ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

5 フレンチの若き天才 5ページ目

2010-11-26 23:18:02 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
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 シェフの植村は、しばらくテイスティング対決用の料理を考えた。


シェフ   テイスティング対決用の料理が決まりました!

      ひとつは牛テールビーツ(赤かぶ)風味の赤ワイン煮込みです。

      二つ目は、豚スペアリブのプルーンと赤ワインの煮込みです。

      プルーンが味覚を狂わすポイントになります。

      最後は、子羊の香草ハーブ仕立ての赤ワイン煮込みにします。

社長    香草がポイントですか?

シェフ   そうです。

      これらとサン・テミリオンのワインとを絡ませるのですよ!  

社長    すると和音さんがテイスティングするサン・テミリオンのワインの味覚が

      知らない間に狂ってしまっている!

シェフ   ワイン会までの日数は?

社長    一ヵ月後です。

シェフ   ワイン会に使用するサン・テミリオンのワインを早く決めて、連絡ください!

      私は、テイスティング対決に使用するサン・テミリオンのワインと料理に

      使うワインを決めます。

社長    ワイン会の料理もお願いします。

シェフ   承知しました。 

社長    もう一本ワインを飲みたいなあ。

シェフ   ポートワインの20年ものはいかがですか?    

5 フレンチの若き天才 4ページ目

2010-11-25 22:46:56 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
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社長    モーツワルトとテイスティング対決に関係が?

シェフ   モーツワルトに音楽の対決を申し込んだ歌手がいたのです。

      彼は、「私は、どんな楽器にも音程が狂わされることがない!」と自慢して

      いたのです。

      それで、モーツワルトのピアノと彼の歌で勝負することになった。

社長    結果は?

シェフ   モーツワルトのピアノの演奏に、彼の音程はめちゃくちゃだったそうです。

      テイスティングに関しては、トップソムリエも敵わないとうわされる和音

      さんは、その歌手です。

社長    フレンチの若き天才はモーツワルト?

シェフ   私のフランス料理で、和音さんの味覚を狂わすのです。

社長    そのアイデアをお聞かせ下さい。

シェフ   社長のお気に入りのワインは?

社長    ボルドーのサン・テミリオン地区のワインが好きですね。

      特に気に入りは、シャトー・シュヴァル・ブランです。 

シェフ   ワイン会とテイスティング対決に使用するワインは、サン・テミリオン地区

      のものにしてください!

社長    私もそのつもりだった。

シェフ   私の料理もサン・テミリオンのワインを使用したものを用意します。

      私の料理は・・・・・・。      


         

5 フレンチの若き天才 3ページ目

2010-11-23 23:17:33 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
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社長    ソムリエの資格も取っているの?

シェフ   はい。

      資格だけで、お客様へのサーブはしません。

社長    ところで、和音 通の名前を聞いたことある?

シェフ   テイスティングにかけては、トップソムリエも敵わないとのうわさの人

      ですか?

社長    彼がそうだ。

      私は、ワイン通倶楽部に入っているのだが、メンバーの間で和音さんを

      プライベートワイン会に招待するのが流行っているのです。

シェフ   どうして?

社長    彼をプライベートワイン会に招待して、「おいしいワインだ!」と誉められる

      ことが自慢話になっているのです。
   
      さらにテイスティング対決を申し込むとメンバーから一目置かれる存在に

      なるのです。

シェフ   社長もテイスティング対決を申し込むのですね?

社長    ああ、相談というのは、そのことについてです。 

      テイスティング対決で和音さんに勝つ方法がないかと・・・。

シェフ   社長は、モーツワルトをご存知ですか?

社長    音楽家のだね?

シェフ   そうです。    

5 フレンチの若き天才 2ページ目 

2010-11-22 22:58:27 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
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社長    皿洗いはどれぐらいやったの?

シェフ   高校の3年間ですね。

社長    皿洗いの下積みが長かったのだね?

シェフ   アルバイトでしたから。

      しかし三ツ星レストランのソースの味をその時完全にマスターすることが

      できたのです。

社長    高校の後は大学に?

シェフ   いえ、料理の専門学校でフレンチの基礎とワインについて学びました。

社長    専門学校の時も三ツ星レストランでアルバイトをしていたの?

シェフ   ええ、でも皿洗いではなく、料理の材料の下準備係でした。

      高校を卒業前のある日、料理の下準備係の人が急病でお店を休んだのです。

      その日は、大勢のお客の予約が入っていて、下準備係の手が足らなかった。

      誰かできる人は聞かれたので、私にやらせてくださいと言ったのです。

社長    植村さんは、日本では父親と同等の腕前だったでしょう。

シェフ   はい。だから料理の下準備は誰よりも早かったですね。

      今の私があるのは、父親の教えと三ツ星レストランでの皿洗いと料理の下準備

      と専門学校での教えですね。

社長    専門学校を卒業すると、三ツ星レストランのシェフとして活躍されたのですね?

シェフ   はい、お陰さまで!

      その時ワインについてもより詳細に知ることができました。
       

4 イタリアワインの勉強 ⑦ 161ページ目 シリーズ4完結

2010-11-20 07:16:54 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
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良子    抽象的な絵だけど、心臓、鼻、口、耳が描かれているそうよ。

      そしてワインが・・・。

和音    人間の血だね?

良子    そうよ。

和音    マスター、三人で飲みましょう!


 マスターは、シャトー・ムートン・ロートシルト95年を抜栓し、3つのグラスに注いだ。


良子    とても濃い紫色ね?

      アロマは、カシスやトリュフを思わせるわ!     
     
      わー、おいしい!

和音    うまい!

マスター  すばらしいワインですね?


 三人は、シャトー・ムートン・ロートシルト95年を堪能した。


良子    明日お休みだから、家でゆっくり飲む?

和音    そうだね。

良子    イタリアワインを飲みたいわ。

和音    イタリアワインの王と女王とスーパートスカーナでいいね?

良子    ええ。

和音    マスター、ピエモンテのバローロとトスカーナのブルネッロ・ディ・

      モンタルチーノとスーパートスカーナのルーチェを持ち帰りします。

 
 和音と良子は、3本のワインを手に持って、店を出た。