ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインと料理のマリアージュ55ページ目

2009-04-05 23:13:06 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【55ページ】

田辺   百貨店のワイン売り場で母娘が、ワインの会話をしていたのです。

     「ワインって料理に合わせるの難しいので、面倒くさい!」と娘が

     話していました。

和音   レストランでは、ソムリエに任せればいいのですがね?

田辺   和さん、この会話どう思います?

和音   誰が、難しくしたのでしょうね?

田辺   ええ?

和音   フランス人は、料理にワインを合わせていませんよ!

     毎日の食事をテーブルワインで楽しんでいるのです。

     日本人もワイン以外のお酒は、そんなこと考えずに気楽に飲んで

     いるでしょう。

田辺   そうですね。

和音   赤ワインには肉料理、白ワインには魚料理と一般に言われていますね?

田辺   私もついそのように教えてしまいます。

和音   ワインの一番やさしい飲み方は、何も考えずに料理とワインを楽しめば

     いいのですよ。

     ほとんどの料理は、そのワインと合うと思います。

田辺   もしまったく合わなかったら?

和音   それも楽しみ、話のネタにしたらいいと思うよ!

     マスター、今日のお奨めのバローロをください!

マスター はい、キャベツの酢漬けです。バローロと合わせてみてください!

田辺   えー?キャベツの酢漬けと? 

和音   食べてみて。

田辺   以外といけるわ!

     今思ったのですが、ソムリエ用に書かれたワインと料理の合わせ方のよ

     うな教本が、一般の人にも誤って流れたのではないでしょうか?

和音   そうかもしれないね。

     田辺さん、先ほどのポムロールのワインとバローロとどちらが好み?

田辺   もちろんペトリュスでーす。

和音   おいしいワインだったが、マスターお奨めのポムロールのワインです

     よ。 

マスター 田辺さんの正解です。 

和音   そんな馬鹿な!

マスター 和さんも正解です!


56ページに続きます。

ワインと料理のマリアージュ54ページ目

2009-04-05 21:43:04 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【54ページ】

和音    マスター、このワインを馴染みのお客に飲ませてあげて!

マスター  おー、ペトリュスの2000年だ! 

      こんな高価なワインほんとうにいいんですか?

和音    ええ。

マスター  今飲むの、もったいなくない?

和音    気にしないで!もちろんマスターも試飲してくださいね。

マスター  はい。

      今日のお客はラッキーだな!


二人がそのような会話をしている時、田辺が店に入って来た。


田辺    マスター、今晩は!

マスター  和さん、ラッキーな人が来たよ!

田辺    何の話?

マスター  後で、おいしいワインをサービスさせてもらうよ。

田辺    わー、うれしい!

和音    元気な田辺さんに戻ったね?

田辺    和さんのアドバイスのお陰だわ!

和音    マスター、今日のお奨めのポムロールのワインを!

田辺    和さん、ちょっと私の話を聞いてもらえますか?

和音    何でしょうか?


55ページに続きます。

田辺の話とは?

ペトリュスのなぞ53ページ目

2009-04-05 07:35:03 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【53ページ】


社長     和さん、ヴィンテージ判りましたよ!

       1975年でしょう。

ペリー    おー正解です。

       気が動転していて、テイスティング対決のこと忘れていました。

       でも長尾社長がどうして判ったのですか?
   
社長     和さんの言葉の中にヒントがあったのです。

ペリー    私には、理解できませんが、長尾社長の答えは正解で、今回の

       勝負は引き分けです。

       さっそく業務提携の契約を結びましょう。

       しかし残念だなあ!祝杯用に持ってきたペトリュスを空けてしまっ

       た。

社長     テイスティング対決に使用したペトリュス2000年ならまだ2

       本持って来ていますよ。

ペリー    それがいい!

       2000年の熟成期間に負けないように、我々の取引も長く続けま

       しょう。

秘書     至急の交際電話が入っていますが?

ペリー    よろしいでしょうか?

社長     どうぞ。


ペリーはしばらく電話をして、戻って来た。


ペリー    オークションに出品された方からでした。

       すべて和音さんの推測通りでした。

       元オーナーの手紙が見つかったとのことです。

       その手紙には、詳しい経緯ともに、私がこれらを飲むことができな

       かったら、家族で飲んでほしいと書かれていたそうです。

       私は、最高傑作のワインだったと伝えて置きました。

和音     もう二度と飲むことのできない幻のワインでしたね?


ペトリュスのなぞ52ページ目

2009-04-05 06:42:30 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【52ページ】


和音    そのオーナーは、ペトリュスを超えるワインを造るという夢を持って

      いました。

      しかし規模が小さい為、ブドウを選別して、生産量を落とすことが

      できない。

      そこである年彼は、ブドウ畑の1区画だけ夢を叶える為に使った。

      自信のあるワインができたので、熟成したら、同ヴィンテージの

      ペトリュスと飲み比べしようと思った。

      彼は、3本のペトリュスを購入しました。

      1本目は、ペトリュスを半分減らし、自分のワインを注ぎ足した。

      2本目は、ペトリュスを空にし、自分のワインで満たした。

      3本目は、ペトリュスのままです。

      しかし彼は、それらのワインを飲めなくなったのです。

ペリー   それらのワインが熟成する前に、亡くなったのですか?

和音    たぶんそうでしょう。

      そして、彼の家族が高価になっている3本のペトリュスをオークショ

      ンに出品した。

      今までの話は、私の推測ですが?

      小さなオーナーのロマン、これらのワインには不正はないでしょう。

ペリー   私もそう思います。

      しかし彼のすばらしいワインはもう飲めないのですね?

和音    残念ですね。