本日のお酒。コニャック・アルマニャックに知名度は負けますが、中味の秀逸さ、その歴史の古さでは決してひけをとらないスパニッシュ・ブランデー。元々はシェリーの酒精強化のため必要不可欠なブランデーで、言わば副産物的な扱いだったものが、素晴らしいシェリー・ブランデーという逸品を造りあげることとなりました。
ソレラ・グラン・レセルヴァ、すなわち単式蒸留器100%のスピリッツを、ソレラシステムで最低アヴェレージ3年、トータル8年以上熟成させたもので、このサクリスティアにおいては実にアヴェレージ熟成は50年以上という、安価なシェリー・ブランデーとは一線を画す造りになってます。
印象的な、フレンチ・ブランデーとは全く違う響き。完熟したフルーツのハーモニー、皮革、火を点ける前のシガー、そしてやはり支配するのはオロロソ。味わえば幽玄、精妙、深甚なる熟成の山脈。その味を辿ればはるかかなたに落下していくごとく、幾重にも連なった地層の峡谷。
「1780年1月10日、アイルランドの貴族ウイリアム・ガルベイがアイルランドとイギリス向けにワインを輸出したことから始まったガルベイ社(一部抜粋)」ですが、甘口シェリーに強いメーカーのようです。ガルヴェーのペールクリームあたりと合わせて飲んでみたいものです。
願わくば日本にももっと沢山の優良なブランデー・デ・ヘレスが入ってくれれば、と願ってやみません。
本日のお酒。ACバ・アルマニャックです。とかくアルマニャックのボトルは、妙な(失礼)形のものや、えらくゴージャスなものが多いのですが、このボトルはシンプルで好感度大。
"ルーザック公爵"の意のこの銘柄、店頭に出回るのはXOが一般的だと思いますが、V.S.O.P.のボトルは初めて見ました。個人的にはコニャックを飲む機会が多いのですが、生産量が多いコニャックに比べ、小規模醸造所の多いアルマニャックのほうが個性の違いを感じやすい気がします。それもXOクラスの古酒になれば、どうしても似通ってくる要素が多いのですが、若いアルマニャックは良きにつけ悪しきにつけ、強い個性を感じやすいようです。その個性はモルト愛好家の方に受け入れやすいのかもしれません。
コニャックは女性的、アルマニャックは男性的、また、コニャックは洗練され、アルマニャックは荒々しい、という区分けをよく見かけますが、昨今よく出回るようになった秀逸なシングルヴィンテージのアルマニャックを味わうと、植えつけられたステレオタイプなイメージとは一体なんなのかと考え込んでしまいます。
その昔、フィーヌ、オー・ド・ヴィー・ド・ヴァンとオー・ド・ヴィー・ド・マールの違いをレクチャーしてもらうも、酔っ払っていてなんにも理解できなかった記憶があります。若かりし日の恥。それはともかく、コニャックやアルマニャックと違い、固有のブランドの味を作り出すのではなく、そのドメーヌの味をそのまま蒸留酒にしてしまう。したがって美味いフィーヌはとことん美味い。
このフェヴレもたいして期待無しに飲んだのですが、値段の割りにいけました。香りは繊細ですが、意外と力強いのは好印象。「葡萄の蒸留酒」を十分堪能できます。
本日のお酒。こういうコケオドシなボトルは、あんまり好きではないのですが、免税店あたりでよく売られてた(る?)ボトルのようです。20年くらい前の頂き物。現行とはラベルがちょっぴり違うようです(現行はSEMPĒが上に大きく表示)。
このアルマニャックを作るサンペ社は、協同組合出荷が多いアルマニャックの中では珍しい独立系の蒸留所。その起源となるサンペ家は、14世紀から続く名家で、聖ペテロ(サン・ピエール)の名からその名を取っています。
アルマニャックの製造は意外に新しく、1937年からのスタート。ほとんどのメーカと一緒で、シングルディスティラリーではありません。日本ではほとんど取り扱いが無くなったようです。もともとアルマニャック自体の扱いが少ないですよね。やはりブランデーというカテゴリは逆風。
その昔のアルマニャックは1回蒸留が普通だったようです。さぞや骨太くて、フレッシュな味わいだったのでしょう。昨今は2回蒸留にシフトしてきましたから、いわゆるアルマニャックの個性が押し出された商品は少ないのかもしれません。
このボトル、0.70Lとラベルに表示されてるのですが、ボトルの底には750mlと表示。???…しかし撮影しにくいボトルだ。
ま、それでもこのブッハはかなりポピュラーな銘柄のようです(なにしろ私が手に入れられるくらいですから)。
香りはなかなか高く、ちょっと米焼酎のようなニュアンスも感じます。味わいは、飲んですぐに美味い、と思えるほど馴染みのある味ではないのですが、極端にクセのある味でもないので飲んでいるうちにすぐ慣れてきます。
というか、私がどっちかといったら、フルーツ・ブランデーが苦手なだけなんですけどね。酒に罪無し。
