アフタヌーン新書 006 ジオン軍の失敗 [単行本（ソフトカバー）] 岡嶋 裕史 (著)

アフタヌーン新書 006 ジオン軍の失敗 [単行本（ソフトカバー）]
岡嶋 裕史 (著)



場所：江東区図書館

ジオン軍のモビルスーツ／モビルアーマーの技術開発史から、失敗する製品が世に出てしまうのはなぜかを語っています。
ファーストガンダムのＴＶと映画、それに「機動戦士ガンダム公式百科事典」（こんなんあるんや！）を元データにしているので、信憑性アリ；）
ガンダム、特にファーストガンダム好きには薦めたい本。

いろいろと知らなかったことや、気付きや、発見、そうだったのね、がありました。
・ジオンと地球連邦の国力差は１：３０
・それだけの国力差があっての開戦に決意できたのは、ミノフスキー粒子とモビルスーツの先行開発、ミノフスキー粒子の散布下では有視界での近接戦闘が基本となるため
・開戦直後のブリティッシュ作戦では、サイド１、２、４に毒ガスＧＧガスを注入し全住民を５時間で殲滅
・コロニー落としはアイランド・イフィッシュ、爆弾満載、目標はジャブロー
・コロニーとしての原型をとどめたままコロニー落としを成功させるため、多数のザクが減速作業に従事
・連邦の抵抗により、イフィッシュはジャブローに落ちず分離、最も大きな破片がシドニーに落着、減速作業に従事していたザクとそのパイロットが連邦の攻撃により多数失われることに
・第二次ブリティッシュ作戦として今度はサイド５を落とそうと画策するジオン軍、連邦は戦力を結集、空前絶後の艦隊戦ルウム戦役、艦隊数比ジオン１、連邦３
・コロニー落としから艦隊戦となったことで、コロニー落としについての作業から解放されたザクは次々に連邦の艦艇を撃沈、
・ジオンの規定では、戦艦５隻でエースの称号、ルウム戦役ではシャア、黒い三連星
・連邦軍第三艦隊旗艦アナンケ撃沈、レビル将軍捕まる！、連邦撤退、投入戦力の８０％を失う連邦軍
・和平交渉、交渉を有利に進めるジオン軍
・レビル将軍脱走、「ジオンに兵なし」、戦争継続…
と、ここまで開戦時の状況。
太平洋戦争時の日本軍と似ている。
ザクのパイロットという人的資源を最初期に多数失ったことは痛い。

他にも、
・ジオンは製品ライン増やすし過ぎ、運用面ではそりゃ回らんわな
・固定兵装のたとえばグフなんかは、現場での運用は面倒、弾薬の補給ですらモビルスーツ本体の拠点への帰還が必要
・ゲルググとズゴックは名機のよう
・陸上仕様で作ったドムから、宇宙仕様のリックドムへの転用はかなり大変
・地球での最大の目標はジャブロー、そこへのアプローチとして水路はあっても、メインの戦場は陸上、妙に水中での戦力にこだわって作っちゃった水陸両用モビルスーツ群
・ビグザムは元々ジャブロー制圧用？！、宇宙での運用に転用した結果稼働時間は１５分！
・ジオング、エルメスなどのサイコミュ搭載機の基本戦術はアウトレンジ攻撃、防御能力は弱めなので、他のモビルスーツに守ってもらう、なのにガンダムへ近づいちゃったシャアのバカ！


【アクション】
新しくなにかをはじめるときは、なにかをやめる。


【著者】
数式を使わないデータマイニング入門 隠れた法則を発見する (光文社新書) [新書]
岡嶋 裕史 (著)
http://blog.goo.ne.jp/shinyability/e/d0941c5db2996d27efc52f7a747859d6