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雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

児童虐待 警察庁発表の統計から考える。

2019-04-01 17:30:00 | 昨日の風 今日の風

児童虐待 警察庁発表から考える
     社会の歯車が軋(きしみ)を立てて不協和音を奏でている
 
 警察庁発表によれば、
虐待によって命の危険など、
緊急の対応が必要とされ警察が保護した18歳未満の子どもは
4,571人に上った。

 (朝日新聞・2019.3.15)
 図を参考に見て欲しい。

 警察に緊急保護された子ども
  統計を取りはじめた2012年……1611人から右肩上がりに増え続けている。
    2014年(2034人)→2015年(2024人)
            2016年(3521人)→2017年(3838人)
                         2018年(4571人)
   統計を取りはじめた2012年から毎年増え続け、昨年は2.8倍に増加した。

 
 虐待の疑いがあるとして警察が児相に通告した子ども(通告児童数)

    統計取りはじめ2006年(1703人) 通告児童の数も右肩上がりで増加。 
        2010年(9038人)→2015年(37020人)
                 2017年(65431人)
                 2018年(80252人)
        2010年の通告件数から比較すると実に47倍の増加率です。
                       過去最多のありがたくない記録です。
 
 最後に虐待死の件数を見てみましょう。
 警察庁発表の虐待による死亡児童の数を掲載します。
   2003年(103人)→2004年(100人)→2005年(83人)→2006年(111人)→
   2007年(90人)→  2008年(98人)→  2009年(75人)→2010年(67人)→                              2011年(72人)→   2012年(78人)→  2013年(62人)→2014年(53人)→
        2015年(58人)→   2016年(67人)→  2017年(58人)→2018年(36人)
     2018年の虐待により死亡した児童36人の内訳
       無理心中…… 8人
       出産直後…… 6人
       上記以外…… 22人(一般的に表現されている虐待による死亡)
     ピーク時の103人と比較すれば死亡人数は三分の一近くに減少しています。
     36人の虐待児童が多いのか少ないのかは考え方の違いによります。
     私は、36人もいると考えます。

  前述したように通告児童数が80,252人もいるのです。
  2010年から統計が始まり、年々増加し実に47倍にもなった現実があります。
  この80,252人のうち4571人が保護され、1394人が児童虐待事件で被害に遭った
  子どもたちです。
   
   警察庁は事件が増えた理由を
   「社会の関心が高まり、情報提供が増えている中で徹底した捜査を進めているため」
   とみているようですが、
   どの数字を見ても過去最高の記録になっています。
   たまたま表面に現れた36人の虐待死亡事件ですが、
   潜在的に虐待の恐れのある児童が4571人も存在するということです。

   すべての統計項目が右肩上がりに増加の傾向にあるのは、
   ただ単に「一般的な関心の高まり」や「情報提供の増加」と考えるのは
   短絡的で安易な考え方だと思います。

   冒頭で示したように、社会の歯車が軋(きしみ)を立てて不協和音を奏でているように
   思えてなりません。
   経済優先を掲げてきた社会構造のひずみが、
   社会的弱者や繁栄の路線からはじき出された人たちに
   襲いかかっているように思うのは、私の取り越し苦労なのでしょうか。
   
   いつの世でも最初に傷つき、痛い思いをするのは弱者なのですから……。

  (2019.4.1)       (昨日の風 今日の風№93)
  
             
                                    
                                                                                                                                 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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繁栄の次に来るものは

2019-02-10 17:30:00 | 昨日の風 今日の風

繁栄の次に来るものは… 
地球が汚染されていく
  
   限られた地球資源を有効に利用しなければ、

 やがて資源は枯渇し、私たちが築いてきた社会は崩壊してしまう。
 特に、エネルギー政策をおろそかにすれば、
 経済は混乱し、国家の存続さえ脅かされてしまう。

 エネルギ問題を解決できず、崩壊してしまった国家や文明は多々あります。

 最初のエネルギーは、石で作った鏃(やじり)や石斧だった。
 獲物を捕らえ、調理するための道具であり、人間生活の便利度が飛躍的に発展した。
 特に、火の利用は、ヒトの生活を以前とは比べ物にならないほど、発展させた。
 前期旧石器時代、約150万年前の地層から私たちはその痕跡を見つけることができる。
 更に時代が下がって、中期旧石器時代にはネアンデルタール人が登場し、
 
