ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

掃愁箒(そうしゅうそう) 4-2

2012-09-30 19:36:54 | 30万冊の古本から見つけた豆本百話完
 即ち

掃愁箒(そうしゅうそう)=愁いを掃く箒(ほうき)

袪愁使者(きょしゅうししゃ)=愁いを去るお使い

忘憂=憂いを忘れる

煩悶将軍(はんもんしょうぐん)=はんもんを破る将軍

歓伯・来楽=共に憂いを去り楽しみに至るの意



 うれいをはらうといっても、いろいろな種類があります。

例えば勤王の志士であり、酒道の範ともいわれる藤田 東湖の場合は、

「双行浪々時を憂うるの涙、一片耿々国に報ゆるの心。

倘(もし)人間をして酒こうなからしめば、知らず何を以てか

胸襟を洗わん」


と、酒をもって憂国の胸襟を洗っていたのですが、
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掃愁箒(そうしゅうそう) 4-1

2012-09-28 22:57:35 | 30万冊の古本から見つけた豆本百話完
 豆本 酒の古典語典 酉の巻 第三十五話は掃愁箒(そうしゅうそう)です。 


 昭和のはじめの頃、一世を風びした歌に、古賀 政男の


 酒は涙かため息か

 心の憂さのすてどころ・・・・


というのがありました。


 かりに酒の功徳をならびたてるとしたら、

その中に「心の憂さの捨てどころ」的な功徳を入れないわけには

いきません。


 酒の異名の中にそんな意味のものが少なくありません。

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般若湯(はんにゃとう) 4-3

2012-09-27 23:22:47 | 30万冊の古本から見つけた豆本百話完
 どうです皆さん、酒即ち般若湯の功徳によって「一切の煩悩、執着をたちきり、

あるがままの真実な姿をつかむ悟りの智慧」を会得なさった経験がおありと

思うのですが?


 酒を「気狂い水」などとけぎらいなさる方がありましたら、ぜひこの稿を

読んでおいてもらいたいものです。


 しかし前後不覚になるまで酩酊なさる方が、「ホホウ!おれの酒は『出世間般若湯』

だわい!」と、うぬぼれてもらっても困ります。
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般若湯(はんにゃとう) 4-3

2012-09-26 23:08:20 | 30万冊の古本から見つけた豆本百話完
 しかもその智慧(ちえ)にもさらに区別があって、世俗的相対的な智慧を

「世間般若」といい、世俗を超えた絶対的な智慧を「出世間智慧」といいます。


 がらにない説教話になりましたが、酒はその般若の湯、すなわち智慧の湯、

しかも単なる智慧ではなく以上のようにまことに奥深い智慧の泉だというので

あります。


 してみると、般若湯とはお坊さんが内緒で酒を飲むための隠語とみるのは

皮相な見方と判りましょう。

私(著者)は「葷酒(くんしゅ)」はいかぬが「般若湯」は良いというところに

深い意味があると思うのです。


※皮相(ひそう)・・・物事の見方・考え方などが浅くて、じゅうぶんでないこと
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ワインバーでのひととき セカンド(改訂) 13ページ目 美しい切子のワイングラス

2012-09-25 23:13:37 | ワインバーでのひととき2改訂三話まで完
【13ページ】


 鯵元社長の専属ソムリエが2本のワインをテーブルに並べた。


「和さん、私の話はもうしばらく続きますので、先に次のワインを飲みませんか?」

「ええ」


 鯵元社長は2本のワインを手に持ち、和音にラベルを見せた。


「このワインは、どちらもレ・フォール・ド・ラトゥールです。」

「シャトー・ラトゥールのセカンドワインですね?」

「はい、ヴィンテージは1966年と2003年です。

和さんは、どちらを飲みたいですか?」


鯵元社長は、両方のワインを和音の目の前に突き出すようにしてヴィンテージを見せた。


「1966年は、レ・フォール・ド・ラトゥールの初ヴィンテージですね?

そして2003年は当り年のヴィンテージです。 どちらを選ぶか迷いますが、

1966年は希少なレ・フォール・ド・ラトゥールになるので、記念に取って置くべきでしょう」

「あはは・・・」


鯵元社長は、大きな声で笑った。


「レ・フォール・ド・ラトゥールは、少し軽めで、早く飲み頃を迎えるから、

和さんは、本当は1966年はおいしくないと言いたかったのでは?

では2003年を飲みましょう」


鯵元社長の専属ソムリエは、レ・フォール・ド・ラトゥール2003年を抜栓し、グラスに注いだ。


「和さん、どうぞ!」

「では、頂きます。」
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