20代で絶対に身につけたい数字力のルール [単行本(ソフトカバー)]
久保 憂希也 (著)

場所:江東区図書館
特段の目新しいなにかが得られたわけではないけれども、数字力の大事さが簡潔にまとまってるので、このへんが弱い若手には薦めても良さそう。
相関があるからといって必ずしも因果があるわけではないことや、リカードの比較優位なんてのが書かれているのは好感触。
ただ、惜しむらくは、数字力の大事さは書かれていても、数字力をどうやって身につけるとかはあんまり書いてない。
地道に身につけろってことかい?
以下、メモ。
・数字ではかれる根拠を使って評価をし、その後に主観で修正する、定性的な要素の中でも定量的に表現できるものはないかと考えてみる、もはや数字にできるものはないというところまでいってから主観判断を入れる
⇒定量的に判断するのが難しいからといって始から定性的判断や主観的判断に逃げない
・目的を見失った目標は意味がない、害ですらある、死亡率ゼロを目指した病院が分母を減らすために死亡率の高い急病難病患者の受け入れ拒否をしたら本末転倒
⇒身の回りでこれ起こってないか?
・ニューヨーク、ジュリアーニ元市長、割れ窓理論で犯罪を減らしたと言われているが、実際にはアメリカ全体の景気が良くなり雇用環境が改善された結果として犯罪率が下がった
⇒相関関係があるからといって因果関係があるわけではない
・エドワード・デボノ「水平思考の世界」、悪徳な金貸し、空の財布の中に黒と白の小石を一つずついれる、娘は中を見ないで一つ取り出せ、黒なら娘は金貸しの妻になり借金帳消し、白なら娘は父親と暮らしてよく借金帳消し、金貸しは商人と娘を小石を敷き詰めた庭に呼び出し、庭から小石を拾い上げて財布へ、入れた石は両方とも黒、娘はそれを見ており、石を選ぶことを拒否すれば父親は監獄送り、どうする?、正解は、どちらでもいいから石を取り出し、色の確認ができる前にわざと庭に石を落とす、庭には石がしきつめてありどれが落とした石かはわからない、金貸しには、財布に残った石をみてください、それと違う色の石が私が選んだもの
⇒すばらしい!、二択を迫られたからといって、必ずしもそのうちから選ぶ必要はない、二択を超える答えはないか探すべし
・BATNA、Best Alternative To a Negotiated Agreement、交渉が成立しない場合の最善の代案
⇒メモ
・仕事と業務は違う、仕事は付加価値を生み出すもの、業務は仕事を進める上で必要なこと
⇒業務だってもちろん大事、やらないとダメ絶対、でも業務に逃げない、仕事をするために業務をする
・仕事とは意思決定、意思決定しない人に付加価値を生むことはできない
⇒これは至言
・ユニチャーム「紙おむつ3000ドルの法則」、一人当たりGDPが3000ドルを超えると、その国で紙おむつが一気に売れ始める、2010年インドネシアがその水準に達し、先立つ09年に動いたユニチャームは30%前後だったシェアを50%へ
⇒おもしろい
【アクション】
1.選択肢が提示されたからといって必ずしもそこから選ばなくても良いのではと疑ってみる、選択肢を超えるような解はないか?
2.意思決定こそが仕事、特にリーダにとっては、意思決定をしないことは意思決定を間違うよりも悪いかもしれない、つらくても苦しくてもとにかく意思決定する
【著者】
なし