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雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

憎しみの連鎖 報復の連鎖

2015-12-04 13:52:27 | 昨日の風 今日の風

憎しみの連鎖 報復の連鎖

 パリ同時多発テロ(3)

 パリで起きた同時多発テロでは、130人もの尊い命が失われた。

14年前の2001年9月11日には、アルカイダによる米国での同時多発テロが発生した。

どちらの事件も「テロ許すまじ」という大義名分のもと、空爆を強化拡大してきた。

 

  このやり方には人間が長きにわたり築いてきた、「英知」のひとかけらも感じることができない。

簡単に言ってしまえば、「目には目、歯には歯」、「やられたらやり返せ」の喧嘩殺法の展開だ。

 

 空爆には一定の効果があるのは事実だが、これでISを撲滅することなど不可能なことは、誰にもわかる。

誤爆があり、巻き添えで犠牲になる一般人も多く、

こうした空爆の報復が更なる憎しみを生み出し、

やがてテロへの過激思想に発展していくケースも多いだろう。

 

 わかりきったことなのに、テロに対して米国もフランスも空爆という報復を強化拡大する。

ここには、空爆する側にも受ける側にも何のメリットもない。

 

 不毛の戦いは、互いの憎しみを増長させるだけで何の解決にもならない。

 

 繰り返しになるが憎しみの連鎖は更なる憎しみを生み、

イスラム過激派を巡る問題はますます泥沼に入ってしまう。

 

 なぜ報復としての空爆なのか。

その一因を伊勢崎賢治氏(東京外語大教授)は、次のように述べている。

 なぜフランスも米国も空爆するのか。それは正当な民主主義国家だからです。テロ攻撃でたくさんの国民が死亡した。これに対して報復しなければ「弱虫大統領」などと言われてしまう。(そうなれば)政権維持が難しくなり、次の選挙で負けてしまう。選挙で政治家を選ぶ民主主義国だからこそ、「テロとの戦争」を掲げざるを得ないのだ。

 これはある種のナショナリズムの表れなのかもしれません。

 短期解決は望めないが、放送大教授・高橋和夫氏は、

 空爆よりも効果があり国際社会が力を注ぐべきなのは封鎖と圧力だ。()人と物と金が(過激派イスラム圏に)入らないように、もっと国際社会が協力して封じ込めを強めるべきだ。と述べています。

 宗教問題は武力により解決はできません。心の問題だからです。イスラム教に対する宗教的差別や経済格差をなくすことが解決の糸口なのだが、残念なことに、世論は報復の手段としての「空爆」を支持しているようです。

(昨日の風 今日の風№34)         (2015.12.3記)

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憎しみの連鎖を断ち切る 時空を超える強い絆

2015-11-26 22:41:59 | 昨日の風 今日の風

憎しみの連鎖を断ち切る(2)

パリ同時多発テロ 時空を超える強い絆

 

 最愛の人であり、息子の母親でもあった人の命が非情な無差別テロで奪われ、

悲しみで途方に暮れていいはずなのに、レリス氏は、「君たちを憎むつもりはない」と言う。

この精錬された精神と意志の強さに、人間って素晴らしいと感動させられるメッセージです。

 

 現実的には加害者に対して極刑を望み、

命を奪われた者の苦しみをストレートにぶっける場合も珍しくない。

このような被害者遺族の気持ちも理解できる。

 

レリス氏のメッセージに共感する自分がいて、一方であいまいな立ち位置の自分がいることに気づく。

 

レリス氏のメッセージは続く。

 だから、決して君たちに憎しみという贈り物はあげない。

君たちの望み通りに怒りで応じることは、君たちと同じ無知に屈することになる。(…略…)

 テロの暴力に対して暴力での解決を望めば、「君たちと同じ無知に屈することになる」。

憎しみの感情で対峙すれば、何も生まれてこない。

精神の不毛が再び憎悪の感情を生んでしまうことをレリス氏は述べている。

 

 今朝、ついに妻と再会した。

何日も待ち続けた末に。

彼女は金曜の夜に出かけた時のまま、そして私が恋に落ちた12年以上前と同じように美しかった。

もちろん悲しみに打ちのめされている。

君たちの小さな勝利を認めよう。

でもそれはごくわずかな時間だけだ。

妻はいつも私たちとともにあり、再び巡り合うだろう。

君たちが決してたどり着けない自由な魂たちの天国で。

 私と息子は2人になった。

でも世界中の軍隊よりも強い。(…略…)

生後17カ月で、いつものようにおやつを食べ、私たちはいつものように遊ぶ。

そして幼い彼の人生が幸せで自由であり続けることが君たちを辱めるだろう。(…略…)

