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「いえ、私の答えは1997年です。」
白庭社長は、またもや意表を突かれた。
和音の話していたイメージは、ヴィンテージとは全く関係なかったのだろうか?
「それでは最後のテイスティングをお願いします。」
和音は、左端のワイングラスを手に取り、香りを嗅ぎ、口に含んだ。
アロマもブーケも1997年のコルトン・シャルルマーニュのように思えた。
そして味覚は完璧に1997年であった。
「このワインには別のイメージが湧いてきました。」
和音は、飾られているコルトン・シャルルマーニュの香りを放つバラによって嗅覚が
狂わされているのに気付いていた。
ヴィンテージの迷いを悟られないようにイメージの話を続けた。
「シャルルマーニュ皇帝に褒められる上質の白ワインを造っている人々の姿のようです。
英雄が愛飲するにふさわしい超一流の白ワインを造り出すのは苦難だったでしょうか?
それとも苦労だったでしょうか?」
「そ、それは・・・」
白庭社長は、返事に詰まった。
答えるべきか答えないかどちらにしても和音にヒントを与えるように思った。
いや返答に迷ったことで、心の中を読み取られたか?
「私も苦難か苦労かで迷っているのですよ!」
和音はそう言って、ワイングラスのコルトン・シャルルマーニュをもう一口飲んだ。
「いえ、私の答えは1997年です。」
白庭社長は、またもや意表を突かれた。
和音の話していたイメージは、ヴィンテージとは全く関係なかったのだろうか?
「それでは最後のテイスティングをお願いします。」
和音は、左端のワイングラスを手に取り、香りを嗅ぎ、口に含んだ。
アロマもブーケも1997年のコルトン・シャルルマーニュのように思えた。
そして味覚は完璧に1997年であった。
「このワインには別のイメージが湧いてきました。」
和音は、飾られているコルトン・シャルルマーニュの香りを放つバラによって嗅覚が
狂わされているのに気付いていた。
ヴィンテージの迷いを悟られないようにイメージの話を続けた。
「シャルルマーニュ皇帝に褒められる上質の白ワインを造っている人々の姿のようです。
英雄が愛飲するにふさわしい超一流の白ワインを造り出すのは苦難だったでしょうか?
それとも苦労だったでしょうか?」
「そ、それは・・・」
白庭社長は、返事に詰まった。
答えるべきか答えないかどちらにしても和音にヒントを与えるように思った。
いや返答に迷ったことで、心の中を読み取られたか?
「私も苦難か苦労かで迷っているのですよ!」
和音はそう言って、ワイングラスのコルトン・シャルルマーニュをもう一口飲んだ。