゃんに言ったでしょ。

それね、正一にいちゃんがお滝をいただいてくれていることに、
感応して来てくださったおかげらしいと知って、
お礼の挨拶にうかがってきたんだよね。

遠かったわー、かなりあった。
夏なのに、そこ、涼しいくらいだったから
水ごりするのは、さぞ厳しい修行だったと思う。

正一にいちゃんは、
「もう、さむうてな、
 先生と酒飲んでふたりであったまったわ」
ってことだったから
たいした修行じゃないじゃんとかってなめてたけど、
いやいやいや、間違ってた。
夏の夕方でも、もう水が冷たそうだった。
あれは大変な修行。お寺に実際行ってからは、
正一にいちゃんを尊敬するようになった笑。
あれは、なかなかできん。
ぼくがやったら、すぐ腹がいたくなってうんうんうなっとるレベル。

せっかくきたなら不動明王さまもお参りになりますか、と
すすめられたので
少し離れた公園みたいなところにあるという
仏像を拝みにいったのよ。

不動明王さまは、ね、二本足で立ってらっしゃって
なんとね、お顔がね、優しい少年みたいでね、
思わず、それ、オレだよ、オレ、オレの顔だよって思ったよ。

ネットでググって確かめようとしたけど写真はなかったわ。
でもね、あのときには気づかなかったけど
そこね、観音さまが立ってらっしゃったよ。

ああ、あなたが
うちの母親をさすりにきてくださったんですか。
どうもありがとうございました。
その節は、気づかず失礼いたしました。
天界は、どこで祈っていてもすぐ聞きつけて
動いてくださるネットワーク集団ですよね、存じております。
また、さまざまな人々の苦厄を
ぬぐいさってくださるよう、お願いいたします。

と、今さらながら
お礼を申し上げておきますね、

(おかあさん。)



しめなわ雑談45

2024-12-09 21:00:58 | しめなわ雑談

第4章


45 成仏しなさい、娘をつれて。


(おかあさん、)

ところがあなた、亡くなってしばらくすると、
ひとの夢枕に立つようになったでしょ。

夢枕というか、夢の中というか。
錫杖の金属の輪を鳴らしてやってきたり、
ねえちゃんに今月の出費の準備を促しにきたでしょ。

で、どうもこれは
あなたが成仏してないのではないか、と
いう疑問になっていったらしいですよ。

あなた、
あなたのねえちゃんに言ってたでしょ、
「ねえちゃん、
 うちは死なれんとよ、
 まだせなんこつの、いっぱいあっとよ」って。

ひとのことばっかり心配するあなたは、すぐに涅槃に直行すればいいのに
まだ、この世のひとたちのことを心配して
この世をうろうろしてたんですね。

ですから、そこらへんの拝み屋さんではなく、
あなたを説得できる霊能力者ということで
不動明王の行者さんに白羽の矢がたって、
そこへでかけて祈ってもらうと、

不動明王像を飾った部屋で
行者さんを含め、十数人の弟子のような方が
一緒に真言だかお経だかをあげたあとで
姿の見えないあなたに向かって

うしろに隠さなくていい、
子供もつれておるな、
それでは、二人とも一緒に
お不動さまに導かれて
ついていきなさい、と諭されたようですね。

その指摘には、びっくりです。
それ、その子供って
幼くして亡くなった
ぼくのお姉さんのことですね。
里美ねえちゃんです。

里美ねえちゃんはね、ぼくがまだ小学生ぐらいのころ、
夜中にトイレから帰ってくると
布団を並べたところに寝ている頭が四つあって、
あれ? 自分がいないのに、四つある、
ということは、今日は里美ねえちゃんが帰ってきてる、と
思ったことがありましたよ。

で、たぶんですけど、あなたと里美ねえちゃんは
説得されて一緒にあちらへとお移りになったんですね。

心配しすぎですってば、

(おかあさん。)