 

 強い絆で結ばれ、深い愛に裏打ちされた者の関係は、

どんな武器でも断ち切ることはできない。

精神の魂は生死を超え、時空を超えて天国と現世を結ぶ。

この繋がりは誰にも壊すことはできない。

 

 亡くなった多くの人のご冥福を祈ります。 

                  (おわり)

                   (2015.11.26記) (昨日の風 今日の風№33)

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憎しみの連鎖を断ち切る

2015-11-25 12:00:57 | 昨日の風 今日の風

憎しみの連鎖を断ち切る

パリ同時多発テロに関する課題

 パリ同時多発テロでは、たくさんの市民が犠牲になり、尊い命を奪われた。

テロも暗殺も決して許されるものではない。

 

 

 仏オランド大統領は、フランスが「戦争状態にある」と宣言し、

米国、ロシアはシリア空爆の強化を図り、欧州連合でも力による対応を進めている。

 

 

 テロに怒り、過激な世論がわき上がるのは仕方がない。

 しかし、暴力による報復では、互いを憎しみ合うだけで決して解決にはならないことを歴史は教えている。武力に頼る言動ではなく、冷静な分析と対応が必要と、多くの専門家は言う。

 

 11/20付朝日新聞社説は、

「冷静で着実な対処こそ」

というタイトルで

『テロ対策は組織網を割り出し、資金源や武器ルートを断つ警察、諜報、金融などの地道な総合力を注ぐ取り組みだ』

と力には力という軍事介入を戒め、世論の暴走を諫(いさ)めている。

更に(テロリズムの)病根をなくすには、不平等や差別、貧困など、社会のひずみに目を向ける必要がある。軍事力で破壊思想は撲滅できない』と社説の論調は冷静だ。

 

言葉が違い、生まれや習慣や文化、宗教が異なれば考え方も違ってくる。

だが、こうした違いを異分子として排除しようとするところに、摩擦が起こり、血が流れる。

 

 

 注目すべき考えがフェイスブックに公開され、共感の輪が広がっている。

 パリ同時多発テロで妻を亡くした仏人ジャーナリスト、アントワーヌ・レリスさん(34)が、テロリストに向けて綴った文章だ。

 

  「君たちに私の憎しみはあげない」

 

 金曜の夜、君たちは素晴らしい人の命を奪った。私の最愛の人であり、息子の母親だった。でも君たちを憎むつもりはない。君たちが誰かも知らないし、知りたくもない。君たちは死んだ魂だ。君たちは、神の名において無差別な殺戮(さつりく)をした。もし神が自らの姿に似せて我々人間をつくったのだとしたら、妻の体に撃ち込まれた銃弾の一つ一つは神の心の傷となっているだろう。以下次回へつづく  (2015.11.24記)

 

 

 

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私は18歳 何処へ行ったらいいの

2015-11-08 15:35:05 | 昨日の風 今日の風

私は18歳 何処へ行ったらいいの (昨日の風 今日の風 №31)

 誕生日が来れば、私は18歳。高校を卒業したら何処に行ったらいいの?

 児童養護施設は種々の理由(親と死別、遺棄、劣悪な家庭環境、虐待)により親と暮らすことができない児童を入所させ、自立のための援助を行う。

 入所対象者は満一歳から18歳未満までの幼児及び児童だ。

支援が必要かどうかではなく、一定の年齢に達したことで支援が終わってしまう。

つまり、最悪の場合、

帰る家や親がいなくても満18歳になれば児童養護施設や里親の家庭から出ていかなければならない。

        

 親の援助を受けられない。

住む家もない。

自立へ向けての支援もこの時点で終わってしまう。

就職にしても「住み込み」や「寮」のある職場を選ばざるを得ない。

保証人がいなければ入居さえできないからだ。 

 アパートや携帯電話を契約する際、親のかわりに法人の代表者が、契約書に署名することもある。

民法の規定で未成年者は保護者の同意がなければ契約行為ができないからだ。

こうした場合、金銭的なトラブルが発生したときなどその責任の負担は、契約代行者らにかかってくる。

例外的に児童養護施設や里親家庭に在籍は、20歳まで延長できるが、

多くの場合高校卒業までで援助は打ち切られてしまう。 

            

 厚労省の資料では、昨年3月に高校を卒業した児童養護施の子どもたち1721人のうち、4月以降も施設に残ったのは231人で、わずか13パーセントにとどまる。

 

 18歳から成人までの2年間は「福祉の空白」と言われる。

児童福祉法では適用外になり、一方未成年のため大人として扱われず、

生活に必要な契約行為など自分でおこなうことができない。

そのため劣悪な生活環境の親元に戻らざるを得ないケースも多い。

 

