『図書館戦争』 有川浩

2011年07月26日 19時45分33秒 | 有川浩
やっぱり有川ワールド。甘酸っぱい恋がしたくなる。



「2019年(正化31年)。公序良俗を乱す表現を取り締まる『メディア良化法』が成立して30年。高校時代に出会った、図書隊員を名乗る“王子様”の姿を追い求め、行き過ぎた検閲から本を守るための組織・図書隊に入隊した、一人の女の子がいた。名は笠原郁。不器用ながらも、愚直に頑張るその情熱が認められ、エリート部隊・図書特殊部隊に配属されることになったが…!?番外編も収録した本と恋の極上エンタテインメント、スタート。」(「BOOK」データベースより)


主人公は笠原郁。

そして、その直属の上司である堂上篤。

ふたりの周りには個性豊かな仲間たち。


物語は冒頭から訓練のシーン。有川ワールドはなんといっても、ありえない世界でのあり得る話。今回のありえない世界はこの図書館を守る『図書隊』。

ありえない世界が中途半端な作り込みであったなら、すぐ読者は冷めちゃうよね。その辺、有川の設定の妙。

この設定になれるまでにはちょっと手間取ったけど、難しい話はおいといて大筋を理解できたならもう有川ワールドにのめり込んでるんだと思う。


有川ワールドのすごさは、このありえない世界なのに、登場人物はみんな今をいきる等身大の人間そのもので、徹底的な嘘、つまり図書隊以外すべてがかなりのリアリティーで書かれている点。



正直のところ、郁の王子様が誰かなんて、だれでもすぐわかる。作者もそんなことわかってて隠してる。

でも、強がってる郁や王子様(あえて名前は伏せる)が見せる、人間的な、脆い感情、そして恋心。




また、まんまと有川浩にやられてしまいました。


ちょっと設定が難しかった点から、


★★★☆☆