清純blog

本門佛立宗 常住寺住職・高野清純のブログ

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お線香・おせんこう

2015年07月29日 | 学び ・ すすめ

当時、お導師ご健在の時代は、朝・5時55分ころ、朝参詣が始まる直前にお線香をお立てしていました。

ボクがお線香をたてると必ずお導師がおこります。

「お線香が曲がってる!」

御前机(おんまえ・づくえ)をはさんで、お導師は御乗台(ご・じょう・だい)にお座りで

まっすぐにお線香と御宝前を拝されていらっしゃる。

ボクは、内陣から御乗台にむかって立ち、お線香をおたてするんです。

 どこが曲がってるんだろう。まっすぐじゃないか。。。

こんな風に、いつも心の中でつぶやきながら、しかたなく、

まっすぐなお線香をわざわざ、斜めになるように立てていたのを思い出します。


お導師がご遷化になられ、やがてボクが御乗台に座らせていただくようになりました。

お線香は自分でお立てしてから、御乗台にすわります。

御乗台に座ってからお線香をながめると、まっすぐ立てたハズのが、曲がっています。

(/・ω・)/


見る角度によって、こんなにも違って見えるもんなんだ~。

そう気づいたのは、お導師をお見送りしたずっとあと。。。

当時のボクは、生意気にも憤然とした態度でお線香を立てていました。

だって、曲がって見えるんですもの。。。


お線香の話しは、仙台のお導師が切り出された話題でした。

ボクの話しを聞かれてコメントされたんじゃありません。

仙台のお導師はそういうことを、よくご承知でした。

「みんなそんなもんなんだよ。」

「御乗台に座って初めて気づくことって多いだろ。」

ご自身も少なからずご経験遊ばされたということか、言い得て妙なお言葉にこころ引かれたものです。


いま、チビどもも理不尽に叱られていると思っていることでしょう。

でも修行です。乗り越えて、立派なお教務さんになってほしいと切に願います。


 仙台のお導師は、ニコニコしながら、お線香をまっすぐ立てる定規を下さいました。

お手製みたいです。

プラスチック製で、T字型の定規です。

香炉に載せて、タテのラインにお線香を合わせる。シンプルですが、まっすぐ立ちます。

わざわざこしらえたのも、新発意(しん・ぼっ・ち。出家したばかりの僧侶を指します。)のころからの、

お師匠に対するお給仕の思いや、継承したあとに、同じようにお寺をしっかりとお護りしなくちゃという思い、

1人で二役するときの寂しさなど、いろんな感情が込められているのだと思ったのです。

強面のお導師ですが、ぐっと距離が近くなったように感じました。


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