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「特急列車の座席で隣り合わせた?」
和音が佐山社長に訊いた。
すると、ハイランズ・コーヒーを入れる準備していた桃子が答えた。
「私は、特急列車で売り子をしていたのです。」
「そう、売り子をしていた彼女にコーヒーを注文したのが初めての出会いです。
紙コップに入れられたコーヒーだったのですが、マイセンのコーヒーカップに
我が社の最高級コーヒーを入れたものにも負けず劣らずおいしかったのです。」
「それは旅行中だったからだと思います。
旅行中に食べる駅弁はおいしいが、スーパーの駅弁セールの駅弁を家で食べると
あれ?と思うほどおいしく感じられないわ!」
和音は、うなずきながら話を聞いている。
そして20年熟成のポートワインを一口飲んで、佐山社長の話の続きを待った。
「それからは、勝浦からの帰りは、彼女に出会った同じ時刻の列車に乗ることに
したのです。いつもコーヒーを注文して顔見知りになったある日、彼女はおいしい
コーヒーを入れるだけではなく、コーヒーのテイスティング力に優れているのに
気付いたのです。」
ここまで話すと、佐山社長もポートワインを一口飲んで一息ついた。
「そこで、彼女を我が社の社員にスカウトし、最初は品質管理部でテイスティング力を磨き、
その後、秘書室へ配属したのです。」
「荒川さんのコーヒーを飲みたくなった?」
和音が笑いながら訊いた。
「まさにその通り!」
「特急列車の座席で隣り合わせた?」
和音が佐山社長に訊いた。
すると、ハイランズ・コーヒーを入れる準備していた桃子が答えた。
「私は、特急列車で売り子をしていたのです。」
「そう、売り子をしていた彼女にコーヒーを注文したのが初めての出会いです。
紙コップに入れられたコーヒーだったのですが、マイセンのコーヒーカップに
我が社の最高級コーヒーを入れたものにも負けず劣らずおいしかったのです。」
「それは旅行中だったからだと思います。
旅行中に食べる駅弁はおいしいが、スーパーの駅弁セールの駅弁を家で食べると
あれ?と思うほどおいしく感じられないわ!」
和音は、うなずきながら話を聞いている。
そして20年熟成のポートワインを一口飲んで、佐山社長の話の続きを待った。
「それからは、勝浦からの帰りは、彼女に出会った同じ時刻の列車に乗ることに
したのです。いつもコーヒーを注文して顔見知りになったある日、彼女はおいしい
コーヒーを入れるだけではなく、コーヒーのテイスティング力に優れているのに
気付いたのです。」
ここまで話すと、佐山社長もポートワインを一口飲んで一息ついた。
「そこで、彼女を我が社の社員にスカウトし、最初は品質管理部でテイスティング力を磨き、
その後、秘書室へ配属したのです。」
「荒川さんのコーヒーを飲みたくなった?」
和音が笑いながら訊いた。
「まさにその通り!」