火を使用した炉の痕跡も発見されている。
 約4万7600年前のことである。


 エネルギーの功罪

 
エネルギーは人間社会にたくさんの文明の恩恵をもたらしたが、
 一方では貧富の差を拡大していった。
 富める者はエネルギーをより多く獲得し、貧者はエネルギー確保の道具になってしまう。

 近代社会を迎え、火の持つエネルギーを熱に変換するする技術の発明発展は、
 人間社会の利便性を飛躍的に拡大していった。
 
 やがて、便利で快適な生活の果てに、
 私たちは公害問題に直面する。

 エネルギー政策をおろそかにした結果のツケが、
 公害問題の毒牙が私たちの健康を蝕み始めた。
 足尾鉱毒事件 水俣病 四日市公害 など私たちの生活環境は
 山も海も川も大気も汚染された。
 環境破壊はやがて地球温暖化や異常気象問題等地球規模で広がり始めている。

高みに達した私たちの社会が次に迎えるものは

   繁栄が高みに達すれば、やがて衰退が始まり
 文明社会のほころびが、大きな口をあけて待っている。
 目に見えずらい歪みは、人間の心の在り方に変化を及ぼすでしょう。

 戦争、難民を作り出してしまう国家の存在、影を潜めていた大国間の冷戦の火種がまた煙を上げ始めている。
 経済大国にのし上がりロシアとアメリカの間ですきを窺う中国。
 自国第一主義が蔓延していけば、世界の秩序は乱れ、平和は遠ざかっていきます。
 私たちが第二次世界大戦の教訓から作り上げて来た協調と平和の礎が
 今、とても脆くなっているように思います。 

 度重なる政治家や官僚の不祥事に始まり、
 社会的影響力を持った企業の不祥事等々社会の歯車がどこかで狂い始めているような気がしてなりません。


 子どもの社会も決して安心できるものではありません。
 児童虐待 いじめ 指導死など、局面する危機に、子どもたちが信用して相談できる機関や
 人間関係が希薄になってきているようです。
 
 子どもは私たちが築いてきた社会を受け継ぎ、
 住みよい社会を作る構成員として成長していけなければ
 未来社会に希望を見出すことはできません。

 今一番必要とし、やらなければいけないことは
 子どもたちが「健全育成」出来るような社会の仕組みやルールを作ることだと思います。
 こういうことを真剣に考え、行動している人が沢山いることも事実です。
 しかし、現実には我が子第一主義、我が家第一主義の若いお母さんたちが増えているような気がします。
 こうした人たちのDNAを受け継いで育った子どもたちはどんな大人になっていくのでしょう。

 高齢者問題も大きな憂慮すべき問題です。
 働く機会があれば、死ぬまで働かなければならない人も大勢存在する反面、
 今まで一生懸命働いてきたのだからそのご褒美として、今後はただただ老後を楽しく豊かに過ごしたい。
 と思う人も少なくはありません。
 そういう考え方を、悪いとは言いませんが、何の躊躇もなく受け入れるには抵抗があります。
 
 老後の生活環境が決して豊かで安心して過ごせる環境でないことは誰もが知っていることなのですが、
 私たちは、目をふさぎ、耳をふさいで自分を取りまく現実から逃げている場合も少なくありません。

 今と言う時代を生きるために、
 私たちは近未来社会を人任せにするのではなく、
 可能な限りは、自分の心で感じ、目で確かめて行動していかなければ
 好い社会の実現は難しくなるのではないでしょうか。

 狭い水槽の中で生きる金魚や、
 庭の餌箱に集う雀の群れになってはいけないと思います。
 
 昨夜降ったわずかばかりの雪が
 陽の光にさらされて溶けていきます。

 火の利用を知った人類には、火の周りで寛ぎ
 少ない言葉で語り合った、厳しい自然の中で共に生きる
 共生の時間があったはずです。
 希薄になっていく現代社会の中で、
 私たちは私たちの祖先が築いてきた豊かな精神世界を
 振り返ってみる必要があるのかもしれません。
                     (2019.2.10)      (昨日の風 今日の風№92)




















 
 
 

