百瓶逸酒

我が家にある各種開封・未開封のお酒を記録するのが目的のブログです。
単なる自分の整理のためだけですが^^;

純米吟醸・夏子物語・生貯蔵

2008年04月29日 | 日本酒

 本日のお酒。というか以前に飲んだ分なんですが。「夏子物語」というネーミングで、ピンと来る方は来るのでしょうが、漫画「夏子の酒」のモデルの久須美酒造の酒です。もちろん、酒米は「亀の尾」ではなく「五百万石」の仕込みですが。
 「夏子の酒」は学生の頃連載していて、これでもかと困難が続く熱いドラマツルギーで、欠かさず読んでいました。当時、日本酒にものめり始めて、頭でっかちだった頃でもありますし。
さてこの「夏子物語」は純米吟醸で生貯ということもあり、爽やかさ、薫り重視の酒か、との思いこみで飲んでました。最初は冷やして。確かに吟醸香もきれいで、すっきり切れる味。しかし徐々に温度が上がるにつれ、香り「高い」というより「重く」、意外に腰が重くなってきました。試みに燗までしてみたのですが、やや甘味が勝ち重苦しく、キメの荒い後口に。しかし印象は決してネガティブなものではなく、逆に火入れして1年ばかり貯蔵したほうが、より旨味のふくらんだ酒になりそうな気が。

ブレット・バーボン

2008年04月28日 | アメリカン・ウィスキー

本日のお酒。歴史は古いのですが、新たに再登場したバーボンです。
1830年代に独特のレシピを創り上げたオーガスタス・ブレットの曾々孫である、トム・ブレット氏」が復活させたとのこと。「FRONTIER WHISKEY」の刻印がありますが、西へ向かう開拓者たちに買われていったため、こう呼ばれたそうです。1860年頃創業者の死亡によりその幕を閉じたわけですが、この時代はゴールドラッシュも含め、アメリカが西部に進出していった時期と一致するため、たくさんの開拓者・アウトローの胃袋を満たしていったのでしょう。ボトルも厚みの無い形で、昔のボトルを復刻させたかのようなデザインです。
以前Colonさんでサンプルボトルをテイスティングさせてもらい、その時はあまり好きなタイプとも思わなかったのですが、妙に記憶に残る、頭にひっかかる味わいだったので、どうにも気になり、ボトルを購入してみました。香り・味ともに、濁りの無いのが好印象。香りにはクリーンな華やかさがあり、時々ありがちな下卑た厚化粧を感じません。味わいにも華やかさがありますが、幾分落ち着いた感じ。前に飲んだ時は、香りばかりでインパクトを感じず、物足りなさを覚えたのですが、よくよく味わうと、しっとりと綺麗で、ステレオタイプなバーボンにはない個性が感じられます。日本人向きなのかもしれません。一度飲んだだけで判断を下すとこんな落とし穴があります。自重自重。
このバーボンを売ってる店の紹介文に、「フェノールアルコールを含まず非常になめらか」との文句があったのですが、フェノールアルコールというのはどういう言葉なんでしょうか?当方、バケ学はとんとダメなんですが、フェノールとアルコールが結びついてる状態のこと?なんだかピンときません。


シャトー・サント・コロンブ/2001

2008年04月25日 | ワイン

 これもちょっと前に飲んだワイン。2001ヴィンテージにしては濃い。すでに飲み頃のピークはくだりつつあるようです。ま、今時こんなバックヴィンテージ、あんまり出回ってないでしょうけど。ベリー系で、メルロー主体の優しい味。すでにレンガ色になり、程よい枯れ具合です。そう言えばサント・コロンブで、ある程度時間が経ったものは初めて。まあ、あんまり寝かしとくワインでもないし。
 以前はミッシェル・ロランの名前を売りにしてましたが、昨今はカロン・セギュールの高騰で、バレンタインデーの代替ハートワインとして見かけます。季節モノで定着すると、後がたいへんでしょうね…

第10回テイスティング会

2008年04月24日 | テイスティング会

 先週の土曜日、andrewsさんにて恒例のテイスティング会。今回は「閉鎖蒸留所シリーズ」ということで、こちらも気合が入りました。レアあり、マニアックありとバラエティ豊かでした。

グレンアギー28年/1977・シグナトリー
45.5%
香り:初めにセメダイン臭。スワリングですぐ消散、代わってオレンジ、レモンピールが。時間経過で梅、加水するとパイン。さらにココナッツ、アーモンドペースト、コンデンスミルク。時間経過でミルキーに。意外といってはなんだが、複雑に変化。
味:ねっとり。しかし酸味あり。最後に上品な甘味を感じる。和三盆のよう。
フィニッシュ:あっさり素早く収束。

