百瓶逸酒

我が家にある各種開封・未開封のお酒を記録するのが目的のブログです。
単なる自分の整理のためだけですが^^;

シープ・ディップ

2009年09月18日 | ブレンデッド・モルト

 ヴァッテッド、じゃなかったブレンデッド・モルト。以前書いたスペンサーフィールド・スピリッツのボトリング。例によってリチャード・パターソンのブレンド。

 裏書によると、"the four traditional malt whisky regions"の8~12年もののモルトを、フレッシュ・アメリカンオークバレルでマリッジしているとあります。マリッジの期間は不明。モルトの数も記載無し。この4つの伝統的なモルトウィスキー生産地がどこなのかも気になるところです。ハイランド、スペイサイド、ローランド、アイランド、あるいはキャンベルタウン?パターソン氏のブレンドなら、まろやかで甘みのあるブレンドでしょうか?

 この変わったネーミングのウィスキーは、やはり以前にあった銘柄の名前を復刻させたもののようです。"SHEEP DIP"は直訳すると洗羊槽。実際は羊を洗う洗液を指すようです。つまり、その昔のスコットランドの農家が"home-made"ウィスキーを造っていた頃、収税吏の目をくらますため、樽に"SHEEP DIP"と書いていたという逸話をネーミングにしたもの。スコティッシュ・ブラックフェイス(スコットランド、いや英国で最も多い顔の黒い種)の顔面アップがド迫力のラベル。

 あ、SW中はのキャンプ場へ引きこもりますので、ブログアップはありません。みなさまも楽しいSWをお送りください。

ザ・スパイスツリー・コンパスボックス

2008年11月06日 | ブレンデッド・モルト

 本日のお酒。SWAよりクレームをつけられたため、いまや使えなくなった手法で作られたブレンデッド・モルト。本数限定(4,150本)で、以後作られていないので、現存分が最後です。

 このスパイス・ツリーは、カスク中にオーク材を入れ、その成分を浸出させる"インナー・ステーヴ"という手法を使って作ったウィスキーです。普通であれば、別樽で異なる熟成感と香味を添加させる「フィニッシィング」を使うところでしょうが、2年間の乾燥で成分凝縮させたフランス産のニュー・オークを、カスクの中へ漬けこんで、短期間に効果を上げようとする手法です。昔、日本の某メーカーで、販促品のおまけでカスクチップをプレゼントしているところがありました、そう言えば。

 その味わいはというと、所詮は促成品、本来の手法でじっくり作り上げたものと比べて、フィネスの無さはいかんともしがたいのですが、若いウィスキーと、無理やり作り上げた熟成感とのギャップが妙に面白かったりします。若い役者さんが、がんばって老け役を演じてるような。

 ま、邪道と言えば邪道、乱暴と言えば乱暴なコンセプトですが、しかしまあ、ワインでもステンレスタンクにオークチップを入れて付け香をしたりする醸造所もあるし、●●フィニッシュなんてものを野放しにするのは狭義の解釈なんじゃないの?なんてことも、一連の批判騒動の時に思ったものでしたが、ま、大人の事情があるんでしょう。これはこれでB級グルメっぽくて面白いと思うんだけど。

 コンパスボックスのHPの中で、このウィスキーのことが遠まわしな恨み口調で書かれてます。興味のある方はどうぞ。

ザ・フェイマス・グラウス・ヴィンテージ1989

2008年05月17日 | ブレンデッド・モルト

 本日のお酒。「あの有名な雷鳥のウィスキーをくれ」です。鳥のラベルはすっかりお馴染みとは言え、日本市場ではあまり売上が伸びてないようです。世界市場ではいつも上位、スコットランドにおいては、トップを争う銘柄なのですが。
 ブレンデッドが一般的なんですが、このボトルはモルトをバッティングしたもの。「100% Oak Matured Malt Scotch Whisky」との表記が。この表記も今後どうなることやら(最も今のヴィンテージはどうなってるのかわかりませんが)。中身のモルトが気になるところですが、裏のラベル表記によるとマッカランとハイランドパークがメインとのこと。それらの12年ものが入っているのであれば、お手頃価格ゆえ、そこそこのコストパフォーマンスと思うのですが、残念ながら各モルトの輪郭はそれほどたどれません。比較的スペイサイド優勢かな、と思う程度です。なによりオーク樽の印象が強い。これはオークでマリッジしてあるのですが、かなりきつめに樽香がついた感じです。もう少し、モルトの個性がはっきりしたボトリングでもよさそうなもんだが、などとも思うんですが。
 87年のファーストヴィンテージから始まって、92年までリリースされてます(確か)。垂直で試してみるのも悪くないですね。

