『SROⅡ 死の天使』 富樫倫太郎

2011年07月11日 19時35分53秒 | 読書
2作目も面白い



「強く死を願う患者の前に現れて、その願いを叶えてくれる―栃木県・下野東方病院関係者の間でささやかれる「死の天使」の噂。担当患者が亡くなった責任を取らされ、退職を強要された看護師からの投書を調べるうちに、新九郎たちSROは奇妙なことに気付く。新時代警察小説、待望のシリーズ第二弾。文庫書き下ろし。 」(BOOKデータベースより)

以前紹介した本の続編です。
主人公たちは前作と同様、警視庁広域捜査専任特別調査室、通称SROの面々です。
違うのは前回大けがを負った木戸は今回は名前だけの登場です。
前回は主役級の活躍でしたからね。今回はお役御免といったところ?

前回の捜査によって雑誌にも報じられた結果、捜査願いが多数寄せられます。
他方、違法捜査を行ったことにより部長から大目玉を食らい、外出禁止を食らってしまっています。

この状況で、一般人からの投書を読み漁っているうちに怪しいと気付き・・・

ただ、前回とは違ってなかなか外に出ることができません。
副室長の麗子得意のマザーによって捜査を進めます。


前回同様、割と早い段階で犯人がだれかわかります。
そこがストーリーのメインじゃないからね。

どうその犯人に迫っていくのか。
数少ないチャンスをものにするSRO。
最後は少し性急な感じもしますが、それを含め楽しい作品でした!

★★★☆☆

『シューカツ!』 石田衣良

2011年07月11日 19時26分35秒 | 石田衣良
久しぶりの石田先生のIWGP以外を読みました


「大学3年生の水越千晴は学内の仲間と「シューカツプロジェクトチーム」を結成。目標は最難関マスコミ全員合格!クールなリーダー、美貌の準ミスキャンパス、理論派メガネ男子、体育会柔道部、テニスサークル副部長、ぽっちゃり型の女性誌編集志望と個性豊かなメンバーの、闘いと挫折と恋の行方。直球の青春小説。」(bookデータベースより)


タイトル通り、就職活動をテーマに主人公たちの成長を描くストーリーといえばそのもの。
筆者の作風からすると、現代社会を鋭く切り取ったいい題材だと思います。

読んでから少し時間が経ってしまったからちょっとホットな情報じゃないのが申し訳ないんだけど。
面接を受けるたび、試験を受けるたび、落ちるたび、そして受かることによってどんどん主人公が成長していくのが見えます。

そして、頑張ってる主人公たちを見て読者もあのころを思い出して、苦い思い出や楽しい思い出に浸ること間違いなし。
そんな浸ってる間にもストーリーはテンポよく進んでいって、ちゃんちゃん。

歯切れのいい文章、現代の問題を直視して切り取る技術、ストーリーの面白さ。

さすが石田衣良って感じの作品でした。

★★★☆☆