 この「福祉の空白」を埋めるため、

選挙権同様、18歳を大人とすることで、

一定の解決を目指す考え方もあり、

厚労省の有識者委員会で「児童福祉法 年齢引き上げ議論」が活発化し、

年内には社会的養護のあり方について報告書をまとめる動きがある。

 

 福祉の谷間であえぐ、自立困難な未成年者の支援の継続が一刻も早く実現することを願う。     (2015.11.8記)

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「妊娠で解雇」

2015-09-07 16:10:00 | 昨日の風 今日の風

妊娠を理由に女性職員を解雇

   男女機会均等法に基づき茨城県の違反病院名を公表(厚労省)

 ニュースの概要。今年2月、正職員だった20代前半の看護助手の女性が、院長に妊娠を告げたところ、院長は後日、「妊婦はいらない。明日から来なくていい」と述べ、解雇したという。(朝日新聞、日経新聞9月5日付他)

 女性は茨城労働局に相談し、労働局長や厚生労働相名による解雇の撤回を求める是正勧告を行ったが、院長は「均等法を守るつもりはない」として従わなかったという。

 このためこの病院名を公表した。公表制度は1999年からあったが、公表にいたったのは初めてという。

 厚生労働省が公表したのは、茨城県牛久市の医療法人「医心会」の牛久皮膚科医院【安良岡勇(やすらおかいさむ)院長】。

 機会均等法は妊娠や出産を理由として労働者を解雇したり降格させたりするマタニティーハラスメント(マタハラ)を禁じている。マタハラそのものへの罰則規定はないが、労働相の是正勧告に従わない場合は事業所名を公表できる。

 「医」は「仁術」というけれど、人の命を預かる医療法人の前述のような行為は許せません。怒りと共に、医療に携わる人(この場合は経営者)の職業倫理にも劣る経営方針である。「妊婦はいらない」と言うけれど、あなたは誰から生まれてきたのですか。経営者たるもの、経営の努力を怠ってはいけません。経営者は自分の職場で働く人があるから、経営・運営が成り立つのです。人間はパーツではありません。簡単に交換はできません。こんな職場からは、有能で優しい人材は育ちにくいのではないだろうか。傲慢経営には社会的制裁もやむを得ないと思います。これはブラック企業の一つですよ。

 マタハラ被害の実態 マタハラ被害者でつくるマタニティハラスメント対策ネットワークによる「マタハラ白書」より抜粋。

  〇 切迫流産で安静にするようにと診断を受けた際、直属の上司から「けじめをつけろ」と退職を強要された。

  〇   妊娠中勤務が深夜までになることがあり、仕事量を減らしてほしいと求めると「そんな社員はいらない。アルバ          イトになるしかない」と、契約内容の変更を強要された。

 〇 「子育てしながらの仕事は無理がある。辞めたら?」といわれた。

 〇 「残業できないなら戦力外」と言われた。

                                    (2015.9.7記)

