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高校時代、始めて聴いたベルベッツのアルバムが3枚目である。
そのころの自分は、宝島社から出ていた「ロック名盤カタログ」という本がすべての知恵蔵であり、それのみをネタに「次は何を聴けばよいのだろうか?」と、ロックを体系的に聴こうと努力していた。今思えばレコードを買うたびにそれがすべて名盤だったのだから、すごい黄金の時期だ。
残念ながらその本は友人に借りパクされてしまったが、その本には「ベルベッツはパンクのルーツ!」と、パンクの源流に位置づけられていた。そういう予備知識のみに購入を決意した。
さて、行きつけのDISKBOXに行ってみるとベルベッツはこの3枚目しかななかった。当時はアナログしか買わないことを誓っていたので、ファーストもCDならあったかもしれない。
パンクの元祖ということにゃあ、そりゃあ激しい音楽を想像していたのだが、まったくのフォークロックみたいな感じでかなり拍子抜けした。だがもちろん、60年代に深く入りはじめてたとこだったので、とても気に入ってしまった。ただし、夕方から暗くなるその時候に聴いたので、最初に聴いた「マーダーミステリー」はとても不気味な感じがした。
今聴くとよくわかるが、このアルバムのギターはとにかくいろんな種類のクリーントーンを曲によって使い分けている。デジタル化できない、感性・感覚によって作り込まれたクリーントーンには唸らざるを得ない。クリーントーンを操ることが、ギターの究極の音作りだと思っているので、これは大変参考になるし、到底現段階では超えられない。すごい。
昨年の春、自分と妻は、高速道路でニュース速報に流れ新聞にも名前が載ったくらいの大事故に巻き込まれた。約一週間入院した。
いつも車に乗るときはCDを百均のカゴに大量に積み込む。「もし事故にあったらこのCD、全部パーだなー」などと日頃考えていたが、実際になってしまった。
なんと、高速道路で脇見により横転してしまった事故車の底部に、我々の車が時速100km超で正面衝突してしまったのだ。もちろんまわりは真っ暗で、車は底面を向けていたため、車という認識ができなかったのだ。気がついたときにはブレーキを踏むヒマもなかった。
車は猛烈な衝撃とともにエアバッグが飛び出し、車がスピン、ガードレールにぶつかってようやく止まった。車内はめちゃくちゃだ。そして前方エンジン部からは煙がもくもくと立っている。やばいと思って逃げたが、エンジンを切り忘れていた(この時妻を置いて逃げてしまったらしく、今でも言われ続けている)。
それに気づいてエンジンをとめに行ったのだが、そこで車の車外に一枚のCDが投げ出されていたのを見つけた。それが、このベルベッツの3枚目であった。
実はこのCDはかけがえのない一枚である。
妻の大学時代の友人(サークルの後輩)がいた。彼女は、シノワ初期からシノワを気に入ってくれていて、ファンジンにインタビューなんかも載せてくれた。とてもサブカルでかわいい、ステレオラブや、ファンタスティック・プラスティックマシーンや、『STUDIO VOICE』なんかが好きな女の子だった。
その子がある日タイに旅行に行ったそうだ。帰国後、突然体調が悪くなり、原因不明のまま、そのまま亡くなってしまった。
自分たちはすでに北九州に住んでいたが、たまたま関西に帰省していた時、その子のお母さんが残された彼女の年賀ハガキや手帖などを見て縁ある人に電話をされたようで、妻に連絡があった。
自分自身がその子と会ったのは、一~二度だったが、本当に深すぎるショックを受けた。不適切な表現かもしれないが、あまりにもそういう人間像と「死」というギャップが大きいものだったからだ。
後日、お母さんよりその子の遺品をもらって欲しいとの要望が妻にあり、妻が選んだきたものがこのベルベッツの三枚目だった。彼女はモーリン・タッカーが歌う「アフターアワーズ」がとても好きだったそうだ。
我々はあれだけの事故にも関わらず、一週間程度の入院と、妻は約一ヶ月の自宅療養ですんだ。自分たちの代わりに車外に飛び出して、そして自分たちを救ってくれたのだ。
なおちゃん、ありがとう!
