ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

3 大使からのプレゼント 98ページ目

2009-11-28 22:49:01 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【98ページ】


良子    マスター、今晩は!

マスター  田辺さん、いらっしゃい!

      和さん来ているよ。


良子は、店の奥のカウンター席に座っている和音に近づいた。


良子    和さん、お久しぶり!

和音    やあ、良子さん!

      お久しぶりって、三日前にここで会っているよ。

良子    和さんって、女心がわからないのね?

      東京に行っていた和さんに、そう思うほど、会いたいと思ってたの!

和音    良子さん、これある人からのプレゼント。

良子    誰から?

      何?

      開けてもいいかしら?

和音    どうぞ。

良子    わあ、宝石で装飾されたソムリエナイフだわ。

      私のルビーとサファイヤのソムリエナイフとそっくりね?

      ルビーとサファイヤのところにダイヤ?

和音    人工ダイヤで装飾しているそうです。

良子    これ誰から?

和音    まず、何かワインを飲みましょうか?

      その後、話を続けましょう。

      マスター、今日のお奨めワインを!
 

3 セクシーソムリエベロニカ 97ページ目

2009-11-27 05:33:09 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【97ページメ】


和音     大使、ベロニカとナイトと飲む機会をつくってくださいよ。

大使     わかった。

和音     今夜は、楽しいワイン会でした。

大使     和さん、お願いがあるのです。

       神戸のレストラン、マリーナヴィレッジに行ったら、女性ソムリエ

       のタナベさんに、これを渡して下さい。


大使は、和音を玄関まで見送り、ベロニカのいる部屋に戻って来た。


大使     ベロニカ、和さんは、昨日東京店に行ったそうだ。

       そして飲んだワインが、カヤオ2003年だ!

       ベロニカの選んだカヤオはすばらしいワインだと伝えてほしいとの

       ことだった。

ベロニカ   とてもうれしいわ! 

3 セクシーソムリエベロニカ96ページ目

2009-11-26 23:07:32 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【96ページ】


大使    和さんが、ベロニカが『苦労』して描いたラベルと言っていたでしょ

      う?

ベロニカ  くろ・・・96年?

      ヴィンテージも判っていたのね?

      最後の挑戦をします!

大使    東京店のハウスワインの一つとして、ベロニカが選んだワインだそう

      です。


ベロニカは3本目のワインを開け、グラスに注いだ。


ベロニカ  このワイン名とヴィンテージは判るかしら?

和音    これは、すばらしいワインだ!

      しかしフランスワインではないですね?


和音は、さらに一口、口に含んだ。


和音    このワインを飲むと、ワイン生産者の新しい息吹や情熱を強く感じる

      気がする。

      これは、うわさのチリの最上級ワインで、新しいブランドのカヤオ

      ですね?

      ヴィンテージは2003年です。

ベロニカ  和さんには、完敗だわ!

      ナイトがもう一度対戦したい相手だと言っていたが、私も同じ気持ち

      になったわ!

   

3 セクシーソムリエベロニカ 95ページ目 

2009-11-25 20:55:16 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【95ページ】

 ベロニカは、ワインを覆っている紙を取り払って、ラベルを見せた。

そこには、かわいい絵が書かれていた。


大使    和さんが答えた通りだ!

      かわいい羊が2匹書かれている。そしてヴィンテージは書かれていな

 い。

      しかし、私には、キュートな羊が2匹いるだけにしか見えないが?

ベロニカ  大使、この羊を剥がすと下からオオカミが出てくるのです。
 
大使    ほんとうだ!

      羊の毛皮で身を隠していたオオカミだったのか?

      シャトー・ムートン・ロートシルトのムートンは羊を意味するので、

      当然ラベルには羊のデザインが多い。

      しかしオオカミのラベルは初めてだ!

      さあ、みんなでシャトー・ムートン・ロートシルトを飲みましょう。

ベロニカ  和さん、私の書いたラベルのヴィンテージではなく、このワインの

      本当のヴィンテージは?

大使    あっ!

ベロニカ  どうかされました?

大使    ベロニカ、和さんは、ヴィンテージをすでに答えているよ。

ベロニカ  いつ?

      どのようにして? 


3 セクシーソムリエベロニカ 94ページ目

2009-11-23 20:34:39 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【94ページ】

 ベロニカは2本目のワインを開け、ワイングラスに注いだ。


和音    とてもおいしいワインだ!

      さすが、ボルドーのメドック地区格付け1級のワインだ!

ベロニカ  今度は、和さんの誘導にひっかかりませんよ!

和音    ワイン名は、わかったのですが、さて誰の絵のラベルかが問題なので

      す。

大使    前回のナイトとのテイスティング対決では、私がラベルを張替え、

      見事和さんが、それを見破った!

ベロニカ  和さんは、透視できるの?

和音    いいえ、できませんよ。


 和音は、さらに一口飲んで、ワイングラスをじっと眺めた。


和音    このワインを飲むと、イメージの中に羊が二匹浮かんできました。

      おや、何か変だ!

      一匹の羊は怯えているように見え、もう一匹の羊には、殺気が感じ

      とれる。

      これは、芸術家の描いたラベルではなく、ベロニカが苦労して描いた

      ラベルでしょう?

      ヴィンテージは、書かれていないのでは?

大使    ベロニカ、ワインを覆っている紙を取り払って!

ベロニカ  はい。



※途中から記事を読ん方は、2009年3月1日からのの天才ソムリエナイトとの

記事を読んでいただくと関連性がわかります。