百瓶逸酒

我が家にある各種開封・未開封のお酒を記録するのが目的のブログです。
単なる自分の整理のためだけですが^^;

大七・純米生もと・CLASSIC

2008年10月30日 | 日本酒

 いよいよ本格的に秋になり、夜は肌寒さを感じ始めました。さて、日本酒の季節です。で、昨夜飲んだのがこれ。今シーズン初の燗酒でした。

 とは言いつつ、初めはひやで。とろりとして、口当たりまろやか。全体に控え目な香りと味が、口中でゆっくりふくらみます。これを燗にして、そば猪口でクイッ。途端に今まで控え目だった酒が一気に花開き、嗅覚、味覚、触覚を刺激します。か~、旨い。酸味も乗っていますので、漬物が良い相性でしたが、濃い目の味のお惣菜も、さっぱり口中を洗い流してくれてバッチリ。ゴルゴンゾーラなんか良さげ。

 このCLASSICは、通常の「純米生もと」と違い、2年以上の熟成品(通常は1年)。燗にすると、カドの取れ方の違いがよく分かります。

タクティカル20年・ダグラスレイン・OMC

2008年10月27日 | スコッチ・シングルモルト

 本日のお酒。すこし昔のOMCシリーズ。タクティカルという商品名は、例によって正式に蒸留所名を出せない苦肉の策で、中身はタリスカー。

 すごくスイートで、柔らかな香り。口当たりもとてもソフトでなめらか。50%という度数を感じさせない喉越し。そう喉越し。ここで突如、タリスカーが牙を剥いてくる。喉をひっかくスパイシーさと、胃の腑を熱くさせる強さ。これぞタリスカー、の本領発揮です。

 タリスカーを飲むと、オフィシャルであれ、ボトラーであれ、いつも、ああタリスカーだなあと思わせる個性(というかクセ)を感じます。体の内奥に火が灯るような。その連想で、タリスカーを飲むと、いつも頭の中に"Light My Fire"が流れます。このボトルは、さしずめホセ・フェリシアーノのバージョンでしょうか。清潔でシックだけど、"強さ"は感じられない。オリジナルであるジム・モリソンの焦げ臭さが漂うような"Light My Fire"に比べて。

 1980年3月蒸留、2000年6月ボトリング、というのを見て、ふとそのころ自分はどうだったのかを考えたら、80年の3月といえば小学校卒業、2000年の夏といえば結構洒落にならない大変な手術を受けていたことを思い出しました。20年の熟成はウィスキーに大きな変化をもたらしますが、人間の20年も結構大変なもんですね。

早瀬浦・特別純米

2008年10月21日 | 日本酒

 本日のお酒。陽気外れの気候のため、まだまだ燗に手が伸びず、ここんところこれの冷やばかり。福井は若狭の酒。「越の雫」という奥越前の酒米を100%使った、この銘柄としては比較的新しいもの。特別純米です。

 早瀬浦は以前にも飲んだのですが、この特純はアタリがすごく柔らかく感じます。まろやかさが口中を包み、しかし、飲み込む時には、この銘柄らしいキッパリした、線の太い、キレ角のある味が喉を過ぎて、次の一杯を求めてしまう。気がつくと一線を越えてしまう、危険な酒でもあります。

 海沿いの町で作る日本酒にいつも心惹かれるのは何故だろう。焚火に浜鍋、茶碗酒を酌み交わすねじり鉢巻の男たち。勝手な妄想が、飲んでる酒をさらに旨く感じさせてしまう。輪郭がくっきりとしているこの酒には特にこの妄想が働いてしまいます。外で飲むと旨いんでしょうねぇ、この酒。


ポートエレン18年・プロヴェナンス

2008年10月16日 | スコッチ・シングルモルト

 本日のお酒。ダグラス・マックギボン社のプロヴェナンスシリーズ。
 ちょっと異常な人気のポートエレンです。

 1981年冬の蒸留、2000年春のボトリングで18年。700mlで43%、ノンカラーリングでノンチル。約8年前に購入。香りはアイラの特徴こそ備えているものの、際立って強いわけではなく、ボディも、43%という度数を差し引いてもそれほどヘビーさはありません。ややスパイシーさを感じますが、それとて穏やかなもの。いい意味でも、悪い意味でも「中庸」なポートエレンです。すこし小さくまとまり過ぎた感はあります。ただ誤解の無いように申し上げますが、決して「悪い」モルトという意味ではなく、無理せず疲れずアイラが飲みたい時には最適だと思います。

 で、ここからが今日のブログの本題。
 このモルトを買ったのは約8年前と書きましたが、当時でも某BAR漫画の影響か、すでに他のモルトに比べて割高感がありました。このボトルを購入したのが確か6,000円前後。18年だし、ポートエレンだし、多少高いけどしょーがねーなーと思ったのはその昔。今やその値段は隔世の感。ネットショップで見れば、この翌年にリリースしたものが2万円超。もし今、購入を考えている人がいたらこういいます。