そのころの自分は、宝島社から出ていた「ロック名盤カタログ」という本がすべての知恵蔵であり、それのみをネタに「次は何を聴けばよいのだろうか?」と、ロックを体系的に聴こうと努力していた。今思えばレコードを買うたびにそれがすべて名盤だったのだから、すごい黄金の時期だ。
残念ながらその本は友人に借りパクされてしまったが、その本には「ベルベッツはパンクのルーツ!」と、パンクの源流に位置づけられていた。そういう予備知識のみに購入を決意した。
さて、行きつけのDISKBOXに行ってみるとベルベッツはこの3枚目しかななかった。当時はアナログしか買わないことを誓っていたので、ファーストもCDならあったかもしれない。
パンクの元祖ということにゃあ、そりゃあ激しい音楽を想像していたのだが、まったくのフォークロックみたいな感じでかなり拍子抜けした。だがもちろん、60年代に深く入りはじめてたとこだったので、とても気に入ってしまった。ただし、夕方から暗くなるその時候に聴いたので、最初に聴いた「マーダーミステリー」はとても不気味な感じがした。
今聴くとよくわかるが、このアルバムのギターはとにかくいろんな種類のクリーントーンを曲によって使い分けている。デジタル化できない、感性・感覚によって作り込まれたクリーントーンには唸らざるを得ない。クリーントーンを操ることが、ギターの究極の音作りだと思っているので、これは大変参考になるし、到底現段階では超えられない。すごい。
昨年の春、自分と妻は、高速道路でニュース速報に流れ新聞にも名前が載ったくらいの大事故に巻き込まれた。約一週間入院した。
いつも車に乗るときはCDを百均のカゴに大量に積み込む。「もし事故にあったらこのCD、全部パーだなー」などと日頃考えていたが、実際になってしまった。
なんと、高速道路で脇見により横転してしまった事故車の底部に、我々の車が時速100km超で正面衝突してしまったのだ。もちろんまわりは真っ暗で、車は底面を向けていたため、車という認識ができなかったのだ。気がついたときにはブレーキを踏むヒマもなかった。
車は猛烈な衝撃とともにエアバッグが飛び出し、車がスピン、ガードレールにぶつかってようやく止まった。車内はめちゃくちゃだ。そして前方エンジン部からは煙がもくもくと立っている。やばいと思って逃げたが、エンジンを切り忘れていた(この時妻を置いて逃げてしまったらしく、今でも言われ続けている)。
それに気づいてエンジンをとめに行ったのだが、そこで車の車外に一枚のCDが投げ出されていたのを見つけた。それが、このベルベッツの3枚目であった。
実はこのCDはかけがえのない一枚である。
妻の大学時代の友人(サークルの後輩)がいた。彼女は、シノワ初期からシノワを気に入ってくれていて、ファンジンにインタビューなんかも載せてくれた。とてもサブカルでかわいい、ステレオラブや、ファンタスティック・プラスティックマシーンや、『STUDIO VOICE』なんかが好きな女の子だった。
その子がある日タイに旅行に行ったそうだ。帰国後、突然体調が悪くなり、原因不明のまま、そのまま亡くなってしまった。
自分たちはすでに北九州に住んでいたが、たまたま関西に帰省していた時、その子のお母さんが残された彼女の年賀ハガキや手帖などを見て縁ある人に電話をされたようで、妻に連絡があった。
自分自身がその子と会ったのは、一~二度だったが、本当に深すぎるショックを受けた。不適切な表現かもしれないが、あまりにもそういう人間像と「死」というギャップが大きいものだったからだ。
後日、お母さんよりその子の遺品をもらって欲しいとの要望が妻にあり、妻が選んだきたものがこのベルベッツの三枚目だった。彼女はモーリン・タッカーが歌う「アフターアワーズ」がとても好きだったそうだ。
我々はあれだけの事故にも関わらず、一週間程度の入院と、妻は約一ヶ月の自宅療養ですんだ。自分たちの代わりに車外に飛び出して、そして自分たちを救ってくれたのだ。
なおちゃん、ありがとう!
ボクも人・モノとの出会いを大切にしようと思います。
もっといろんな人と積極的に色々やってみるべきですな。
もう5年も経ちますが、こんなにかけがえのない一枚はそうないものです。
そのCDのケースはなんと無傷でしたよ。
自宅飲酒でホロ酔い。
二次会のスナックよろしくこちらに寄らせていただきました。
悲しい話を聞き、自分が情けなくなりました。
自分の罪滅ぼしと逝かれた女性のために、心をこめてVU3rdのB面をスピンします。
私も今ではWHITE LIGHT / WHITE HEATよりこちらを手にしてしまいます。
ええ。この3rdはかけがえのない一枚なんです。
これをきっかけに、もう一度みなさんがサードを
聴いてくれると、彼女も本望でしょう。
「死」にもっともかけ離れた、そういう存在でしたからね。
来年の命日には今度はwho loves the sunを流したいと思います。
7回忌にはキャプテントリップからの「Final VU」を捧げようと思います!