昨晩飲んだワイン。格安の古酒、しかもビッグヴィンテージの82年。これで価格は2千円台、買いながらも眉ツバでした。
ラングドックのACサン・シニアンにあるドメーヌのようです。もちろん全く知りません。カベルネを使っているため、ヴァン・ド・ペイに。ネットで調べてみると、このドメーヌの特徴は2つ。ベースのドメーヌの歴史が異常に古いということと、以前に行われたブラインド試飲会で、このワイナリーのトップ・キュヴェがぺトリュスに競り勝ったという記録があること(もちろんこの銘柄ではなし)。まあ、正直大したネタではありません。
南仏をイメージして飲んでみたら、びっくりするほど陰性なワイン。妙にじっとりした味わい。香りはさすがに枯れ、シガーの煙を思わせました。蔵出しのせいか、コルクもラベルも綺麗なもんですが、リコルクされてないため、抜栓するのに10分以上掛かりました(コルクボロボロ)。飲むには10年遅すぎた感。
ワインの古酒を飲むと、いかに綺麗に上手に年を刻むのは一部のワインしかないか、を痛感します。枯れ切って香りも味もパサパサのワインや、逆に経年してる割に妙に若くて生々しいワイン。なんかどっかにいそうですが。
そんな枯れ切って、味も香りもモノクロになってしまっているワインでも、時に山水画を見ているような、流麗、大胆、また迫力の"線"を感じたりして、それもまた思いがけない嬉しさであったりします。本当にワインには色々な楽しみ方があるなあと実感。ま、このワインはそれほどでもなかったんですが。