私が大好きなカクテルにジャックローズがあります。本当はアップルジャックで作るのが本式なんでしょうが、いいんです、なかなか手に入らないし。と言うわけでカルヴァドスで作ってもらうのですが、これがなかなか注文し難い。実物を見るとわかるのですが、オッサンにとってはトロピカルカクテルについで似合わないシロモノ。人目をはばかって注文してしまいます。
で、このお酒。ノルマンディーの中でも優良産地ペイドージュ地区で生産される(Appellation Calvados Pays d'Auge Controlee)、ロジェ・グルーのドイヤン・ダージュ。30年以上の古酒を中心につくられてるそうです。単式蒸留機で一次蒸留し、樽詰めで数ヶ月貯蔵、二次蒸留を行い、再び樽に入れて熟成を行う。まあ贅沢なつくりです。度数は41%。手吹きボトルがやややり過ぎの感もありますが、贅沢品ゆえしょうがないのでしょう。開封時はセメダイン臭が凄くて閉口しましたが、それがとんでからは爽やかな林檎の香りと、落ち着き払った熟成の香りがあいまってなんとも高貴な香りです。古酒特有の辛口ながら芳醇な旨味もたっぷりです。
…で、こんなの使ったジャックローズは美味いだろうなぁ、でも意外と安物のカルヴァドスの方が合ったりするんだよなぁ、第一そんな罰当たりなオーダーとても出来ないし…、などの思いが出てくるわけです。家にはカルヴァドスがあるがカクテルは作れない、店ではオーダー出来ない。世の中ままならないもんです。
12年という年数や、加水なしの状態から想像されるとおり、非常に甘い林檎の香りが広がります。度数ほどアルコール感はなく、低価格のカルヴァドスのようなむせかえるような、のどにひっかるような感覚がなく、つるりとのどを通っていきます。グラスをよく暖めて、香りを引き出しながらゆっくり楽しむカルヴァドスです。
シャトー・ド・ブルイユは比較的小規模ですが、定番以外にも意欲的な商品化を行っていて、伝統に胡坐をかかない企業努力を行っているシャトーという印象です。異なった年数物をあわせた商品やシングルヴィンテージ、樽もの(モルトウィスキーフィニッシュなども)など、なんとなくこのシャトーは、シングルモルトを視野にいれた商品づくりをしているのかなと思わせます。
今では気軽に入手出来なくなった銘柄ですね。このボトルを買うときに、25年が欲しかったのですがすでに品切れ。これもぎりぎりセーフの口でした。
コニャックに比べると、重厚にしてドライ。オークカスクの香りが強く出ています。ウィスキー等に喜ばれそうなブランデー。複雑さという点で言えば、確かに一本調子。野暮ったさは否めない。しかし、酒質が気に入ればこれほどハマるブランデーもないかもしれません。
ノヤックは「ノアの泉」の意。そう言えば原産のアララットはノアの箱舟が漂着したと言われるアララット山があります。このボトルは裏書を見ると、熟成はアルメニア、ボトリング・販売はロンドンのようです。
アララットの5スター、5年熟成ものです。写真には写っていませんが、特級表示で、輸入業者が(株)ソユーズ。白樺の前身でしょうか。時代はわかりませんが、ラベルに印字で”210486”の数字。86年4月21日に輸入したものでしょうか。
このブランデーを入手するきっかけはさるBARでのマスターとの会話。
「S町かどのI酒店って知っとるですか?」
「あぁ、わかります。」
「入り口わきのディスプレイに古いアララットがあるごたっですよ。」
「ほんなこつですか!じゃ、買いにいってこよう。」
実際に買いに行った。
店内には無愛想(失礼)なおじさん。こうなれば単刀直入に切り出す。
「あそこに入ってるブランデーは売り物ですか?」
おじさん、ちょっとあっけにとられる。
「長いことあそこに置きっぱなしだから、飲めるかどうかわからんよ。」
「ください。いくらですか。」
おじさん、しばし黙考。やべ、ふっかけられる。
「500円でも貰おうか。」
頭の中では吉本新喜劇の全員こけるシーンが去来。しかし、間髪入れずおじさんに500円玉を押し付け、商品をかっさらって店外へダッシュ。その後BARで開封、祝杯。これだから古酒探しはやめられない。
割りに甘め。香りもコニャックのような複雑さもない。その代わり、全てにおいて骨太。一本太い筋が通っている感じ。どちらかと言ったらウィスキー飲みが喜びそうなブランデーです。
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箱が汚れているから300円引きますとの事で2,500円にて早速購入。
箱にはブランデー特級との表示。河内町も市と合併する前なので、恐らく20年ほど前のものでしょうか。ネーミングもストレートです。
まだ未開封ですが、味わいの違いはそれほどないでしょう。新しいものと飲み比べをしてみようと思います。
今日はBAR酒場恒例の屋外イベントで月見です。河原で日本酒のひやおろしをいただいてきます。楽しみですが寒いだろうなぁ…
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