サラリーマンの悩みのほとんどにはすでに学問的な「答え」が出ている (マイナビ新書) [新書]
西内 啓 (著)
![](http://ws.assoc-amazon.jp/widgets/q?_encoding=UTF8&ASIN=4839941939&Format=_SL160_&ID=AsinImage&MarketPlace=JP&ServiceVersion=20070822&WS=1&tag=bloggoone01ce-22)
場所:江東区図書館
●<P.36>このような内生的経済成長理論に基づくと、日本が敗戦というハンデにも関わらず明治維新から百年ほどで世界トップレベルの経済大国になったのも、当時としては異例の知恵のストックの大きさによるものだったと言われています。
江戸時代の日本には「読み書きそろばん」といった言葉に代表されるような、識字率の高さや基本的な計算能力、「器用さ」すなわち工業的な加工技術に関する有形無形のノウハウ、組織や地方社会への忠誠心や共同体意識といった社会性、など様々な知恵がストックされていました。これは、当時の非欧米地域としては異例とも言えるレベルでしたし、ありはひょっとすると当時の欧米地域以上だったかもしれません。この蓄積されていた生産性に関係する知恵が欧米の科学技術と化学反応を起こしたことが、日本の経済的な躍進を支えたのではないかというのです。
●<P.37>2つめは、このような知識やアイデアが十分にストックされたり、使われたりしている場に居続けるということ。のんびりした田舎暮らしは素敵なものですが、シリコンバレーがシリコンバレーとして大きな成長を成し遂げたのも、そこらじゅうにITの専門家や科学者がいて、自然と交流するうつに膨大なアイデアがストックされ、利用され、化学反応を起こしたからだと言われています。都会に行って、もし可能であれば外国語を勉強して、ニューヨークでもボストンでも上海でも、アイデアに溢れた街で働くだけであなたのすでに持っている知恵が大きな価値を生む可能性はあります。
★まずは、やっぱり計画された偶然ということか。
意図せざるにしろ、欧米の科学技術を受け止められるだけの土台があったからこそ、かくも短期間にキャッチアップができたということ。
ここでの気付きは、だからちゃんと準備しておけ、というだけでなく、もっと積極的に、準備した上でそれが活用される場を積極的に求めていけということ。
確かに待ってる必要はない。
インプットは、アウトプットしてこそ磨かれるし、身につく。
●<P.69>例えば法務省の犯罪白書によれば昭和56年から平成22年までの30年間、毎年100万件以上の窃盗が認知件数として挙げられています。平成22年においては一時期と比べずいぶん落ち着きましたが、それでも120万件ほど。そのうち4.5%が空き巣とのことなので、平成22年の1年間だけで5万件つまり日本全国のおよそ1000世帯に1世帯が空き巣被害にあっている計算になります。
★タンス預金のリスクは高い。
少なくとも、ペイオフで1000万円以上の部分がやられる確率よりははるかに高い。
●<P.77>投資するには当然元手になるお金が要りますが、とりあえず現在ある程度の預金があるのであればまずそのお金を使って投資します。また、預金があろうとなかろうと、これから毎月行うべきことは基本的に同じ「心の会計を利用して投資資金を生み出し、それを継続的に適切な投資に回し続けること」です。なおもちろんカードローンの残高を含む利子のある借金があるならば先にそれは返済してしまいましょう。
●<P.79>次にすべきは投資用資金をおよそ1/4ずつに分割することです。まずはその1/4ずつのうち1つめを、「今最も悲観的な経済ニュースになっているもの」のインデックスファンドに自動積み立てしていきましょう。
★心の会計を逆用するのはいいんでないかということは昔からちょっと気になっていたこと。
心の会計に使われてしまうと、経済合理的な判断はできなくなる。
経済合理的には最適ではないけれども、準最適な行動を実行することを、心の会計を積極的に活用することでできないかと。
山崎元氏は、ドルコスト平均法はリスクを減らさず意味がない、経済合理的には一気にどかっと買い付けろ、今後も経済成長が続いて値上がりが期待できるのなら一気にどかっと買うのが経済合理的だという。