 飲むつもりはなく、将来転売する方は迷わず買ってください。将来もっと上がるのは間違いありません。しかし、飲むつもりの方はきっぱり止めたほうがいいです。決して値段に比例する味ではありません。

モエ・エ・シャンドン・ブリュット・アンペリアル・ロゼ

2008年10月13日 | ワイン

 昨晩飲んだワイン。価格高騰ゆえ、すっかり縁遠くなっってしまったシャンパーニュですが、ロゼともなればなおのこと。しかしまあ、結婚記念日(しかもメモリアル)ともなれば、いっちょ奮発して、と開栓。

 スタンダードのモエシャンに比べて、さすがに香りも味わいもグンと深くなります。スタンダードの金属的な固さとは一線を画したクリーミーさが魅力。全体に成熟してなまめく印象。それでいて可憐な苺の香りが、下卑てしまう一歩を食い止めています。清楚な一端から、艶冶な一端への大きな振幅を一杯のグラスの中で感じさせるのはさすが。

 目から来る刺激は重要だ、と感じるのはロゼを飲む時。見た目にも鮮やかなピンクなのに、口に含むとキリッとした爽快さ。色合いから、つい甘さを連想してしまっている脳が、美味しく裏切られる瞬間。口中の刺激と、脳内の刺激がシンクロする時、より深い満足感が得られます。

キュヴェ・テラッセ/2006・シャトー・ペスキエ

2008年10月11日 | ワイン

 先日飲んだワイン。どうも周回遅れになりそうなので、慌ててアップ。いまや旨安の代名詞のようなペスキエのキュヴェ・テラッセ。コート・デュ・ヴァントゥーというややマイナーな地域のせいか、値段はお得。千円台半ばで買えます。
 
 パーカーさん90点超えのワインだけに、とても濃厚。やはりそれが一番のセールスポイント。ローヌのスパイシーさはあんまり感じられず、グルナッシュのジャミーな果実感が強いようです。その割りに濃厚さオンリーではなく、どこかクリアな印象も与えるのは好印象。後口に気持ちのよい透明感があります。

 CP、結構大きいワインだなと思います。こういうワインがそこそこ普通に飲めるというのも、人生の中での小確幸(Ⓒ村上春樹)のひとつだなぁとしみじみ。

モニカ・クランベリーリキュール

2008年10月09日 | リキュール



 本日のお酒。最近見ないと思ってたら終売のようです。アメリカ製のリキュール。

 ネットショップで驚きの高値になってました。で、どうしてこれがいまだに手元にあるのかというと、ちょっと苦手な味なんです、これ。未開封だったら、どなたにでも無料でお譲りしたんですけどねぇ。半分ほど残ってますが、100%死んでるでしょう。

 最近、まとまってPCに向かう時間が取れなくて更新滞りがち。毎日見に来ていただいてる方々、申し訳ありません。という訳で今日もショートブログ。

クロス・ロヘン/2007・ボデガス・イ・ビニェードス・ポンセ

2008年10月04日 | ワイン

 ちょっと前に飲んだワイン。スペインはマンチェラ地区という全く聞いた事の無かったDOで、ボバルというこれまた全く知らない品種で作られたワインです。なかなかポップでいいラベル。 

 飲んで驚き。緻密でしっかりしたボディ。アフターでスコーンと頼りなくヌけるところはありますが、この価格(千円台半ば)でこのみっしり感はビックリ。香りの印象はさほど強くなく、味わいもバランスは良いが傑出したところは感じられない。でも、すごく性格の良い、気の良いタイプです。肩の力を抜いて、DVDでも見ながらユルユル飲むには最適。リピートしたくなります。スペインの底力恐るべし。


アイリーク

2008年10月02日 | スコッチ・シングルモルト

 本日のお酒。蒸留所名を一切明らかにしない、いや明らかに出来なくなってきたボトルの先がけ(のひとつ)ではないでしょうか。

 日本での販売名は"アイリーク"に統一されている感がありますが、正確なゲール語の発音表記としてはちょっと無理があるようです。しかしまあ、もともと"CH"の部分を日本語で表記するのが無理があるんで、なんて書いたって良いっちゃ良いんでしょうが。

 フィンラガンの姉妹ボトリングとの噂もあるこのボトル、中身がなんであるのか、いろんな方に揣摩臆測されてますが、ラガヴーリンとラフロイグであるとの説が多いようです。確かに両者の独特のニュアンスが感じられ、同時にどちらのニュアンスも"弱さ"が感じられます。この"弱さ"ゆえ、アイラモルトにしては飲み心地が良く、同時にどこか中庸さを覚えてしまいます。

 個人的には、ピートの弱さあたり、ラフロイグあたりではないかと思いますが、正直それほど決定打になる要素がありません。NVなので、若い原酒も入ってるでしょうが、見事にまろやかさという混沌に飲み込まれています。ま、いろいろ余計な事を考えなければ、素直に飲みやすく、美味いアイラモルトなんですが。