Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
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医者の薬をやめた

2014-06-14 09:44:52 | その他

三年前に狭心症の症状が出てステント処置をした。それからは予後対策の為に医師が指示してきた薬を忠実に飲んでおよそ三年が経っている。不整脈もでない。軽登山くらいなら息も繋がっている。予後は順調と思っていたら、どうも腕周辺の関節がだるくなって、奇妙な弛緩状態になる。特に午前中の脱力感は強い。LDL(悪玉)コレステロールを退治する高脂血症薬の副作用が軽く出てきたみたいだ。飲んできた薬はアスピリン系の血栓を防ぐもの。血圧を下げるもの。肝臓に沈殿する脂肪を減らすもの。といった類である。

以前には腕の筋肉がだるくなる症状はなかったから、担当する医師に申し出た。医師は今まで投薬してきたバフスタチン系の薬からクレストールという別の薬に処方を変えた。腕周辺の違和を覚えた頃、奇異なタイトルの新書を古本屋の軒先で見つけた。大櫛先生という東海大の方である。この本を流し読みしてみる。この新書の一節には、どうも自分の症状に当てはまるような箇所がいくつか述べられている。悪玉になる脂肪を退治する抗コレステロール薬は素晴らしく進化したが副作用の方も一緒に強くなっているとのこと。悪玉の脂肪を溶かすうちに横紋筋という筋肉も溶かしてしまうという発症事例を紹介してそのデータも細かに示している。自分の症状はそんなに足腰が立たなくなってしまうような劇症ではないが、思い当たるフシがあった。

薬を初めてからの記憶を辿ってみた。当然、血圧も正常になった。胃や肝臓もやられている様子はない。LDLだけが、狭心症体験者の場合は数値が厳しくて100以下が目標と医師は指示している。自分の場合は薬を飲んでいても110台という正常数値を少し上回ったグレーゾーンにいつもいる。ところが術後の途中期間で全ての数値が基準内(これを大櫛先生は製薬業界と医学界が病者を増やす為にねつ造した一億総病人風にならざるを得ないような低い基準値で欧米との差を指摘している)になったことがある。

若手医師が驚いた。実はその頃6か月の期間に亘って遺跡発掘の穴掘り作業に従事していたのだ。なぜ、そんなことをしているというインテリ女友達の問いには「俺はエリック・ホッファー(アメリカの港湾作業員をしていた在野哲学者)を生き方の範としているからな!」と不遜なことを云って煙にまいていた事がある。晩秋から初夏という期間の昔風「土方」今風「ガテン」仕事だ。表面の黒土から地中1メートル以上下にあるカリカリと乾いた赤茶けた色の関東ローム層までを人力で丁寧に掘り下げる労働だ。風が肌を刺すような真冬にも大汗をかいてしまう。息をいれる視界にはペンペン草が茂る一面の野原である。荒涼風景の中で長靴をはいた作業を黙々と重ねた6か月後の検診データは体重にして6キロ、血圧、脂肪数値、血糖値みんな基準内になっていた。

この仕事を辞めてから閑職についたのが昨秋までの2年だ。リバウンドするほどではないが、基準値をやや上回っているグレーゾーンが今年になるまで続いてきた。その初期くらいから腕が弛緩する症状が始まった。真冬に大汗をかくという仕事は体内を浄化させたようだ。ちょうど今年の3月下旬から週の前半を強行徒歩、パソコン入力の混じった仕事を始めている。

これを機にあの半年を思い出して医師指示の薬を勝手に止めてみた。その代わりに薬成分よりもその効能が眉唾かもしれないサプリに転向してみた。「杜仲茶」「EPA」「ココナツオイル」「桑葉茶」を毎日服用している。これに強行歩行のノルマ仕事をミックスすれば「真冬大汗」効果に匹敵するようなデータが再来するかもしれぬ。凶とでるか吉とでるかは2カ月くらい先に採血検診を受けて試してやろうと思っている。先週は梅雨の晴れ間に福生、熊川という知らない街を強行歩行しながら仕事をした。

隙間ではB級グルメラリーストにも変身する。福生駅西口に近い「引田家」、そんな所まできて「イタトマ」とか「大戸屋」はないだろう!と念仏を唱えていて見つけた貴重な正調定食屋さんだ。1日目は「アジフライとイカのミックス定食」、二日目は横に座っていた美人につられて「玉子丼」をとった。グローバル定食屋さんの「大戸屋」の似非っぽさと分かつものが味噌汁の味である。「大戸屋」ならば味噌は粉成分だけだから味のドラスティックな変化はない。こちらは真の味噌を使っている。同じくらいの値段であちら「味噌もどき」「こちら本もの味噌」だったらこちらを選ぶのは人の理というものだ。味噌はデリケートできわめて繊細だ。同じこの店でも入った時間帯でこうも違うものか?と実感する。二日目の開店から間もない時間の味噌汁の香り立つこと。一日目の混雑時間に食したものとは大違いである。好きなオーディオで音がフツフツと粒だつサマと全く同じエクセレンスが漂う。強行歩行は会社へ戻るまでに締めて1万2千歩だ。正調な昭和定食、空き家の庭、単線の駅舎、好きな景色を横目でみながら賃金を得る。こんなによいものはないと上り電車の「拝島」行きを20分待ちしながら、しばし感慨にふける夕暮れ時になった。


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2 コメント

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私も、、、、 (金柑頭)
2014-06-19 06:54:36
私もお会いした先週の土曜日以来、10年来飲んでいたリピトールのジェネリック薬の服用をやめています。思い当たるのは手指の硬直感、足裏の異常感覚、しゃがんで立ち上がるときの足腰の痛みがあり、これらは加齢、運動不足と思い、散歩、スクワットなどを思い立ったときにやってきましたが、これかなと思い立った次第です。今日は健康診断に行ってきますが、服用中止がどんな結果となるか、、、。それにしても健康談議は尽きない年齢になりました。
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Unknown (なかやま)
2014-06-22 18:32:44
勝手に服用を止めたことは後ろめたさもありますが、筋肉のだるさ、倦怠感が一層強まってきたら
どうしょう!という危機感のせいでした。服用中止して40日を経過しました。いまのところ、筋肉や膝の重さは無くなっています。血圧、コレステロール値等は自然生薬やサプリの緩効性を考慮して夏の終わりにでも採血検査を受診しようと思っています。
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