Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
横浜市中区麦田町1-5

秋刀魚のち鯛日和

2011-11-09 16:02:55 | 
ちょうど15日は心臓関連の採血検査が控えている。なるべく血液をサラサラさせて良い数値がでればと願って夕べのおかずを秋刀魚にする。目も血走っていない張りのある太った魚体のものを氷漬けから選ぶ。一匹95円!これに大根が徐々に肥えてくる立冬の時分を意識して大根おろしを添えることにする。大根は百姓家の無人販売所にて150円だ。友人が不憫に思って時々差し入れしてくれている日用品の中に少し高級なインスタント味噌汁セットがあった。これの白味噌仕立てを熱湯で溶かして晩ご飯に添えた。塩焼きした秋刀魚の身を大根おろしにほぐしながら丁度一合炊いた白米との相性を愛でる簡素な食事に満足する。

近所に住むオーディオの先輩Kさんは、75歳ながら身動きも敏捷で頭脳も冴え渡って行動半径が広い。ちょうど真鶴沖へプレジャーボート仲間とカワハギ釣りに行く日と聞いていて夜半ハンプトン・ホースのピアノトリオアルバム「ザ・サーモン」のゴスペル曲を大音量で小気味よく再生している時に、いったい釣りの成果はどうなったのだろうとふと思いだす。

朝になって寝床に入っているときにKさんからの電話があった。波が高くてウネリも強くカワハギのいる場所まで行けなく、したがってカワハギは駄目だったので、肝合えはお預けとの知らせで落胆する。しかし30センチの天然真鯛が上がったから、お昼に鯛尽くしに招待したいとの嬉しい知らせとなった。

潮汁、アラ煮、カルパッチョ、全てKさんが調理する真鯛のバリーエーションだ。これにメインは湯引きした白身のお造りという豪華版、おまけに長野あたりの筆柿を美的レイアウトで添えている凝った割烹料理だ。真鯛は釣り上げた直後よりも翌日が美味い。こりっとして且つまったりと重みのある真鯛の味を久しぶりに賞味する。なにかメインストリームなジャズの王道と共通するものがあると思っていたら、卓上の横にあるウエスタンの728スピーカーでやはりレスター・ヤングの真鯛風のコクを湛えた図太く繊細なサックスで饗してくれる豊かな午餐となった。