江東区図書館生活

本棚の本をずいぶん少なくすることができました。

社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう! [単行本(ソフトカバー)] ちきりん (著)

2012-12-14 06:03:26 | ★★★☆☆おもしろかった
社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう! [単行本(ソフトカバー)]
ちきりん (著)



場所:江東区図書館

学生時代から20年以上しばしば訪れた海外での気付きをシェア。


●<P.031>ソウルオリンピックの開催が決まったとき、日本政府も韓国政府も、多くの日本人が韓国を訪れると予想したでしょう。そんな中、日本で最も使われているお札が「伊東博文の千円札」というのはいかにも都合が悪いというわけです。またこの頃から韓国の経済力も高くなり、多くの韓国人が日本を訪れるようになることも予想されていました。その場合、彼らは毎日のように「町中に溢れる伊東博文のお札」を目にすることになります。
 このときの紙幣刷新の理由は「偽造防止」であり、公式には「韓国への配慮」はその理由ではないのですが、ちきりんは1984年の紙幣デザインの全面改訂には、そういった背景もあったのではないかと想像しています。
★これ、おもしろい、なるほど。


●<P.051>日本のように豊かになれば、一般の人も休暇目的で飛行機に乗るようになるため、羽田で見かける人は街中で見かける人の姿と大きくは変わりません。でも飛行機が一般人には乗れない価格の間は、国内線ターミナルにいる人と街中の人の姿が異なるのです。日本でも昔は「飛行機に乗る人は見るからに富裕層の人だけ」という時代があったはずです。街中と国際線ターミナルの風景が同じになったら、その国の庶民が豊かになったということなのです。
★これもいいところに目をつけているな。
こういう視点を持ちたい。


●<P.092>この時以来、私は「メディアで報道される外国のイメージ」と、「実際にその国で自分が感じる印象」のギャップを意識するようになりました。メディアは「ニュースバリューのある、ごく限られたイベント」だけを報じるのであって、その国の全体像を把握するのに適切な情報を流しているわけではありません。
★これも意識しておきたい。
文脈は、ボートピープルとなってまで逃げ出したくなる国ベトナムと報道されてはいるが、実際に行って見ると確かに貧しいものの活気に溢れ未来に希望を持ったベトナムがそこにあった。


●<P.197>日本でも最近よく経済格差の存在が問題視されます。それは多くの人が「格差」を認識しているからです。そしてその「格差の認識」こそが、日本が豊かな社会であることを示しています。格差が当然のように存在する社会では、格差問題自体が(少なくとも当事者には)認識されないのです。
★これもいい指摘。
文脈は、インドで見た風景。
当然のようにリクシャー(三輪自転車の人力タクシー)にのる富裕層の子どもらと、当然のようにそれをこぐ同年代の子ども。
そこではそれは当たり前、だから格差とは認識していない。
もしかすると格差の認識はあるかもしれないけれども、なんとかすべきもの、なんとかなるものという意識にはならない。
その意味では、日本は、格差を問題として意識できるだけでもましな状態。
これがしゃーないになると危ない。


●<P.207>日本では電気の重要性について語る時、多くの人はクーラーや冷蔵庫、電子レンジのある「便利な生活」を思い浮かべ、反対に「電気のない生活」というと「不便な生活」を思い浮かべるでしょう。けれど実際には、「電気のない生活」とは「光のない世界」を意味するのであって、「便利か不便か」という前に、恐怖そのものです。治安のよい日本でさえ、夜に電気が全部消えて完全な闇が現れたら、怖くて一歩も動けない人がたくさんでてくるでしょう。
★この指摘もいい。
ゼロベースで考えているつもりでも、実はなにか仮定をおいてしまっているかもしれない。


●<P.218>というより、彼はむしろ私に伝えようとしていたのでしょう。「家や車やお金なんて持っていても、私の生活は決して豊かとは言えない。豊かな人生というのは、あなたのように希望や自由や選択肢のある人生なんだ」と、彼は言いたかったのです。
★文脈は、ビルマ(現ミャンマー)旅行時、ビルマでの自称金持ちとの会話から。
日本に生まれた、日本に住んでいる、そのことが実はかなりのアドバンテージを意味している。
強みとして活用できているか?


●<P.230>ひとり旅では予算的に大変かもしれませんが、数人のグループなら専任ガイドを半日ぐらいつけるのはそんなに高くもありません。ただ、中身のある話をするためには、それなりの英語力が必要です。最近はオンライン英会話など格安の勉強方法もでてきているので、旅スタイルの選択肢を増やすためにも(もう一度?)英会話に取り組んでみてはいかがでしょう?
★こういう楽しみ方もあるのね。


●<P.235>こういった手違いに関する私の対処方法は次の3つです。
1.事前に何度も確認する→現地の業者がポカミスをおかさないよう、気をつけるのも客の務めと割り切っています。
2.現地では10分以内のは誤差だと理解する。ただし15分以上の遅れがあったら、すぐに対応を取る→いつまでも「どうしよう?もう少し待ってみる?」などと悩むのが一番の時間の無駄です。自分なりの「待つ限度」を決めておくと行動が早くなります。
3.お金で済むことはさっさと諦める→旅行中はお金より時間の方がよほど大事です。
★10分は誤差、15分以上は行動を起こす、これは見習って良さそう。


●<P.236>また、「ホテルの部屋でお湯がでない」「クーラーが効かない」というレベルだと、もはやトラブルとも言えません。こういう時は、つぎの二つが基本です。
1.笑顔で、はっきりと、リクエストする
2.問題の解決方法は自分で考える
★これに続く文脈で、海外では往々にして分業が発達しており、自分の所掌範囲でないことを言われてもしらないということが語られる。
だから、ホテルのフロントにいくらインフラ面のクレームをつけても、実効的ななにかが得られにくい。
だからここは笑顔で、あなたのせいではないのよというメッセージを伝えつつ、この点について責任を果たすべき人に連絡して頂戴とリクエストする。
なるほど。
あと、解決方法についても、言われる方にそれを考えるモチベーションやインセンティブがないなら、丸投げしても効果は薄い。
困っている自分が具体的に考えた上で、具体的にこうしてくれないかとリクエストする。
これもなるほど。


●<P.238>最後に旅のトラブルというと、いわゆる「悪い人」に騙されるケースも多いですが、この点について、私は次のふたつのルールを守っています。
1.自分から話しかけた人しか信じない
2.「偶然、再会する」のはあり得ないと理解する。
★これも採用したいルール。
話しかけられたら疑え。


【アクション】
年金やら、政治やら、現状に不満はいろいろとあるかもしれないが、日本に生まれたこと、日本にいること、そのことの持つ強みは意識したい。
今でもやれることはいっぱいあるのでは?
ないものを嘆くより、あるものをいかに活用するか、そちらを意識したい。



【著者】
ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法 [単行本(ソフトカバー)]
ちきりん (著)
http://blog.goo.ne.jp/shinyability/e/6e354fd8a43d29399b322e8fb3c35da5