ギンコー

2007年11月20日 | ブレンデッド・モルト


 本日のお酒。今、国内のウィスキー関連では一番ホットなシリーズではないでしょうか。ご存知イチローズ・モルトの新製品。これはブレンデッド・モルトになります。"Ginkgo"は銀杏の意。よく見るスペルだと思ったら、私の住む市の市木であるため、街路樹に多く使われており、"Ginkgo biloba"と学名を書いた札がくくりつけられているのを見ていたのでした。
 しかし、やってくれた、という思いです。このカテゴリーの通り、シングルモルトのみをバッティングしたものですが、その中身がすごい。全て国内ウィスキーメーカーのシングルモルトだけであるとのこと。おそらく、メーカーをまたいでの原酒のバッティングは、過去例が無いのではないでしょうか。銘柄・蒸留所名は当然出てきませんが、原酒提供した各メーカーの英断に拍手です。
 イチローズ・モルトは、主に海外市場に目を向けて、日本の素晴らしいウィスキーを海外にも普及させよう、との意気込みにあふれてます。そのため、裏面はすべて英文で、このボトルの場合、初めに銀杏の説明が。その中には、薬用成分や、種の特殊性が書かれてます。特に銀杏の"unique"さと、このウィスキーの"unique"さが言及されています。そのへんのイメージがネーミングに反映したのでしょうか。
 なんにせよ、開封が楽しみなボトルが、また増えました。


ベリーズ・オールモルト12年

2007年03月09日 | ブレンデッド・モルト
本日のお酒。
このボトルをリリースするベリーブロス・アンド・ラッド社は、スコッチではカティーサークの発売元として有名ですが、単一銘柄に留まらず他のスコッチ、更にはワインのネゴシアンとしても著名な会社です。なによりその歴史が長い。その設立は1698年。ちょっと調べてみたら日本では元禄11年。あの忠臣蔵の討ち入りを遡る事5年前です。
この時期のロンドンはコーヒー・ハウスの全盛期。イギリスと言えば紅茶、というのが今の常識でしょうが、当時はコーヒーが大流行。ちょっと見づらいのですが、ラベル中央に描かれているのはコーヒーミル。これは前身の食料雑貨店時代に主としてコーヒー豆を扱っていたところから、そのシンボルをラベルに組み入れてます。まさに象徴なのでしょう。
アメリカ向けのカティーサークに比べて、割と重厚だそうです。実はまだ開封してません。そのうち試してみようと思いますが、はていつになるやら。
なぜかこの「オールモルト」も、ブレンドの「ベリーズ・ベスト」も価格が高いんです。並行品が入ってこないんでしょうか。

ザ・ビッグスモーク60・ダンカンテイラー

2006年12月19日 | ブレンデッド・モルト
本日のお酒。
ダンカンテイラーはピアレスコレクションなど、割と好きなシリーズを出しているボトラーです。まあコンセプトは解りやすいし、値段も手ごろだし、昨今のアイラブームに乗っかれ、ということでしょう。購入する時、やはりショップやメーカーのうたい文句を見ていたのですが、やれ「圧倒的なスモーク」だの、「強烈なピートの波が寄せては返す。」だの、なかなか勇ましい惹句が並んでいます。
で、実際に飲んでみると、意外にまとまりが良いんですね、これ。度数由来の甘味とスモークやピートの相性も良いし、フィニッシュの切れや全体的に綺麗な仕上がりも好感が持てます。
ただ、ネーミングや広告の割りに全体に整い過ぎて、期待過剰だったので少し拍子抜けの感もありました。60度でもそれほどキツさを感じないし。どうせこういう企画でやるなら、もっとバランスを崩すくらいにスモーキーさを突出させて欲しかった、というのは個人的な意見。

シルクプリントではなくて、透明ボトルにシールというのがいささかチープかなと。