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引退もまた一つの花道 吉田沙保里

2019-01-13 17:24:37 | 昨日の風 今日の風

   引退もまた一つの花道

   アスリートとして
   女子レスリングで王者の道を歩んできた吉田沙保里。

   その頂点を極めた時から、
   王者は頂点を維持しながらも追われる立場にならざるを得ない。
   精進と追われる者のが背負う重圧。
   加齢に伴う体力の衰え。

    
  引退を決意するまでに天才アスリート・吉田沙保里はどれだけ悩み、
  どれだけ辛く孤独な一人だけの闘いを続け、眠れぬ夜を過ごしたことか。
  36歳。
  3歳の時から始めたレスリング。
  連戦連勝の彼女が初めて敗れたのは、リオ五輪だった。
  王者の意地が銀のメダルでは納得できなかったのだろう。
  直後に臨んだ記者会見で、「ごめんなさい。お父さんに叱られる」。
  レスリング人生を二人三脚で歩んできた、2年前に他界した父栄勝(えいかつ)さん
  への詫びる言葉だった。

  
  小さなで体を精一杯練習し、辛い時幼い彼女は泣いた。
  彼女の部屋に「なかないでれんしゅうする」。
  部屋に張り出された張り紙がいじらしい。

  初試合は5歳。
  彼女敗れた彼女は、優勝した男子の金メダルを指さし、あれが欲しいと
  栄勝さんにねだった。
  「あれはがんばって強くなった人しかもらえない。
   スーパーやコンビニでは売っていない」
  エピソードを拾えばきりがない。

  最も印象に残る試合は、
  個人戦の連勝が206でストップしたリオ五輪決勝だという。
  「こうやって戦う仲間がいたから今まで頑張ってこられたんだな、
   と負けて知ることができた。成長させてくれた」。
  引退記者会見で彼女は淡々と語る。

  晴れ晴れした表情で会見に臨む女王に、後ろ向きな感情はかいむだった、
  と記事は伝える(朝日新聞1/11付)。

  「夢を追う人でありたい」。
  彼女が大事にしていた言葉だという。
  栄光の座を後進に譲り引退の花道を行く彼女にエールを贈りたい。
  レスリングが人生の全てではない、この花道はこれから歩んで行く
  人生道へつづいていく希望の花道なのだと。
           (2019.1.12記)  (昨日の風 今日の風№91)
  
 

 以下は、2016.8.27のリオ五輪で敗れた彼女のことを記したブログの再掲です。

 敗れてなお潔し(2)・吉田沙保里敗北の涙
  女子レスリング53㌔級 決勝。  
  4連覇を目指す最強の吉田沙保里 33歳。
  後がない。
  最後の花道を「金」で飾るのか。
     たくさんの期待を集めての決勝戦だった。

  だが勝利の女神は王者・沙保里に微笑みを贈らなかった。
  マットに突っ伏した瞬間、
  多くの人が「嗚呼っ」と声にならないため息を漏らし、
  テレビの前でこみあげてくるものを奥歯で噛みしめていた。
  (産経新聞)
 「いつかは負ける日が来るのだろう」覚悟はしていた吉田沙保里。
  だが、こんな晴れの舞台で勝利の女神がそっぽを向いてしまうなんて。

 「日本選手の主将として、
  金メダル取らないといけないところだったのにごめんなさい」
 「たくさんの方に応援していただいたのに、
  銀メダルで終わってしまって申し訳ないです」
  まるで悪戯をした子どもが泣いて謝るように、
 「ごめんなさい」「申し訳ない」と涙にくれる王者。       
 「お父さんに怒られる」
 なき父の墓前で誓った四連覇を果たせなかった沙保里は、
 テレビカメラのレンズやマイクも気にせず、母の胸に抱き着き号泣する。

 私たちは、吉田沙保里の涙に心をふるわしたのではない。
 いじらしいまでに真摯に取り組むあなたのそのまっすぐな姿勢に
 心を打たれたのです。
 あなたが選んだレスリングというスポーツが、
 吉田沙保里という人間を、優しく気遣いのできる
 人間に育て上げたのです。

 涙に濡れたこの経験が、
 金の重みよりもずっとずっと重い貴重な経験だったことを
 あなたは生涯忘れないだろう。

 泣きはらした翌日吉田は、
「金メダルを取った後輩が喜べないから」と明るく振る舞った。

 吉田沙保里よ、
 あなたが築き上げた功績はレスリングのスポーツ界に、
 燦然と輝き、
 金よりも重い感動を私たちに与えてくれました。

 こんなスポーツ選手が居たことを、私たちは誇りに思います。
    (昨日の風 今日の風№41)        (2016.8.27記)

 


 

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今日のニュースから 3億円マグロ 他

2019-01-06 07:30:00 | 昨日の風 今日の風

 今日のニュースから(朝日新聞1/5付夕刊 他)