コールバーン36年/1970
62.4%
香り:第一印象はかなり草っぽく若々しい。どくだみ、夏草の茂るわだち、タバコの葉。徐々に大麦の印象。ある時点で急激に熟成感。黒くなったバナナ。カカオ
味:クリーミー。甘味が幾分強い。黒糖。
フィニッシュ:長い

ポートエレン24年/1978・2ndリリース
59.3%
香り:眠ってる間は意外にピート穏やか、スイート。目覚めるとピート、ヨード、ペッパー、甚だしくスパイシー。加水すると白檀、樟脳、レモンシャーベット。やや印象がばらける。
味:スパイシー爆発。辛いが、噛み締めると甘さも。
フィニッシュ:非常に長大、圧倒的。

 で、今回はマスター特製のフィッシュ&チップス。生地にはビールではなく、エールを使用。かけるモルトビネガーもイギリス製。なんて凝り性(笑)、でも大変美味しくいただきました
 さて、次回がまた楽しみです


ダラス・デュー31年・ダグラス・レイン

2008年04月18日 | スコッチ・シングルモルト

 本日のお酒。ダラスデュー、スペイサイドのモルト。すでに閉鎖されている蒸留所のため、今後ストックは少なく、長期熟成品ばかりで価格も上昇して来るでしょう。いやそれ以前に、知名度も人気も高くないため、商品販売自体が限られてくるかもしれません。
 このボトリングは、1968年12月蒸留、2000年5月のボトリング。253本のボトリングで度数50%です。まあ、当時としてもかなりの長熟品ではありました。しかし価格自体は、現在を考えればちょっとビックリするくらいリーズナブルだったと思います。多分、現在同じくらいの年数の商品の半分以下、というところでしょう。
 香りは、古典的なスペイサイドでスイート、穏やかに、しかしはっきりピーティー。ココアのような香りとレモンピール。味わいは出来の悪い硫黄臭を感じさせず、甘味とナッティー。フィニッシュはあっさり途切れる。
 やはり60年代のモルトは、端正かつ丁寧な作りだな、と感じさせます。元々の酒質は軽いもののようですが、熟成の妙味、年数の積み重ねが不思議な厚みをもたらしてます。好みは分かれるところかもしれませんが、ライトでいてどこか厚ぼったい、昨今の都会的なシャープさとは一線を画した、やや牧歌的な古き良きシングルモルト、というとこでしょうか。アンバランスさが「奇妙な魅力」を生み出しています。
 さて、明日はテイスティング会。たっぷり利いて(飲んで)こよっと。

クォーツ/2004・レ・カイユ・デュ・パラディ

2008年04月16日 | ワイン


 今夜飲んだワイン。クロード・クルトワの白、ソービニョン・ブラン。シンプルなラベルですが、味は結構複雑。リンゴの香りから、グレープフルーツへ。草草した感じはないですが、全体に重め。ミネラル分豊富、変な例えですが、肥沃な畑の土を噛み締めると、こういう感じなのかと。だけど、クォーツ(石英)の名に劣らず、キッと尖る部分がある。これが長所であり、短所なのかも。その他もろもろ味わうために、冷やしすぎ厳禁、な白です。
 色々書いてますが、クルトワのボトルには、心癒される田園風景のイラストが貼付されてます。それを見るにつけ、「ああ、白ワインがつくづく美味い季節になった」と思います。酒がほろほろと沁みこみます。

ケテルワン・シトロン

2008年04月15日 | ウォッカ

 本日のお酒。オランダのプレミアムウォッカ、ケテルワンのフレーバードタイプです。ほんとはプレーンのウォッカが欲しかったのですが、全く取り扱っている(輸入している)店がありませんでした。ま、このボトルもついで買いではあったのですが。
 ケテルワンの創業は17世紀、ちょうど「生類憐みの令」が出た頃というから、まあ古いですね。関係ないのですが、元禄創業の日本酒の蔵元ってどのくらいあるのかと思い、ネットで調べてみたらば、意外や結構あります。銘柄で言うと、仁勇、竹泉、天領、上州風まかせ、日の丸、澤乃井、始禄などなど。日本の蔵元もたいしたもんです。
 このケテルワン、アメリカ、特に都市圏のいわゆる富裕層に人気のある銘柄です。90年代くらいのアメリカの小説を読むと、BARでのカクテルベースにわざわざケテルワンを指定したりする描写がありました。現在、どのくらい人気を保ってるかはよく分からないのですが(それだけプレミアムウォッカが増えましたよね)、ウォッカマティーニやコスモポリタンなどのカクテルのブームと共に、人気爆発となった先駆的な銘柄であったことは間違いありません。
 世界のスピリッツ嗜好がブラウンからホワイトに、ストレートからカクテルにと変遷してる事は周知の事実ですが、中国、インドなどの新興国でウィスキー需要が急拡大している現状を鑑みると、将来こういうプレミアムウォッカも需要拡大で、価格急上昇・品切入手不可の道を歩くのは時間の問題かもしれません。

