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雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

オバマ大統領広島演説(2)

2016-06-24 06:00:00 | 風の行方・原発

オバマ大統領広島演説(2)
               (風の行方№41)

 1945年8月6日の朝の記憶を薄れさせてはなりません。…(略)…
あの運命の日以来、私たちは希望をもたらす選択をしてきました。
米国と日本は同盟だけでなく、私たちの市民に戦争を通じて得られるよりも、
はるかに多くのものをもたらす友情を築きました。

 もっぱら、同盟国であることを訴え、
(平和を維持するための)
多くのものをもたらす友情を築きました。
核の傘の元、敗戦の混乱から急速に立ち直り、
経済大国として成長した我が国にとっては、
同盟国米国との安全保障条約は問題も沢山ありますが、
同盟国であるメリットは計り知れないほど大きなものがあったのでしょう。

 極東の平和を保つ代わりに、米国は極東のリーダーシップを手にし、
世界のリーダーシップも手に入れようとしたから、
旧ソ連との冷戦時代を招いたのかもしれません。

 オバマ氏の広島演説に対して中国政府の態度は冷淡だった。
核弾頭を増やし続ける中国にとって、
「核なき世界」「核廃絶」を詠うオバマ氏の演説は
何処か絵空事に映ったのかもしれない。
 しかも、同盟強化につながる日米の関係は、
中国にとって好ましいことではないのだろう。

 私たちは、人間の悪をなす能力をなくすことはできないかもしれません。
だからこそ、国家や私たちが作り上げた同盟は、自衛の手段を持たなければなりません。
しかし、私の国のように核を保有する国々は、恐怖の論理にとらわれず、
核兵器なき世界を追求する勇気を持たなければなりません。

 こんなところにも中国と過剰反応しているのかもしれません。
演説は最後に次のように結んでいます。

 広島と長崎が「核戦争の夜明け」ではなく、
私たちが道徳的に目覚めることの始まりとして知られる未来なのです。

 (解りずらい翻訳ですが、「核のない世界」「核廃絶」へ向かうためのスタートラインとして
広島・長崎の悲劇をとらえていく、という意味なのでしょう)
 2009年5月6日のプラハ演説で、「核なき世界の平和」を詠い、
ノーベル平和賞を受賞したオバマ氏が、広島で訴えた内容は
受賞者としての責務に満ちたものだったが、
被爆国日本にとっては、原爆投下を実行した米国大統領が、
広島で「核なき世界」の平和を詠ったところに
訪問の意義を認めるが、終始主語ぬきの演説内容に、
私は少し物足りなさを感じた。

 どこにでもわけのわからない人物はいますが、
ドラえもんに登場するジャイアンみたいな「トランプ氏」は、
広島訪問について、
「大統領は日本滞在中にパールハーバーの奇襲について議論したのか? 何千人もの命が失われた」
とツイッターに投降したが、このような発言は、議論の蒸し返し以外の何物でもなく、不毛の論理である。

「原爆投下に対して謝罪しろ」という意見は思慮のないジャイアンの意見である。
「日本原水爆被害者団体協議会」の定期総会でオバマ氏の広島訪問は不十分として、
再訪を求める方針を採択した。
「『空から死が降ってきた』と、自然現象のような言葉で、アメリカの責任を回避するような表現だった。
大塔利用のとしての責任は一切語らなかった」と批判し、「オバマ氏」の資料館見学や被曝者との会話は短時間だった。、改めてきてほしい」と事務局長は総会の後の記者会見で語った。

 全ての人間を満足させるような言動など、所詮無理な話だ。

最後に朝日歌壇の鬼形輝雄氏(安中市)の歌を挙げて終りとします。

 被曝者を抱きよせ背中をさする指
          オバマ氏の指
にんげんのゆび
                            (2016.6.23記)