① 豊洲初セリ 3億3360万円のマグロ。278㌔だ
      
   1kg=120万円 1g=1200円
   これを、一人前の刺身(100g)に換算すると、12万円になります。
   1人前5~6切れとして1切れなんと2万4千円から2万円ぐらいになるのでしょう。
   もちろんこの値段でお店に出すわけではなく、宣伝効果を狙った落札価格なのでしょう。
   大間の猟師が津軽海峡で1本釣りで釣り上げた本マグロだ。
   これまでの最高値は222㌔で、やはり大間山のマグロだった。
   今回の初セリ落札価格はそれを上回る最高値になった。

   それにしてもこの法外の落札価格。儲けたお金の使い方を考えたのがいいのではないか、
   と思うのは私だけではないでしょう。

② 原宿竹下通り暴走の容疑者

   
暴走した軽乗用車に通行人8人が相次いではねられた不祥事件。
   意味不明の供述は理解に苦しむ。
   「死刑制度を多くの国民が支持していることが許せず、たくさんの人を殺したかった」と
   その動機を語る一方「(死刑制度)は国民の総意。だから、なるべく多くの人を狙った」とも
   供述している。
   さらに容疑者の供述は危険極まりない内容を述べている。
   「明治神宮の人混みで高圧洗浄機を使って灯油をまいて、火をつけようと思った」
   死刑反対の容疑者が、なぜ無差別殺人をしてしまうのか理解に苦しみます。

    最近、無差別殺人等、「誰でもよかった」等、動機も明らかにできないような事件が
   多いように思います。社会的な構造の底辺で、あえぎながら相談する人も友人もいない。
   社会的な重圧に押しつぶされそうになった抑圧が、外に向かって爆発してしまう。
   そんな構図が浮かんできます。
   病んだ社会の一端を見るようで、将来のの社会不安を覚えます。

③ 大谷選手、難病の翔平ちゃんにエール
    あやかった名前が縁 病院にお見舞い
  メジャーリーグ・エンゼルスの大谷翔平選手が、心臓の移植手術を目指す男の子を見舞いに、
 大阪府内の病院を訪れました。大谷選手が訪ねたのは、心臓のポンプ機能が低下する病気「拡張型心筋
 症」を患う川崎翔平ちゃんです。人工心臓を入れて治療を続けていますが、
 アメリカでの心臓移植を目指しています。
 大谷選手の大ファンという両親が名付けそれが大谷選手に伝わり5日の訪問が実現。大谷選手は
 「頑張ってるね」と語りかけサインボールをプレゼントしました。翔平ちゃんの母親は
 「あんな素晴らしいすごい方が、応援してくれてすごく力になりましたし一層がんばっていこうと
 励みになりました」と話しました。(原文そのまま引用・ABCウェブニュース 朝日新聞1/5夕刊)

 才能があって、それ相応の収入のある人は、
 どんな形でもいいから社会的な貢献をしてほしい。

 
 国内ではドナーが少なく、米国での移植を目指している。 
 手術には3億5000万円が必要で、まだ約1億2000万円足りず、寄付を呼びかけています。
 「しょうへいくんを救う会」06.7710.3850 のホームページ
 (https://saveshei.com)
  
(2019.01.05記)    (今日のニュースから№1)


 

 

 

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卓球の愛ちゃん 

2018-11-15 19:55:36 | 昨日の風 今日の風

福原愛がブログで引退表明(2018年10月21日)
  
      静かで控えめな引退表明
 

    
        私は選手としての立場を、ここで一区切りつけることを決意しました。
    ………
    3
歳から卓球を始め、約26年の間、多くのことを学ばせていただきました。
     ………
   
   私が選手としてできることはやり切った、頑張り抜いた、という思いが強くなり、
   自分が選手としての立場でやるべき使命は果たせたかな、と感じるようになりました。
                              福原愛のブログ(2018.10.21)
より抜粋

 卓球女子の福原愛選手(29)が自身のブログで10月21日、現役引退を表明した。
スポーツの枠を超え、人々に愛されたヒロインが26年の現役生活に終止符を打った。日本の卓球界に残した功績は大きい。

 3歳9か月でラケットを握り始めた天才少女は、
10歳でプロ宣言、
11歳の時にはナショナルチームでの活動が始まる。

「オリンピックでは、アテネ、北京、ロンドン、リオ、と4度出場することができ、
日本代表として2個のメダルを獲得できたことを誇りに思います」。

 ブログでの語り口は、静かで控えめだ。
 2016年のリオオリンピックでは、女子シングルスで4位、女子団体で銅メダルを獲得したが、
 以後、選手として公式戦に出場することは一度もなく、2017年1月の全日本卓球選手権大会も欠場した。

