「僕は勝つよ」
いつものかわいい顔がりりしい表情に変わり、
この日を待ってたぜ。と言わんばかりのやる気で始まった。
勝ち逃げ…と
次のパフォーマンスに乗り換えていく気満々の両親とは違い、
勝負の、しかも勝利の喜びを知ってしまった少年の
レースへの執着に感心させられ再エントリー。
2歳クラスで一番お兄さんだった3月とは違い、
3歳クラスではとびきりちびっこの岳。
最近のストライダー熱もあって、気まぐれで参加するには
色々と準備不足も目立つ。
フルノーマルのレーサーは…探すだけでも一苦労。
マシン担当のご主人も苦笑いするほどの差が…
天狗になっても意味ないし、
負けてやる気がなくなるような、そんな男じゃないはずだ!
というわけで、今日も5人で挑んできました。
試走の段階で「…みんな3歳?」
「走っても…勝てない…」
男の子にはもちろん、女の子にも勝てない現実。
暑くてなんだかぼーっとしてくるし、
眉毛はどんどんハの字になってきた。
それでも今日の優勝候補のあとを走って、
「あの子はこう走ってた。こうすればいいの?」と聞いてくる。
3人育てても、きっとあと何十人育てても驚く個性の魅力。
お姉ちゃんたちと比べてどうこうじゃなくて、
岳には真似て育っていく力がある。
これだけでも参加してよかったと思えるんだな~
それでも頑張って初戦2位!
準決勝3位!!
…そして決勝戦は最下位でした。
「僕、ぼく……」
私たち4人は全力で挑んだ岳に拍手喝采。
圧倒的に負けても最後までちゃんと走りきった姿に感動。
でも、もちろん本人は悲しかった。悔しかった。
すごいね、ほんとにすごい。
次をどうするかはまだ何にも言ってこないし聞いてない。
とりあえずご主人とじっくり相談だね。
勝ったあの日より、かっこよかったよ。
またいっぱい身体動かして何かに挑戦しよう!