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エボラ出血熱(7) リベリア 終息宣言

2015-05-24 14:10:00 | 昨日の風 今日の風

 エボラ出血熱(7) ―リベリア 終息宣言―

 世界保健機関(WHO)は5月9日、西アフリカのリベリアでのエボラ出血熱の終息宣言をした。

リベリアは大流行した西アフリカ参加国の内、最も多くの死者を出した国だ。

終息の目安とされる42日間、新たな感染者が発見されなかったからだ。

 2013年12月、ギニアで発生、西アフリカで大流行。

 エボラ出血熱の西アフリカ3か国の死者

   リベリア

4716人

 シエラネオネ

3904人

 ギニア

2387人

 リベリアでは今年3月27日に最後の患者が死亡した後は、感染者の報告がゼロになっていたための終息宣言である。

医療不足さらに深刻に 

 国境なき医師団日本事務局長によれば、この終息宣言に大きな貢献をしたのが国境なき医師団(MSF)だ。

3カ国に医師200人以上を派遣、2500人の現地スタッフとエボラとの戦いに挑んだ結果が、終息宣言に向かわせた。

 MSF日本も、医師や看護師ら19人を述べ22回派遣している。

日本の貢献度は、資金、物資 面の支援は光っているものの、

米国、英国、中国などに比べて人材面での貢献度の見劣りが目立っている。

厳しい評価だが、諸外国への災害派遣、紛争地派遣などにおいても同様の指摘がなされてきたところだ。

エボラ出血熱支援についても、前回「消えた陸自派遣」で指摘したとおりだ。

 (世界保健機関)WHOの統計では、西アフリカ3カ国の医師数は人口10万人当たり1~2人と極端に少なく、

今回の流行で約850人の医療者が感染し半数以上が亡くなった。

「感染の危険性におびえながら、勇気を奮い立たせて患者と向き合った。心身ともにぼろぼろだ」と、

診察にあたる医師の言葉を朝日新聞は5月10日付で伝える。

「無力感だけが残った11カ月だった」とも。

 MSF日本事務局長ジェレミィ・ボダン氏はエボラに関する人びとの関心が薄れつつあることを懸念したうえで、

「エボラそのものも、エボラから派生した深刻な医療危機もまだ終息していないのだ」(朝日3/29)、と述べている。
                 (2015.5.24記)      (昨日の風今日の風№29)

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議員質問「売ります」

2015-05-06 22:30:00 | 昨日の風 今日の風

議会質問「売ります」

議員のレベル低下

 

「政務活動費」に関連した地方議員の醜態については、

議員の質とモラルの低下という視点で、400字詰め原稿用紙17枚・葉書10枚に渡り記録してきた。

しかし、事態はもっと深刻だ。

 

 朝日新聞デジタル3月13日版、政務活動費47都道府県調査で浮かび上がった問題。

議員の支出先調査で、議会での質問案を専門業者から有償で提供してもらった議員がいたという。

 

 更に4月3日付産経新聞では、

議会質問「売ります」、地方議員「買います」という見出しで大きく報じている。

 

 地方議員の資質低下が指摘されるさなか、

 議会での質問をアドバイスする議員向けの有料サービスを行う一般社団法人「つながる地域づくり研究所」の存在を明らかにしている。

 各地の地方議員に送られたダイレクトメールの内容は、

議会質問のサンプルを有料で提供するという内容で、年会費は定例会4回分で97,200円。

同じ議会でサービスを利用する議員が重複すると困るためか、「1議会1名様」の限定募集の断りがついている。

 

 朝日の調査では実際にこれを利用した議員の検証記事まで載せている。

その費用を「政務調査費」から支出するなど言語道断。

 

 議会質問は本来、

地域の抱える問題を議員自身が、住民の声を掘り起し、

調査・研究の総まとめとして自治体側に問うことではないか。

 議会における政治家の責務は、

議会において首長や担当部局に質問し、その責任を追及し代案を提案することだ。

しかし、最近の地方議会にはこうした気骨のある議員は非常に少なくなった。

 「妥協と仲間意識」だけが強く、

素人でも作成できるようなおざなりな質問でお茶を濁している。 

 

 だから、ほとんどの首長提案はろくな議論もされず採択されてしまう。

議員が国や自治体から報酬を支給される以上、政治家は職業である。

議員質問は、議員活動の根幹だ。

プロとしての責任と誇りを持つなら、

質問案を業者に委託するなど、資質を問われても仕方がない。

 

 

 こんな利用の仕方しかできない「政務活動費」なら、

ない方がいいと、問題を短絡的に考えてはいけない。

適正に有効利用している議員もいるのだから。

運用の仕方に問題があるのだ。          (2015.5.5記)

      (昨日の風今日の風№28)

 

 

 

 

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政務活動費(10) 議員よ襟を正せ!

2015-04-05 10:50:00 | 昨日の風 今日の風

政務活動費(10) 議員よ襟を正せ!

使途透明化は進んでいるか

 政務活動費の使途を知るのに、情報公開制度を使わなくても、収支報告書や領収書を閲覧できるのは、

同費を支給する議会の3割で、第三者委員会を設けて使途を検証する議会は2%にすぎず、

使途透明化には程遠い(朝日新聞全国自治体議会アンケートによる)。

 

 政務活動費に関する疑惑や不祥事は、数え上げたらきりがないほど多い。

 

 何故こんなでたらめなことがまかり通ることになったのか。

その原因の第一は政治家の質の問題だろう。

  主義主張を持たず、他に迎合する政治家。

議員による政策的条例提案がわずか0.17%で、なんと98.8%の原案が、そのまま通過してしまう。

地方行政の首長提案の原案がそのまま可決されているのです。

 何でも反対すればいいということではないが、

こんなことでは議会の「行政チェック機能」は果たされているとは言い難い。

地方議員の質の低下である。

 

 2012年自治法改正により、「政務調査費」から「政務活動費」と名称が変わった。

政務調査費が調査研究目的以外にも使えることになった。

議員の政策立案能力を向上させる狙いがあったはずだが、

「改悪だったのではないか」といわれても仕方ない。

 