 
2016年のリオオリンピックから二年が経ち、結婚や出産を経験し、日々育児に励みつつも、
 「競技のことが頭から離れることはありませんでした」と、心の経緯を語っている。

  何度もやめようかと考えたことはありましたが、
 「 一度も卓球を嫌いになることは無かった」という愛ちゃんだが、
 
  知らない内に私自身で勝手に感じていた肩の重みが、すっと抜けるような感覚があって、
  出来ることは全てやった。
  達成感と同時に、夫と一女の母としての安堵感が、
  卓球に代わる大切なものとして感じられ、
「自分が選手としての立場でやるべき使命は果たせたかな、と思うようになっても不思議はない。

こうした考えに至るまでの過程は、
天才と言われるようになるための血のにじむ様な練習と精進があったに違いない。
スポーツの世界は入れ替えが激しい。
頂点に立った瞬間、負われる身になってしまう。
技術と体力と精神力が三位一体とならなければトップの座は維持できない。

愛ちゃんの引退には、
力を出しつくした「燃え尽き症候群」ではなく、
さわやかな安堵感がある。

売れっ子の「天才子役」が国際派の俳優に成長し、スターがしのぎを削るハリウッドで、
アカデミー賞を取るような偉業だ。(朝日新聞編集委員・稲垣康介)

引退声明をしてなお、
「私は生涯卓球人なので、卓球という軸がぶれることは一生ありません」
と愛ちゃんは、卓球に寄せる思いを語る。
今、愛ちゃんの後を追うようにして卓球人生を歩んできた若い選手が
輝きを放ち始めている。
後進の進む道しるべとなって、
引退してなお卓球界を牽引して欲しいと思うのは、
多くの人たちの願いでもある。
         (2018.11.15)        (昨日の風 今日の風№91
)
 




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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災害列島日本 避難者

2018-09-15 08:10:04 | 昨日の風 今日の風

災害列島日本 避難者
 北海道で発生した最大震度7の地震から13日で1週間となる。
避難者は8市町の1592人となっている。
地震直後、
道内のほぼ全域が停電するブラックアウトに陥ったが、
大半の地域で電力供給は復旧している。
しかし、一部の地域では停電や断水も続いている様子です。

 函館の電力供給が復旧したと、2~3日前のニュースは伝えていたが、これはこれで明るいニュースに違いないが、電力の需給バランスは安心できるものではない。
政府は2割の節電を呼び掛けているが、2割節電するということはかなりの努力をしないと達成できないらしい。
経済産業省によると、12日午後7時台の節電率は14・3%だった。

 ※ 道内の家庭や企業に求めて来た節電要請は14日で無くなりました。連休明けの18日からは
   数値目標を設けず節電を求めるという方針に変更。「計画停電は当面実施する必要はな           い」。ただし、一部地域で断水は続いている模様です。(朝日新聞9/15付)

 最も被害の激しかった厚真町の避難所には次のような手書きの張り紙があるそうです。
   「水分をまめにとる」   
   「うがい手洗いをする」
   「足指を動かす」
 脱水症の予防 感染症予防 運動不足によるエコノミー症候群(旅行者血栓症)予防を促す解りやすい情報提供です。
情報の伝達は「迅速に」
      「正確に」
      「適性なときに」が原則であり、
      上記の張り紙はこの条件を見事にクリアしている。

 相変わらず余震が続き、避難所の中では安眠もできない。
 自宅に戻ることができない不安は、
 体験した人でないとなかなか理解できないのかもしれない。

 被災者を支えるボランティアの人、
 現地に足を運ぶことはできないけれど、私にできることはないかと思う人、
 それぞれがそれぞれの思いで一生けんめい一つの輪になろうと努力しています。
 被災するしないに関わらず、この思いは大切にしたい。

 自宅に戻れない人は沢山いる。
 西日本豪雨の被災地……1500人
 熊本地震     ……2万8000人
 東日本大震災   ……5万8000人 
  これ程沢山の人が、長い時間、不自由な生活を強いられている現実を知らされ、
  唖然とするばかりだが、
  「人間は負けるようには作られていない」
  というサンチャゴ老人(ヘミングウェイ原作「老人と海」の主人公が釣り上げた巨大マグロを        鮫の餌食にされ、骨だけになった獲物を小さな船にくくりつけて帰港する)の言葉のように、
  強く生きる力を出してほしい。
  鮫との闘いに力を尽くしたサンチャゴ老人は、
  深い眠りについたが、
  目が覚めればまた漁に出かけるに違いない。

