ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

2 令嬢の子犬 92ページ目

2009-07-31 23:15:44 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【92ページ】


令嬢    私も聞いていないわ!


社長は、ロマネ・コンティがこだわりのワインになった話を始めた。


恋人    お待ちしていました。

社長    神戸の芦屋の家だったのだね?

      デートの時は、ブランド物を身に付けていなかったので、こんな

      大きな家のお嬢さんだとは、知らなかった!

恋人    普段の私が、ほんとうの私です。

      ブランドものには、まったく興味がないの!

      さあ、あがって。


社長は、結婚の許しを得るために、彼女の家を訪問したのだ。


父親    娘と結婚したいと?

      君は、ハンサムで背が高い。又スポーツマンで聡明だと娘から聞いて

      いる。

      よくモテルだろう?

      それに対して娘は、美人だとは言えない!

      私の一人娘との結婚の目的は財産目当てかね?

恋人    お父様ひどい!

社長    私は、デートの初日でフラレてしまうのです。

父親    ほう!

社長    私は、鼻が悪いので睡眠が浅いのです。

      それで、デートの時でも眠ってしまって。


2 令嬢の子犬 91ページ目 

2009-07-31 19:48:44 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【91ページ】


和音    そうですね。

      おお、このワインは、すばらしくおいしい!

      こんなにおいしいロマネ・コンティばかり飲んでいると破産します

      ね?

令嬢    破産?

和音    真里菜さんは、心配しなくてもいいと思いますよ!

      ワイン好きの人が、ロマネ・コンティの虜になったらの話ですから。

令嬢    お父様、このロマネ・コンティのヴィンテージ1983年?

社長    そうだよ。

和音    真里菜さん、さすがですね!

令嬢    和さんも1983年と答えたでしょう?

社長    ええ?

令嬢    破産・・・は・さん・・・83年。

和音    ははは、偶然ですよ。

      ところで私は、今まで色々なワイン会に招待されているのですが、皆

      さんこだわりのワインを持っているものですね。

社長    そうだと思います。

和音    社長のこだわりのワインは、ロマネ・コンティ?

社長    あまりにも正統というか、王道というか、こだわりのワインとしては

      、気恥ずかしいのですが。

和音    こだわりのワインになったきっかけを聞かせて頂けませんか?

 

2 令嬢の子犬 90ページ目

2009-07-30 23:07:31 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【90ページ】


和音    今夜は、ロマネ・コンティのワイン会ということで、非常に楽しみに

      しています。

社長    私こそ、和さんと一緒にワインを飲めてうれしいです。

      和さん、紹介させて下さい。娘の真里菜です。

和音    和です。

      今夜のテイスティング対決は、真里菜さんとですよね?

令嬢    はい。

      しかし、私はヴォーヌ・ロマネ村のグラン・ヴァンしか判らない

      のですよ。 

和音    でも、それをずっと飲んでいると私より精通しているのでしょうね?

令嬢    トップソムリエも敵わないという和さんにはとても、とても。

社長    和さん、ロマネ・コンティの用意ができています。

      どうぞ、ソファにお掛け下さい!


和音と社長と令嬢の3人が、ソファに腰掛けた。


社長    和さんが、ロマネコンティなら、ワインだけを楽しみたいとのことな

      ので、料理は準備できていませんが?

和音    ロマネ・コンティと楽しい会話があれば充分です。


社長の専属ソムリエが、ロマネ・コンティを抜抜し、3人のグラスに注いだ。


社長    和さんは、テイスティング対決の時以外は、ワインを楽しく、おいし

      く飲むのがモットーだそうですね?


2 令嬢の子犬 89ページ目

2009-07-29 23:50:28 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【89ページ】


令嬢    もちろん用意するワインは、ロマネ・サン・ヴィヴァンとラ・ロマネ

      を含むヴォーヌ・ロマネ村のグラン・ヴァンで揃えたいわ!

社長    特級畑名ワインはちょうど六つあるね?

令嬢    ロマネ・コンティは外しましょう。

      ロマネ・サン・ヴィヴァンかラ・ロマネを2本にして、ラ・ターシュ

      、ラ・グランド・リュ、リシュプールで合計6本です。

社長    それで必ず勝てる?

令嬢    はい。

      仮に和さんが、先にラ・ターシュとラ・グランド・リュの2本を正解

      したとしますね。

      その後、ロマネちゃんが反応すれば、ロマネ・サン・ヴィヴァンか

      ラ・ロマネ。反応しなければ、反応しないワインで残っているのは、

      リシュプールだけ!

社長    どの順番になっても勝てる?

令嬢    どの順番になっても必勝です。

社長    よし、それで決定だ!

      そして、和さんとワイン会で飲むワインは・・・。

令嬢    もちろん、ロマネ・コンティでしょう。

      ワインもテイスティング対決も楽しみだわ!


二ヵ月後、社長のプライベートワイン会が開催された。   

2 令嬢の子犬 88ページ目

2009-07-29 00:41:39 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【88ページ】


社長    もし、テイスティング対決のワインをロマネ・サン・ヴィヴァンと

      ラ・ロマネに限定して、早くワイン名を当てた方が勝ちとすれば、

      ロマネの合図で真里菜が勝てるのでは?

令嬢    でも2本だけだと、私が事前にワイン名を知っていたと思われない?

社長    そうか、何か一工夫必要だね?

令嬢    私も考えるわ!

      早くワイン名を当てた方が勝ちというルールは絶対必要と思う。

社長    これはどうだ!

      二人が立つ位置とテイスティングのテーブルの間隔を10mあける。

令嬢    ロマネは離れていても、ワインを見分けることができる。

      だから、和さんがワイングラスを手に取る前に、私は答えることがで

      きる。

社長    いいアイデアだろう?

令嬢    やはり2本だけだと、お父様の仲間は、私が勝っても、ワイン名を

      知っていたと言うでしょう。

社長    ワインの本数を増やすか?

令嬢    いいと思う。

      ワインを6本用意して、先に3本正解した方が勝ちとすれば?

社長    自信があるのか?

      用意するワインは?