ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき セカンド(改訂) 53ページ目 3本のコルトン・シャルルマーニュのトリック   

2013-02-27 22:34:49 | ワインバーでのひととき2改訂三話まで完
【53ページ】


 白庭社長の専属ソムリエの草木が、3本のワインを持って、居間に入って来た。


「白庭社長、やっと自信作が出来上がりました」

「それでは、早速テイスティングをさせてもらおう」


 草木は3本のワインをテーブルに置いた。

それらのワインはラベルを隠すように紙で覆われていた。


「白庭社長のお気に入りのコルトン・シャルルマーニュのヴィンテージを当ててください」

「私は毎日コルトン・シャルルマーニュを飲んでいるのだよ。ヴィンテージを当てるだけなら

トップソムリエよりも自信がある」

「社長のプライベートワイン会に和音さんを招待して、テイスティング対決を挑むのでしたね?」

「そうだ!」


白庭社長が頷いた。


「テイスティング対決にかけては、トップソムリエも敵わいとのうわさのある和音さんを

負かすには、社長の味覚をも狂わす出来栄えでないといけませんね?」

「うん!」

「それでは、1本目のワインを開けさせていただきます。」


草木は3本のワインの中から1本を取り出した。


「ブルゴーニュには赤ワインだけではなく、白ワインも有名なグラン・ヴァンが数多くあるよね?」

「はい」

「私はそれらの中でもコルトン・シャルルマーニュが一番のお気に入りだ!」

「私は、モンラッシェやムルソーやシャブリも好きで、社長のように絞りきれません」

「ソムリエとしては当然のことだと思う」

ワインバーでのひととき セカンド(改訂) 52ページ目 3本のコルトン・シャルルマーニュのトリック   

2013-02-26 22:36:28 | ワインバーでのひととき2改訂三話まで完
【52ページ】


 大木副社長は、もう一つのバラの鉢を指さした。


「今までにない香りを持ったバラというのはあれです!」

「花の形は、ウェディングホワイトローズと一緒だね?」

「ええ、同じ遺伝子を持っている苗木を数年前から育てていたものですから。

ところが数あるそれらの苗木の中で、あの鉢の苗木だけ突然変異を起こしたようです。」

「オールドローズのような芳香ではないのですね?」

「ええ、ぜひ香りを嗅いでみてください!」


 白庭社長は、そのバラの鉢に近づき、香りを嗅いだ。


「複雑な香りだね? カリン、オレンジ、白桃などの香りを感じることができる。」


 白庭社長はさらに鼻を白いバラに近づけた。


「ハーブの匂いもする! それにミネラル、ハチミツ、バニラなど・・・・おや?」


 白庭社長は、その後黙り込んでしまった。


「これは、ワインの香り、それも最近よく飲んでいるコルトン・シャルルマーニュの香りに

そっくりだ!」と白庭社長は心の中で呟く。


「白庭社長、どうかされましたか?」

「いや!この白いバラは複雑な香りだが、一言で言ったら何の香りに近いと思う?」

「ワインでは?」

「私もそう思ったのだ!そして市場性があるかどうか考えていたのだよ」

「販売はどうされますか?」

「NO、しかしウェディングホワイトローズ ワインアロマとして品種登録して、品種保存してください」

ワインバーでのひととき セカンド(改訂) 51ページ目 3本のコルトン・シャルルマーニュのトリック   

2013-02-25 22:59:23 | ワインバーでのひととき2改訂三話まで完
【51ページ】


 白庭社長も、一度和音とのテイスティング対決に挑みたいと考え始め出した頃、

シャルルマーニュ皇帝になると宣言して半年が経った頃に、白庭園芸の大木副社長

から電話があった。


 白庭社長は、白庭フーズと白庭園芸の社長を兼務しているが、子会社の白庭園芸の

経営については、大木副社長に任せている。


 彼からの電話というのは、ウェディングホワイトブランドの第一号候補の作出の成功と

研究の失敗作として、今までにない香の花ができたという内容であった。


 白庭社長はスケジュールを調整して、翌日白庭園芸に向かった。

そこで、大木副社長から紹介された白い花はバラであった。

白バラの花は剣弁咲きで、現代バラの気品のある美しい形をしている。

その花びらは、まるでシルクのように光沢がある。

さらに白バラには、オールドローズのように芳香があった。


「すばらしい白バラだ!」

「ウェディングホワイトの第一号にしてもよろしいでしょうか?」


 大木副社長が了承を求めた。


「ウェディングホワイトローズでの販売を認可します。」

「ありがとうございます。」

「予想以上のスピードで頑張ってくれているね!」

「親会社に長くご迷惑をかけるわけにはいけませんから」

「これは記念すべき第一号だ! 社員皆で、お祝いのパーティーをぜひ開いてください」

「はい、皆、喜ぶと思います!」

ワインバーでのひととき セカンド(改訂) 50ページ目 3本のコルトン・シャルルマーニュのトリック   

2013-02-24 22:23:10 | ワインバーでのひととき2改訂三話まで完
【50ページ】


 白庭社長はシャルルマーニュ皇帝になると宣言した。

シャルルマーニュ皇帝は、怒って赤ワインを造ることを許さず、すべて白ワインにした。

しかし、白庭社長は彼を辱めるうわさに怒ることなく、夢枕の先祖のお告げということに

して、赤色の花等の色鮮やかな花の作出、販売を止め、すべて白花にした。


 それによって、彼を辱める噂を否定することなく、消すことができたのである。

噂を否定すればするほど、より面白おかしく、さらに大きく広がる場合もある。


 白庭社長はワイン通倶楽部に入っている。

彼はワイン通倶楽部の仲間からは、シャンベルタン通として知られていた。

彼が、シャンベルタンがお気に入りになった理由は、尊敬するナポレオンが愛飲した

と伝えられるワインだからである。 


 しかし、白庭社長はシャルルマーニュ皇帝になると宣言したのである。

シャルルマーニュ皇帝の命令によって、彼のブドウ畑から超一流の白ワインが

造られるようになり、彼はそのワインを愛飲した。

シャルルマーニュ皇帝になった白庭社長は、赤ワインを飲むのを一切止めた。 

勿論お気に入りだったシャンベルタンも。

彼の新しいお気に入りワインはコルトン・シャルルマーニュになった。


 ある日、白庭社長はワイン通倶楽部の仲間から和音とのテイスティング対決の

自慢話を聞かされた。

その後、ワイン通メンバー間で、和音とのテイスティング対決がステータスシンボル

になって行った。
 

スミレの育て方2月 スミレの種蒔き コモロスミレと明神スミレの種蒔き 

2013-02-24 20:10:48 | スミレの月別育て方
 今日、昨年採取していたコモロスミレと明神スミレの種蒔きをしました。


 茶パックに採取していた種と種蒔き用のポットを用意します。

そしてポットには名札を付けました。

ポットに水をかけて、土を湿らせます。

茶パックから種を取り出し、ポットの土の上に蒔きました。







 明神スミレの種は多いので、ポットを二つ用意しました。






 
 こぼれ種子から発芽したスミレを育てた経験はありますが、種蒔きから発芽させるのは

初めてです。