  年を取ったとはいえサンチャゴ老人にはきっと、困難を乗り越える力が携わっているのだ。
  「人間は負けるようには作られていない」
  辛い時、苦しい時に思い出す言葉だ。

   
    (2018.9.15記)            (昨日の風 今日の風№90)

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遠花火

2018-08-14 15:00:10 | 昨日の風 今日の風

遠花火
    遠ざかる花火
  地方の小さな小さな花火大会だ。
  手作りの花火大会は、地域に住む人たちの小さな善意で成り立っている。
  「家族の健康を祈って」
  「初孫万歳!!」
      「今年も元気に過ごすことができました。ありがとう」
  等々、個人の幸せを祈って打ち上げる人が多い。
  打ち上げ総数2000発。
  地域の皆さんの寄付がなければ成り立たない花火大会だが、
  10年以上も続いてきた。

  喧噪の中で、夜空いっぱいに広がる花火を川岸の土手に座って眺める。
  ドーンという音に続いて、少しの間があり、パッと夜空に広がる色鮮やかな花火
  一瞬の命の瞬き。
  感動と同時に、枝垂れ柳のように消えていく。
  華やかさの頂点と、消えゆく儚さがほぼ同時に存在する。
  
  ここ近年、私は会場から遠く離れたところから眺めるようにしている。
  「遠花火」を眺める位置が、年ごとに遠くなっている。
  
  かすかな音と共に、
  遠くの夜空に消えていく花火を眺めるのも、いいもんだと自負しながら
  夏の一夜を過ごしている。
  
  遠花火 人生を想う
  〇 あれやこれ過ぎし日のこと遠花火 …… 池下よし子

  〇 これからの生き方問はれ遠花火  …… 稲嶺法子
  
  〇 悔いなしと言へぬ半生遠花火   …… 久保田雪枝
  
  〇 遠花火記憶の端をつなぎけり   …… 佐久間由子

  遠花火 逝きて帰らぬ人を想う
  〇 遠花火今宵は逝きし人のこと   …… 中島昌子
  
  〇 母逝きし日の静かなる遠花火   …… 松田明子
 
  〇 臨終に音一つ無し遠花火     …… 鳳蛮華
  
  〇 遠花火征きて還らぬ人の供華   ……

  遠花火 命の音が聞こえる
  〇 一秒の命を尽くす遠花火     ……蒔元一草

  〇 遠花火心の底に音はじけ     ……高橋美智子

  遠花火 花火に託す恋
  〇 初恋は儚く消えし遠花火     ……茂木とみ
  〇 握る手を握り返せず遠花火    ……永田 勇
       (2018.8.14記)         (昨日の風 今日の風№89)

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いじめ 相変わらず「保身の術」

2018-04-10 08:30:00 | 昨日の風 今日の風

いじめ 相変わらず「保身の術」

 いじめ問題が表面化すると、
 相変わらず「見ぬふりをする」、
 「気がつかなかった」などの学校や担任の無責任な行為が改善されないことがわかる。。

 校長は自分が在任中に問題を起こしたくない。
 担任は「知らなかった」ということで責任逃れをしようとする。

 いじめが、被害児童の両親等により表面化され、社会的な問題として報道されない限り、
 解決の糸口が見えない。

 「自己保身」という厄介なものがあるから、「隠蔽」の体質がいつまで経っても改善されない。
 教育に携わる者が、自己保身に囚われてしまえば、
 その時点で「教育の理念」はなし崩しに失われてしまう。
 生徒との信頼関係もなし崩しに失われてしまう。
 教壇に立って、どんな正しい教育理念を語っても、
 信頼関係の失われた現場では、言葉だけが空回りしてしまう。

 最近の「いじめ」報道から2題を紹介します。
 ① 神奈川県茅ケ崎市立小学校
   いじめで不登校になったと両親が訴え、担任は学校の聞き取りに、いじめに気づかなかったと説明。
   学校側(校長)もこれを認めた。
   しかし、第三者委の調査によれば、担任だった女性教論は、「いじめを見て見ぬふりをした」と説明。
   調査が進むに従い教師としてあるまじき行為が判明。
   「注意するのが面倒になった」と告白。

