Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
横浜市中区麦田町1-5

江ノ電に乗って

2012-07-17 09:15:15 | その他
藤沢へ切らしたコーヒーの徳用パックを買いにでたついでに、藤沢駅付近と江ノ電の腰越あたりの時化たあとの猛烈な南西の風が吹き荒れる海沿いを散歩する。

十代の頃は仲のよい作曲家志望の友人がいて藤沢駅から二つ目の柳小路の家までよく泊まりに出かけたものだ。大きな区画の家が多かったその辺りも、いまは小さく分割した擬似高級仕様に作った小さな建売住宅が線路沿いにひしめいていて往時の面影はない。

しかし江ノ電の窓を通過してくる光りは海が近くにあるという愉悦を呼ぶ明るい光りにちがいない。腰越港で上がった地魚を天日でゆるゆると干して売っている「ひらかつ市場」は祝日は休業のようで残念。

どうも喧嘩と修復を日替わりで繰り返している連れの女性と歩くと「本日休業」にでくわすことが多い。藤沢市役所の脇道にある昭和レトロ風純喫茶「灯」もやはり休みだった。それでもたまに寄ってみる名店ビル地下の「古久屋」はちょうどよい混みようで開店していてお互いに安堵する。お目当ての柔らかい蒸し麺と多彩な具材を緩やかにあんかけでからませた「五目焼きそば」はいつもながらの美味で満足する。連れの女性は好き・嫌いのはっきりした人で夏の暑さを忌避したメニューを消去法で逡巡しながらつけ麺を注文した。品評を聞いてみると、どうもいま一歩の味らしい。

夏らしい海沿いの空気を満喫して駐車場へ戻る途中の古本屋「太虚堂」へ寄ってみる。
表のワゴン中にかねて読んで見たく思っていた安丸良夫の「出口なお」朝日選書をみつける。315円也。

この晩夏には京都から山陰道沿いにある大本教の本拠地綾部、亀岡といったエリアを見学する予定だから、きっと出口なおの霊が呼んでくれたみたいで嬉しい気分になって帰路へつく。