頭ではわかる、でも正直難しい。
今、エマージング市場のインデックスを一気にどかっと買うのはちょっとねぇ。
で、心の会計。
ドルコスト平均法での買い付けなら、そんなにドキドキせずにできる。
経済合理的には最適でなくても、全く何もしないというより避けねばならない行動ではない行動、すなわちドルコスト平均法での毎月買い付けぐらいならできる。
●<P.100>「自分は特に、どんなことに意義を感じるのだろうか?」
「自分は特に、どんなことに喜びを感じるのだろうか?」
「自分は何が得意なのだろうか?」
1つめの質問は「意義(Meaning)]を聞いています。2つめの質問は「喜び(Pleasure)」で、3つめの質問は「長所(Strength)」です。これら3つが重なりあう領域にこそ自分の天職はあり、天職を見つける、あるいは仕事を天職に作り変えるためのプロセスは、この3つの質問の頭文字をとってMPSプロセスと呼ばれています。
この質問に正しく答えることはほとんどの人にとって案外難しいものです。なぜなら、多くの人はこのような質問に対する「建前」をすでに持っているからです。別に1人でこの問題に向かう上で、どう答えようが咎められることもないはずなのに、なぜか多くの人は「自分の周りの規範」などを持ち込んで正直な回答を無意識のうちにためらったりもします。ですから、よく考えてみると実はそれほど意義を感じていなかったり、楽しいわけでも得意でもない、ということを挙げてみたりもします。
★長所はCAN、意義と喜びはWANT、自分視点の天職ならこれでよいか。
これにMUST、すなわち組織視点でのやらせたいこととのアンドが取れたなら、それはキャリアとして実現する。
小ざかしいかもしれないけれども、MUST(組織がやらせたいこと)の中でCAN(できること)を見出して、あるいは身につけて、そこに意義や喜びを見出していくのが現実的ではないか。
●<P.111>今回ご紹介するVIAテストと呼ばれるもので、ポジティブ心理学の父と呼ばれる人物の1人である、元アメリカ心理学会会長のマーティン・セリグマンがその著書『世界でひとつだけの幸せ』(アスペクト)において紹介しているものです。これは世界中の様々な成功者に対する調査と分析をもとに「人の強み」を特定し、自分にどのような強みがあるのかを判定できるように作られました。
VIAテストは質問を省略した簡易版とともにインターネット上に無料公開されています。http://www.authentichappiness.sas.upenn.edu/にアクセスして、右上から言語のオプションとして日本語を選ぶと、誰でも日本語でテストが受けられるはずです(2012年3月8日現在)。
★メモ。
●<P.128>以前私はたまたま占い師をしている方とプライベートで話す機会があったのですが、彼は相談を受ける時、よく「人間関係の悩みじゃないですか?」とまず聞いてみるそうです。
もし仮に当たっていれば相談者は驚いて「何でわかったんですか?」と占い師がすごいということになりますし、「いえ、人間関係じゃなくてお金のことなんですけど…」と外れた時でも「そうですか?私には何かそれがお金自体のことよりも、あるキーマンとなる人との関係性に問題があるような気がしたんですが…」と言えば、確かに言われてみればそうかもな、と、やはりこの占い師はすごいということになります。給料が上がらないとか出世できないとかいったことだって、ある程度は単に上司や顧客との関係性だけで説明がつく悩みなのかもしれません。
★これおもしろい;)
覚えておこうっと。
●<P.139>パス・ゴール理論によれば、リーダーの行動が部下に受け入れられるためには、その行動が即時的あるいは将来的な部下の満足度を高めなければいけません。そしてリーダーの行動が部下のモチベーションとなるのは、部下に効果的な職務遂行を行わせることができるか、もしくはその効果的な職務遂行に必要な指導やサポート、報酬を提供する場合と定義されます。平たく言い換えれば、「満足できる良い仕事をさせてくれる上司が良い上司」ということです。
★確かに。
今すぐにしろ、将来にしろ、なんらか自分にとって役に立つ便益を与えてくれる上司でないと、いらんわな。
部下それぞれについて、自分はどうだろう?
どんなメリットを提供できているだろう?
