百瓶逸酒

我が家にある各種開封・未開封のお酒を記録するのが目的のブログです。
単なる自分の整理のためだけですが^^;

グレンキンチー12年

2008年03月31日 | スコッチ・シングルモルト

 本日のお酒。オフィシャルのグレンキンチーは10年が定番でしたが、12年にリニューアルされてきました。まだ試したことがなかったので、早速購入。シカシ、センゲツハツカイスギテルナァ。
 色合いは熟成の進んだ白ワイン、10年よりはやや濃いかな。
 香りは特徴的な柑橘系、レモンピール、麦芽。ちょっと麦こがしのような感じ。時間が経つにつれ、柑橘より麦の香りが支配的。あまり複雑さは感じられない分、それぞれの香りの要素が素直で分かりやすい。
 酒質はライトからミディアム、ちょっと繊細すぎる感じ。
 味わいは、ここが好き嫌いはっきり分かれるとこでしょうが、びっくりするくらい甘い。ローランドのシャープさも健在なのですが、それ以上に感じられる甘さ。わたしはそこそこ美味いと感じたのですが、苦手な方も多いかもしれません。旧10年の延長で考えると驚きます。
 フィニッシュは短いですが、この甘さをくどく引っ張るよりはいいのかも。

 中身的にはかなりのリニューアル。旧10年は固定ファンが結構いましたから、その方たちがどういう判断を下すかも興味深いところ。
 飲みながら加水してみたところ、バランスがバラバラに。香りも味もふっとんでしまい、平板でうすっぺらくなりました。繊細(というよりひ弱)な酒質には耐え切れないようです。飲むときはぜひ生のままをお勧めします。

ブルゴーニュ・パストゥグラン/2005・ジャン・ピエール・ボニー 

2008年03月28日 | ワイン

 これもちぃーっと前に飲んだワイン。近年注目を浴びてきたドメーヌ。現当主はファビエンヌ・ボニー、女性です。ハウススタイルは、昨今のブルゴーニュのような、「ブルゴーニュらしからぬ」濃いワインではなく、繊細なワインスタイルのようです。
 パストゥグランなのでさほど気負いも無く、気楽に飲んだのですが、繊細で落ち着いていて最後までスルリと入りました。結構、酸を感じたのですが、ACブルなのにやたら濃い目のワインが多い今日この頃、妙に新鮮に感じました。意外と日本の食事にも合いますし。
 やや茫洋として、輪郭がはっきりしない気もするのですが、このACでそんな事を言うのは野暮というもの。上級キュベより、このACのこの後のヴィンテージを飲んでみたいものです。

ベンリアック16年・OB

2008年03月26日 | スコッチ・シングルモルト

 本日のお酒。昨今話題のベンリアックのオフィシャルです。飲んでみたかったのですが、なかなかBARで飲む機会に恵まれず、やむを得ず購入してみました。昨今のモルトの高騰にも負けず、なんとか入手できる金額でした。
 ヘビー・ピートタイプではないので、ピートは穏やかですが、スペイサイドらしい麦芽の香味ののったなかなか悪くないモルトです。いや、はっきり言ってかなり美味いモルトじゃないでしょうか。
 麦芽だけでなくドライフルーツ、特に干しブドウの香りがあり、一瞬、マールを飲んでるかと錯覚してしまいます。遅れてフルーツの香り。飲んでいる過程で、ドライフルーツがフレッシュフルーツに変化する不思議な感覚がありました。
 味わいはクリーンでスパイシー。アフターもとてもリッチです。16年という年数に惑わされますが、時により若く、時により思慮深い酒質。飴湯やりんご飴を思わせる味は、どこか郷愁を感じさせてくれます。
 思った以上に出来のいいモルトでした。これならヘビーピートや各種フィニッシュものも、試す価値がありそうです。下手なモルトがあらを隠そうとして、妙なコンセプトをつけて元も子も失くすようなことは、ベンリアックに関していえば考えずにすみそうです。