   4年生の男子児童(10)は、学校に通えなくなり、心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断された。

   第三者委は、担任が適切な対応をせず、学校も組織的な対応が不十分だったと報告書を市教委に答申した。

 
 沖縄県豊見城(とみぐすく)市の小学校
   「日常的に繰り返されたいじめが自死の主たる要因の一つ」と、第三者委は調査報告書の答申を公表。
   
   小学4年の男児(9)は、
   自殺を図る直前に学校が行った定期アンケートに「いつもいじわるをされている」と記していたが、
   学校はこのことについて具体的な対応を取らなかった。
   もう少し具体的に紹介すると、「いじわるされている。どうすればいいんですか」。
   児童のSOSだ。
   命の叫びだ。

   これに対して学校は「トラブルであり、いじめではない」と判断し、何の対応も取らなかった。
   一歩譲って「トラブルであり、いじめではない」と判断したとしても、
   トラブルの内容すら把握することなく放置した無神経な姿勢は決して許されない。

   定期アンケートてあるが、規則通り、マニュアル通りに実施して、
   実施したという実績だけを残すようなアンケートなら全く意味がない。

   児童は担任にも相談していたが、学校は具体的な対応を取らなかった。

   「これまで学校や市教委から誠意のある対応はなかった」と、遺族はコメントしている。

   第三者委員会は調査報告の答申書の中で、適切な対応を怠った学校側を
   「自らを正当化し、保身を図る行為であり、教育者としてあってはならない」と厳しく批判している。

   
         学校という密室の中で繰り広げられる、「正当化と自己保身」が無くならなければ、
   児童の健全な発達をうながすことはできないし、基本的な教育の
 充実は望めないと思います。
       (2018.4.9記)   (昨日の風 今日の風№91
)

 


 

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銃乱射事件④ 生徒の命を守るために教員が銃訓練 

2018-03-21 08:00:00 | 昨日の風 今日の風
 銃乱射事件④ 生徒の命を守るために教員が銃訓練
  フロリダ州の高校で生徒ら17人が死亡した事件(2/14)。
 前回③でも紹介したが、今年に入って18件の発砲事件。
 2013年以降の銃乱射事件は、犠牲者がなかったケースも含めると290件の発砲事件が起きている。

 学校安全対策としてトランプ政権は次の二点を発表した。

  1.教職員の銃訓練の支援
  2.銃購入時の身元調査の強化
 よく読んでみれば、これは『学校安全対策』であり、銃規制を推進する政策ではない。
 銃規制そのものにメスを入れない限り、学校社会や一般社会の安全など守れはしない。
 銃乱射に対応するために、訓練された教職員との間に銃撃戦が起きてしまったら、学校は戦場になってしまう。
 生徒を安全な場所に避難させることが教職員の務めではないか。
 
 一部の教職員に銃を携帯させるというが、学校職員のことを指しているのか。
 また、退役軍人や退職した警察官らを教職員に採用することを支援するとしている。
 襲ってきた犯人に命を賭けて立ち向かう姿勢は、
 「銃には銃で、目には目、歯には歯」という考え方になってしまう。

 例え生徒の命を守るためといえ学校に、「戦場の論理」を持ち込んでしまえば、
 武器の拡大に繋がりかねない。
 銃社会の論理の根底には、「強いものが勝つ」という論理が潜んでいる。

 銃の所持者が、自殺や他人に危害を加える可能性がある場合には、
 裁判所の許可を得て銃を没収する法案や
 犯罪歴のある者の身元調査システムを強化する案も検討されているようだ。
 トランプ氏はこの「学校安全対策」が「抑止になる」と発言しているが、
 「核の抑止」と同じで、問題の根源にあるものを排除しなければ、学校の安全は守れないと思う。
 共和党がどこまで譲歩するかがカギになる。
 
銃の購入年齢は変わらない
 
一方、トランプ氏が明言していた銃の購入の最低年齢を18歳から21歳に引き上げることは新たに設置される学     校の安全に関する委員会で検討することになり、銃購入時の身元調査をネット上の売買など個人取引にも適用することも盛り込まれなかった。
銃社会の根幹となる一番大事なことが先送りされてしまった。
何故か。
共和党関係に多額の献金をしている「全米ライフル協会」(NRA)が強く反対しているからだ。