これは一度じっくりと考えてみるべき。
●<P.147>あなたが「当たり前だ」「こうあるべきだ」と思っているリーダーシップのスタイルは、あなた自身やあなたのかつての上司にとって当てはまりの良いものだったかもしれません。しかし、それだけで必ずしもうまくいかない、ということがすでに科学的に実証されていることも明らかなのです。
あなたが今までやってきたリーダーシップの発揮の仕方は、言わばジャンケンのグーだけで戦い続けてきたようなものだとさえ言えるでしょう。相手がチョキならうまくいきますし、たまたまパーなら当然うまくいきません。そこで「違うやり方がある」という奥の手を持っておいて使い分けることさえできれば、もっと多くの部下とうまく仕事ができるのではないでしょうか。さらには、同じ人物を相手にして、「複数のタイプのリーダーシップ」を同時に並行して使う、といったやり方も考えられます。仕事の構造と感情的サポートのどちらか一方だけしか提供してはいけないということはなく、必要であれば同時に両方提供しても良いわけです。
★個別対応、オーダーメード。
●<P.190>「最も可能性の高い所要時間の見積もり」
=(楽観的見積もり+4×現実的見積もり+悲観的見積もり)÷6
★メモ。
●<P.205>ですが、すでにご紹介したポジティブ心理学者のマーティン・セリグマンは「素晴らしく幸せな人々」と「それほどではない人」の違いを分けるものは何かを調査し、そのデータを分析した結果、彼らを分ける唯一の外部的な要素は、「豊かで満ち足りた人間関係」の有無だったということを明らかにしました。結婚している人はうつ病にかかるリスクが、結婚したことのない人や離婚暦のある人に比べて低いという研究結果もあります(なおリスクが一番高いのは離婚暦のある人たちです)。家族社会学の第一人者でもあるグレン・エルダーはサンフランシスコい住む人たちを三世代にわたって調査した結果、結婚している人たちは貧困や大恐慌、戦争といった大きな困難に対しても立ち向かう力が強いということを指摘しています。
★豊かで満ち足りた人間関係というのは受け入れられているということか。
自分はそこにいてもよいと、自分でないほかの誰かに言ってもらえる。
結婚はまさにそれ。
離婚はその否定とも考えられるので、確かに結婚していない状態よりも悪くなるのは理解できる。
●<P.209>【離婚の前兆】
・意見の不一致
・文句というより相手への批判
・あらわな軽蔑
・相手の話をさえぎる
・相手の話に対する確認の欠如
・否定的なボディーランゲージ
●<P.211>【長続きする結婚の特徴】
・朝出かける前にお互いの予定を確認する
・仕事が終わったあと一緒にたわいもない話をする
・触れ合ったり手をつないだり抱き合ったりキスしたりといった行為全てに優しさと寛大さがある
・リラックスした雰囲気の中で2人きりで愛情を確かめ合うデートをする
・毎日少なくとも一度は感謝や愛情をあらわす
★できてるかな?(ドキドキ)
●<P.216>口論になる時、人はよく相手の話を遮って自分の考えばかりを主張します。その際、ほとんど相手の話を聞かず、お互いに話を聞かないことがより誤解の溝を拡大し続けるのです。これも先ほどの離婚の前兆の1つにカウントされています。
それを防止するためのルールとして、ハンカチだとかボールだとかを1個用意しましょう。それをそばに置いている側が「話し手」、そうでない側が「聞き手」に徹するというルールを作ります。話しては一通り満足するまで話し、聞き手はその間とにかく余計な口を挟まず聞く姿勢に徹することを何度か交代し続けるのです。
★これは使えそう、メモ。
●<P.217>「性格とは何か」と考える時、生まれつき備わっているものや、幼いころの教育のみによって形成されるものというイメージがなされることも多いかもしれません。しかし、現在のまっとうな心理学者たちの中では、「人間の体も脳も絶え間なく変化している事実を考えれば、性格とは『習慣』だと考える方が理にかなっている」という考え方が主流になりつつあります。
★これもおもしろい。
意識すれば性格も変えられるということか。
●<P.234>実は大半を占めているのは次に紹介する「3つの考え方」です。例えばお金や地位を実際に得たかどうかという外部環境よりも、お金や地位に関係なく夢中になって仕事に打ち込んでいるかどうかということの方がはるかに幸福度と関係していて、さらにその奥には幸せになるために必要な考え方の存在があるのです。逆に言えばこの考え方を持っている人は仕事でも成功しますし、家庭も円満になります。
その3つの考え方とは「感謝」と「許容」と「気づき」と呼ばれるものです。
●<P.236>そして最近のポジティブ心理学の研究の結果明らかになったことは、人は成功したから幸福になるのではなく、こうした考え方によって幸福になったからこそ、仕事や家庭で高いパフォーマンスを発揮し、その結果成功するのだということです。
●<P.238>ですがこれについてもすでにポジティブ心理学が答えを出しています。夢は「叶えた結果幸せになるもの」ではなく、「叶えようが叶えまいが持っているだけで幸せになるもの」なのです。
★成功の結果幸せになるのではなく、幸せだから成功する、深い…
【アクション】
部下一人ひとりについて、即時的あるいは将来的な満足度を高められているか?を考えてみる。
【著者】
なし