繁桝・吟醸せめ槽・生々

2008年03月25日 | 日本酒

 これまた以前飲んだ酒。繁桝は福岡の酒。なかなか侮れない酒を造ります。個人的に大好きな蔵です。生々にして、香りよりも味吟醸。
 「せめ」は搾りの段階で、最後の最後に袋しぼりから出た分。「荒ばしり」や「中汲み」はよく商品化されますが、「せめ」はあまり単独商品は見ません。どんな味か興味深いので試してみました。
 意外に香りも立つのですが、「荒ばしり」のようなフルーティーさではなく、しっかりした米の香り。ご飯が食べたくなります。味もシャープかつ、どっしり。みっちり詰まってる感じで、飲み応えありです。軽い渋味、苦味も嫌味でなく、かえって飲み口を軽やかにする要素に変わるようです。なかなか面白い酒でした。


レ・クラヴィエ/2005・ドメーヌ・ド・ラ・ガランス

2008年03月24日 | ワイン

 これもちょっと前に飲んだワイン。
 この季節、白がとても美味いです。暑い季節になると、白やスパークリングを勧めるメルマガを見かけますが、どうもそういう時期に飲むのは苦手です。ついつい冷やし過ぎになりがちだし、逆に飲みながらぬるくなりがちだし。そういう時期はビールで十分。で、この季節。冷蔵庫できっちり冷やしておき、飲む15分くらい前に室内に。徐々に温度が上がり、爽やかな香りが飲んでいく過程で開いていきます。その刻一刻変わっていくプロセスが楽しいのですが、他の時期では温度管理が非常に難しい。
 やや微発泡。ユニ・ブラン60%っていうのは珍しいような(そうでもないのかな)。そのため、なんとなく例のポールジロー・ジュースのような感じなのかと思っていたのですが、もっと梨のようなジューシーさで、ボディもしっかり厚みがあり、飲み応えあり、の白でした。これでもうちょっと割安なら、買いだめに走りたいとこですが。


赤煉瓦

2008年03月22日 | 外メシ

昨日は娘が無事、小学校を卒業。夕食はおフレンチ。


ウェイティングでアペリティフを。


どれも美味かったのですが、牛ホホの赤ワイン煮込み(右端)が絶品。
ここのメニューは旬のものがふんだんに取り入れられて嬉しいのですが、
特に野菜が豊富に使われ、ハッとするほど新鮮で旨味の詰まった味です。
写してませんが、ワインは白はゲヴュルツトラミネール、赤はサンセールをセレクト。


食べるのに夢中で口直し、フロマージュなどは撮影してません。
で、このデザートに至ってはギブ。ショコラはお持ち帰り。後は食べてもらいました。

相変わらず美味い料理と、心地良いサービスに満足な一夜でした。

「赤煉瓦」
    熊本市南坪井町6-7
096-355-5889


トゥーレーヌ・テゼ/2005・テュエリー・ピュズラ

2008年03月19日 | ワイン

 ブログをサボり続けたのですが、飲むものを飲んでました。これもその1本。
 ピュズラを飲んだのはすごい久しぶり。えらくしっかりした香りと味のソーヴィニョン・ブラン。ジューシーだし、フルーティーな香りだし、文句なし。湯豆腐と一緒に飲んだのですが、カボスがぴったりマッチ。肩のこらないお気楽ワイン。
 色んなバリエーションのワインを生み出して、今まで飲んだ中では特にハズレなし。アーティストというより、一級の職人芸の印象。でもワインショップの宣伝文句(煽り)はちょっと、ですね。どんだけ凄い高級ワインかと勘違いしてしまう。

白州25年

2008年03月18日 | 外飲み

 先日飲みにいったおり、Masqueradeさんでいただいたモルト。このような高価なモルトは、家はおろか店でもそう飲む機会はないので、とてもとてもリーズナブルな価格で飲ませていただいて、ひたすら深謝です。

 やや赤みがかった琥珀色で、かなり複雑な香り。みずみずしさより熟れた果実。スモーキーさ、というよりお香のニュアンス。白州特有の木香と相まって、どこか古い寺院を思わせます。時間と共にウッディさが強まりますが、樽香の付き過ぎたくどい匂いではなく、不思議にみずみずしさが感じられてきます。まるで早朝、近くの山を散策するようなすがすがしさ。これぞ森林浴、フィトンチッドです。
 味わいはピーティー、しかし触れなば落ちん風情があり、男心をくすぐる(?)柔らかさがあります。実際、舌に触れたとたん、すっと消えて無くなる甘やかな味わいといいましょうか。妙なたとえですが、極上の和牛の脂が口中でとろけるような艶めかしさです。
 視覚、嗅覚、味覚そして触覚に訴えかける、極上にしてエロティックな一級品でした。