 政権を担う共和党と経済界の癒着が現れたアメリカの歪んだ社会の一面を見ているようで嘆かわしい。
                                          (終り)


(2018.3.20記)         (昨日の風 今日の風№92)

      ※ 関連ブログ (よろしかったら興味のある方は読んでください )
          銃乱射事件① 銃なしで命を守れるか     頻発する銃乱射事件(2018.01.28)
          銃乱射事件② 銃なしで家族をどう守るの  「目には目歯には歯」(2018.01.30) 
      銃乱射事件③ 矛盾だらけの米銃規制     またも起きてしまった銃乱射(2018.02.18)  
 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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銃乱射事件③ 矛盾だらけの米銃規制

2018-03-18 14:05:52 | 昨日の風 今日の風

銃乱射事件③ 矛盾だらけの米銃規制 
 またしても起きてしまった銃乱射事件。

 フロリダ州の高校で17人が死亡。
 19歳の元生徒(退学処分)が容疑者として拘束。
 使用された銃は自動小銃AR15で、容疑者は複数の弾倉を持っていた。
   容疑者はガスマスクを着用。発煙筒に火をつけて火災報知機を鳴らし、
   生徒が校舎外に逃げ出したところを狙い撃ちした(2/14朝日新聞)。
   今年に入って18件の発砲事件だ。
 米国の学校では2013年以降、
 犠牲者が出なかった事件も含め290件の発砲事件が起きている(2018.2/16朝日)。

 ケンタッキー州の試み
  教師や学校職員が銃を校内に持ち込むことができるようにする法案が議会に提出された。



 全ての銃乱射事件の元凶は、多くの人が銃を持つ(購入する)ことができる法律の存在が問題なのに、
 銃の乱射による犠牲者をなくすために、あるいは生徒を銃の犠牲から守るために、
 教職員に銃を持たせようとする。
 原因を排除しないで生徒を護ろうとする社会通念はどこかおかしいと、私は思うのだが
 アメリカ社会の中には次のような考え方も支持されているようだ。
 「今さら規制を強めても手遅れだ。銃を持った犯罪者への対処は、銃を持ったものにしかできない」として、
 学校の各階に武装警備員を配置するべきだ。

  「手遅れだ」という考え方そのものが私には無責任な考えで、
  まさに銃規制問題の行き詰まりを象徴する考え方だと思えてなりません。

  なんだか、近未来小説の中の生きずらい社会が出現するようで恐ろしいと思いませんか。
 でもこれは、近未来小説の話ではなく、現実に起こっている話なのです。
 21歳にならないと酒が買えないのに、なぜ19歳になったら合法的に銃が買えるのか。


  なかなか銃規制の法案の議論が指示されないのは、
 ライフル協会から多額の献金が共和党に流れているという現実があるのでしょう。
 全米ライフル協会(NRA)による献金は次のようです。(米メディアによる)
  トランプ氏を支持する政治広告 …………………………………………………  1140万㌦(約12億円)
  大統領選時の民主党候補 ヒラリー・クリントン氏を批判する政治広告…………1980万㌦(約21億円)
  トランプ氏陣営に …………………………………………………………………  81万4千ドル(約8600万円)
      共和党ライアン氏に…………17万2千ドル  
   〃 ルビオ氏に………… 17万6千ドル
   〃 クルーズ氏に…………36万2千ドル


  ラスベガス事件直後、バンプストック(全自動を可能にするアタッチメント)の製造・販売に避難が集中し、
  民主党を中心に規制法案が議会に提出された。
  しかし、NRAは法案に難色を示し、共和党は取り締まり強化が先と訴え、法案の審議は棚上げとなった。

  NRAは依然として献金を続けており、ことし11月には議会の中間選挙があり、
  銃規制の議論は一向に進みそうにない。
  NRAからの献金が銃規制の法案の成立を阻害する要因なら、
  献金のあり方にもメスを入れなければならないと思うのだが、
  アメリカ社会ではそうした議論は起きないのだろうか。


  さて、この問題一体どうなるのか。
  次回は銃規制問題の最近の動きをお知らせします。
              (2018.03.17記)  (昨日の風 今日の風№91)
   
  

 
      ※ 関連ブログ (よろしかったら読んでください )
          銃乱射事件① 銃なしで命を守れるか     頻発する銃乱射事件(2018.01.28)
          銃乱射事件② 銃なしで家族をどう守るの 「目には目歯には歯」(2018.01.30)

                
 

 

 

 

    

 

 


         

 

 

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