ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

4 新型ロボットソムリエ 145ページ目

2010-09-27 22:51:54 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【145ページ】


博士の専属ソムリエと新型ロボットソムリエがワインを運んで来た。


和音    こちらの女性は、博士の新しいソムリエですか?

博士    久美、ちょっとこちらへ来て!

久美    はい!

博士    和音さんに、挨拶して!

久美    始めまして!

      久美と申します。よろしくお願い致します。

和音    和音です。

      今日は、ワインのサービスをしてくれるのですか?

久美    二つあるモンラッシェ村の五つの特級畑のワインを用意しています。

      どうか楽しんでください!

和音    ありがとう。


新型ロボットソムリエの久美は、料理を運びに戻った。


和音    綺麗な方ですね?

博士    和さん、気付かなかった?

和音    何ですか?

博士    彼女はロボットなのだよ。

和音    本当ですか?

博士    ロボットソムリエ2号で、和さんのアドバイスを取り入れて、改良していま

      す。

      今持っているワインのデータから、推測することができるのです。


4 新型ロボットソムリエ 144ページ目 

2010-09-24 21:05:07 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【144ページ】


専属ソムリエ   久美さんについて?

博士       久美には、ソムリエとしての基本動作はインプットしている!

         和さんとのプライベートワイン会までに、ソムリエとしての応用力を

         つけてもらいたいのだよ。

専属ソムリエ   どのようにして教えるのですか?

博士       正しい動作の時は、「グッド!」と言えばいいのだよ!

専属ソムリエ   誤った動作の時は?

博士       「バッド」と言い、手にとって、実際の正しい動作を教え、「リピー

          ト」と言って、正しい動作を覚えこませてほしいのです。

専属ソムリエ   学習能力があるのですね?

博士       そうだ!

         ワイン会まで二ヶ月あるので、しっかり頼むよ!

専属ソムリエ   人間のソムリエと見間違えるほど、スムーズな動きにしてみせます。

博士       ああ、よろしく!


 2ヵ月後、博士のプライベートワイン会が開催された。


博士       和さん、いらっしゃい!

和音       お久しぶりです。

         今夜は、ブルゴーニュの最高峰を楽しむワイン会だそうですね?

博士       和さんに「おいしい!」と言ってもらえると嬉しいのですが。

和音       とても楽しみだなあ。 

4 新型ロボットソムリエ 143ページ目

2010-09-21 23:22:53 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【143ページ】


博士      テイスティング対決に使用するのは、ブルゴーニュのワインを考えている

        のだよ。

専属ソムリエ  シャルドネそれともピノ・ノワール?

博士      両方! 

        シャルドネを3本、ピノ・ノワールを3本使う予定だ!

専属ソムリエ  勝負は2回?

博士      ああ、シャルドネ対決とピノ・ノワール対決を考えている。

        そして対決は、それらのワインの村名当てる内容とする。

専属ソムリエ  私への頼みとは?

博士      ブルゴーニュのシャルドネ3本とブルゴーニュ3本を選んでもらいたい。

専属ソムリエ  値段は?

博士      高いワインでも安いワインでもいいが、それぞれの3本の判別が難しい

        ワインを選んでほしいのだ!

専属ソムリエ  3本の中に同じワイン名のワインを2本以上入れてもいいのですか?

博士      もちろん!

専属ソムリエ  選んだワインを事前にロボットソムリエにテイスティングさせますか?

博士      いいや、和さんと久美は同条件で勝負させたいのだ。

専属ソムリエ  承知しました。

        それでもうひとつの頼みとは?

博士      久美についてのことだよ。

4 新型ロボットソムリエ 142ページ

2010-09-20 06:46:36 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【142ページ】


博士      おかしい!

専属ソムリエ  このワインは、酸化防止剤無添加の有機ワインですよ!

        新型ロボットが間違った?

博士      いや久美には、高性能分析検査器以上の能力持たせているのだよ。

専属ソムリエ  するとこのワインのラベルに偽りが?

博士      表示の偽装問題はよくあることだからね!

専属ソムリエ  ニュースでよく見聞きしますが、ワインまでも・・・・・。

博士      意図的かどうかは別にして、有機ワインというのは偽りだったようだね?

専属ソムリエ  有機ブドウジュースを仕入れたはずが、有機ブドウジュースでなかった!

博士      その可能性もあるね。

専属ソムリエ  ブドウ畑の隣の農薬が付着した?

博士      その可能性もある。

        この問題は別にして、久美のテイスティング能力はどうだね?

専属ソムリエ  飲んだことのないワインでも推測できるとは驚きです。

        トップソムリエ以上のテイスティング力だと保証します。 

博士      和さんもそううわさされているが、互角の勝負をできるかな?

専属ソムリエ  必ずできますよ!

博士      2ヵ月後に、プライベートワイン会を開き、和さんを招待している。

        そこで、頼みが二つあるのだが。

専属ソムリエ  何でしょうか?

                

     

4 新型ロボットソムリエ 141ページ目

2010-09-16 01:04:10 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【141ページ】


専属ソムリエ 私が注ぎましょうか?

博士     久美に手本を見せてやってください。

       彼女は、ソムリエの基本動作をマスターしているが、手本を見ることによっ

       て、さらに学習する能力を持っているのです。


博士の専属ソムリエは、ワインをグラスに注いだ。


博士     久美、このワインをテイスティングしてみて。

久美     はい、博士。

       これは、初めて飲むワインです。

博士     どのようなタイプのワインかね?

久美     色から判断して赤ワインです。

       やや甘口タイプのライトボディです。

博士     他に判ることは?

久美     国産のメーカーが作るテーブルワインだと思います。

       輸入のブドウ果汁を使用しています。

博士     酸化防止剤無添加ワイン?

久美     はい、亜硫酸塩が検出されません。

       しかし有機ワインではありません。

博士     どうして有機ワインではないと判るの?

久美     人体にまったく影響のない極めて微量の農薬が検出されました。

専属ソムリエ あっ、博士!