お疲れ旅行

2008年03月17日 | 閑話

 いや、別に旅行が疲れたわけではなくて。
 ようやく忙しかった仕事が一段落し、お疲れ様ということで一泊旅行。
 今回は初めて行く旅館。

藍の岬」さん
熊本県上天草市大矢野町中字野牛島5700-1

大矢野島と維和島の間に位置する野牛島という小さな島にあります。
晴れてることもあって、素晴らしく綺麗。ホテルの中庭から海へ出られます。


晴れて風も無いので、積んできたおもちゃみたいな竿を放り込み。
魔日でした。小さなアタリはあれど、ガラカブ一匹きません。
この写真の直後に昼寝しました。

しかし、釣りから帰ってそのまま温泉に直行というのが嬉しい。
露天に浸かりながら、ちょっと息を飲むような夕日を眺めて、しばし脱力。


夕食はお約束の海鮮三昧

上のサザエとアワビ(もちろん生きてます)が、

アチッ!ムゴいですが、おいしくいただきました。
肝で日本酒がすすむ、すすむ。


部屋に戻って飲みなおし。
独楽蔵・玄・円熟純米吟醸2003年仕込、
福岡は杜の蔵の熟成酒。しっかりした酒です。


翌日は維和島に立ち寄り、「蔵々窯」に遊びに。
天草は砥石が有名ですが、その素材を使い、
独特の風合いをいかした磁器を作られてます。
写真はオーナーの許斐良助さん。
熊日総合美術展「21世紀アート大賞2000」も受賞されてます。


お土産に買った片口。酒がつぎやすそう。
ざらりとした感触と、磁器の青味の透明感が同居してます。
またひとつ、お気に入りの酒器が増えました。


Kumamoto Bartender Choice

2008年03月15日 | 外飲み

 諸事一段落し、打ち上げ後、Colonへ。久しぶりにマスターと再開。積もる話もそこそこに、熊本のBARTENDERさんによるファースト・セレクションをいただきました。自分たちが良いと思うものを、熊本の呑んべえ、じゃなかった高い意識のアルコール・ラヴァーズに紹介しようとの、高邁かつ意欲あふれる逸品を賞味。
 1991年蒸留、2007年ボトリング。キングズ・バリーの限定ボトル。46%で個人的には一番好ましい度数。色合いは麦わら色。あくまで澄んだ印象ながら、実際はオイリー。ボディはミドル。
 (香り) 最初に強いアルコール感。ペパーミント。夏草が踏み潰された後。草いきれ。パリパリのキャベツ。若いスペイサイドによくある草っぽさ。 加水→新しい木工家具。 さらに加水→バニラアイス。青っぽさを払拭して魅惑的な甘さ。極めて上質なスペイサイド。
 (味わい) 甘味があるが、ざらりとした舌触り。46%にしては飲み応えあり。端正で折り目正しいモルト。ややタニック。非常にゆっくりとバニラ。→加水後は急激に甘味のバランスが強まる。→さらに加水するとマンゴーチャツネ。酸味、苦味ほどよく伸びて飲み飽きせず。
 (フィニッシュ) アルコール感を強く感じさせ、頭頂部に立ち昇るような酔い。心地良さはありながら、未熟性感も感じる。→加水すると、頭に昇る酔いが、ドスンと腹に落ち着く様子。徐々に穏やかに感じる。

 非常に緻密に出来たモルトながら、時間・度数により表情を変えるモルト。王道にして狡猾。飲みなれた巧者にはストレートから加水。特に冷やさない加水は、このモルトのポテンシャルを高める気がする。ある程度まで水割りしても、バランスが崩れない、伸びのある味を楽しめる気がした。しかし、冷やしすぎは苦味が増して逆効果。

 印象は、西国の小藩のお家代々の御徒歩組、次男。才気煥発ゆえ、江戸詰め抜擢されるが、江戸の酒色に慣れ、徐々に身を持ち崩しつつある。そんな、ぎりぎりの色気を感じました。←(極めて個人的な意見ゆえ、参考に値せず)