天吹・吟の紅衣・無濾過生

2008年04月13日 | 日本酒
 本日のお酒、の前に。今年はバタバタとして、「桜を見に行く」(花見=宴会に非ず)ことが無かったので、早朝阿蘇まで行ってきました。写真は一心行の大桜。薄曇りでやや花がくすんでますが、花は花、日本人のDNAが賦活した朝でした。



 さて、本日のお酒。以前に買っていた酒ですが、せっかくなので花の季節まで置いていたものです。それは、



 ややくすんで見えますがロゼ、というよりクリムゾンですね。これは醸す酒米に古代米の黒米を使ったためです。この黒米は、玄米の糟に黒色色素あり、見た目はほんとに真っ黒なんですが、醸造により綺麗なローズに。色素にはアントシアニン系色素があるようで、これは動脈硬化予防や、アンチエイジング、発ガン抑制などの効果がみられるようです。ま、深酒してしまえばアウトなんでしょうけど。酵母はND-4(なでしこ花酵母)を使っており、そのせいか上立ち香に華やかさがあります。桜の季節には最適。含み香もふっくら柔らかく、味わいあくまで米の旨味の乗った味でした。

 この吟の紅衣は「日本酒を見直して欲しいという蔵元の気持ちと日本酒を売りたいという販売店の気持ちが一致して開発されたお酒」だそうで、革新的なヴィジュアルといい、新奇さだけでないしっかりした中味といい、日本酒人口の間口を広げるグッドアイテムなんじゃないでしょうか。


シャトー・ド・ロックフォール/1998・ルブラム・オブ・スキュラム

2008年04月11日 | ワイン

 以前飲んだワイン。数年前にも飲んで、当時いたく感銘を受けた記憶がありました。改めて飲んでみたくもあり、ネットで探してもこのラベルは無し。仕方ないので最近のヴィンテージを買うかと思ってたら、某ショップで発見。バック・ヴィンテージで、はや10年経過。
 で、実際飲んでみて、以前感じた強さや濃厚さ、バランスのいい酸味は影をひそめて、すっかりほっそりと面やつれした印象に。プロヴァンスのワインで何故こんなに分厚い?、という面白みが感じられませんでした。ダイエットに失敗したグラマーが妙にたるんでしまってる印象。
 果たして店の管理が悪かったのか、ビオが熟成に向いてないのかは神のみぞ知る。最近のこのシャトーのものを飲んでみようかな(価格上昇が気になるけど)。

金霧島

2008年04月10日 | 焼酎

 ひさびさの更新です。上京したり、娘が入学式前に熱出したりと、なんだか慌しい新年度のスタートでした。短い滞在の間、会いたい人に会い、食べたいものを食べ、飲みたいものを飲み、ついでに表参道ヒルズにもいったりして、ドタバタと過ごした日々でした。なんだか結構疲れが残ってますが、改めてブログのほうも再開。

 さて、写真は有名な金霧島。おなじみ霧島酒造の限定版。これ分類上は「焼酎」ではなく、「リキュール」です。この焼酎、「冬虫夏草」を浸漬させてるのです。酒税法では、「酒類と糖類その他の物品(酒類を含む)を原料とした酒類でエキス分が2度以上のもの(一部略)」とのことですが、「その他の物品」が菌類というのも、なんか一気に漢方系にスライドしてる感じです。香りこそ若干、漢方薬のようなニュアンスがありますが、やはり原料の芋の香りが圧倒的。味も、通常の黒霧島よりこっくりとした甘さのニュアンスが際立つようです。キレよりもコクが感じられる焼酎でした。これはさすがにお湯割りより、ストレートかロックかなぁ。お湯割りだと、煎じ薬みたいな香りになったりして。

 この焼酎は義弟夫婦よりのいただき物。(どうもありがとう。「牧場の夢」、送っとくね。)美しい天女のラベルは、「金霧島を飲むことで、心も体も麗しく天を舞うような気持ちになって欲しいという願いを込めて」のものだそうです。なんともありがたげな一本。