ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ソムリエロボットの実力は?59ページ目

2009-04-08 23:35:30 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
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和音   私の子供の頃、夜寝る前父親から、年老いた漁師が、何日も不漁の

     末、びっくりするほど大きな魚が釣れたが、それがサメに食べられてし

     まう話をよく聞いていました。

     中学生になって、それがヘミングウェイの老人と海だったことを知りま   
     した。

     それを知ってから、ヘミングウェイの作品が好きになり、私もよく読み

     ました。 

博士   ところが、青年になり、文学よりもロボット工学に興味を持つように

     なったのです。

     その後、ロボットに関するアイデアはソファでくつろぎ片手にワインを

     持ちながら考えました。

和音   その時のワインがシャトー・マルゴーだったのですか?

博士   いえ、その時はカジュアルなワインを飲んでいました。

     ある時、ワインの雑誌を見ていると、ヘミングウェイの記事が載って

     いたのです。

     マルゴーを愛した彼は、孫娘に、マーゴと名付けたと書かれていまし

     た。

     少年時代に、彼の小説を夢中で読んだのを思い出し、ふとシャトー・

     マルゴーを飲んでみたくなったのです。



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