 静岡県議柏木健は年間108回、飲食店での会食代の一部に計35万8千円を計上。

「ちょっとお酒でも飲みながら話さないと、話づらいことは聞けない」。

「あくまで意見交換が主目的だから、飲食を主とする会合への支出を禁じたマニュアルには違反していない」

と言う。

こういう発言を「歪曲」「曲解」と私たちの社会では言うのです。

 有権者に選ばれた代表であり、間接民主主義を具現化する責任を議員は担う。

選ばれた者としての重責を真摯に受け止めて欲しい。

その上で、活動をガラス張りにし、常にチェックを受けるのは当たり前のことと思う。

                      (昨日の風今日の風№27)

(2015.4.4記)

 

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政務活動費(9) 醜態(4)

2015-03-22 21:50:00 | 昨日の風 今日の風

政務活動費(9) 醜態(しゅうたい)(4)

梶谷忠修議長の場合(当選4回 県議会議長)

 切手疑惑に関し、

  「切手代詐欺とかはしてへん。郵便局長には(選挙の)応援して貰わへんと。言う言わんは別として喜ぶからね。成績が上がったら」

 なんとまあ、要領の得ないコメントであることか。これ以降取材拒否です。議員としては説明責任があると思うのですが。

号泣野々村県議の問題に対して、

「説明責任が果たせない場合は、議員辞職すべきだ」

と他人に厳しい発言をしていました。 

 

 「初心忘れず 世のため、人のためにつくす」

彼の公式ホームページ大書してあるスローガンです。ほんとですか?

岩谷県議テレビ取材から逃走

 テレビ記者団から逃げ回り、全力疾走する姿を、全国放送で見た方は、とても情けない議員の姿に唖然としました。

昨年8月29日、兵庫県市民オンブズマンの3団体から「詐欺、虚偽公文書作成・同行使」の疑いで告発されました。

 あまりにひどい政務活動費の行使に、強い憤りを感じました。

 

 この文章は個人を攻撃、誹謗、中傷するのが目的ではありません。

兵庫県議会ばかりでなく、この手の疑惑は掘り起こせば簡単に拾うことができます。

さて、兵庫県議の先生がたは、どのくらいの待遇をされているのでしょう。

 議員報酬:1380万円、政務活動費:600万円、費用弁済(議会や公務の際の日当):2500~19,000円、議会日数87日。

 大雑把に計算すると任期4年で約1億円の収入になります。議員定数89人ですから、議員への支給額だけで、4年間で89億円になります。

  行政のチェックと政策提言が主な仕事ですが、次のような結果を見ると何だか納税するのがばかばかしくなってきます。

25年度の兵庫県議会の提案議案数は、行政(知事)提案183件に対し、議員提案4件です。えっ!! 

4年間でたったの4件だけ?なんとまあ楽な商売なんでしょう。
           (昨日の風今日の風№26)

  (つづく) 2015.3.8(記)

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政務活動費(8) 醜態 (3)

2015-03-13 11:30:00 | 昨日の風 今日の風

政務活動費(8) 醜態(しゅうたい)(3)

切手大量購入問題

 原吉三県議の場合(当選6回、議長経験者)

 テレビ朝日の取材から抜粋。

「…切手を貼ってね、『よろしくお願いします』と祈りを込めて発送するんです」。

 大量の郵便物を出すときには、切手を貼らずに窓口で料金を一括で払う『料金別納郵便』を利用するのが常識です。

公表されている市民オンブズマンによる「住民監査請求に係る監査の結果について」から、関係部分を抽出してみました。

  毎年160万円とか164万円の大量の切手を購入している。

原吉三議員は、切手を貼るのは日本の文化で、家族の手も借りながらすべて切手を貼っていたとのことだが、平成26年の828日に送付した郵便物は同議員の後援会の名称で料金別納で発送されており、発言とくいちがっている。

料金別納郵便を利用しているのであれば、大量に買った切手はいったいどこへ行ったか不明である。

 80円の切手代を160万円購入すれば、20,500枚である。この枚数の切手を「祈りを込めて」発送するという。そんな暇があったら、もっと政務に励んでほしい。ばかばかしい切手購入の疑惑である。

岩谷英雄県議の場合(当選8回、副議長経験)

 約121万円の切手購入。 

80円切手に換算すると約15,000通の封書に該当する。発送の際には「一枚一枚張ったのか?」。質問に対して、

「そうそう、それが一番丁寧やしね。ほんで、日本人は切手がついてるほうがいいもんね」

 原県議と同様、この感覚にはついていけません。

「丁寧やしね」。

丁寧とかいう問題とは違いますよ。

百万円以上の切手をまとめ買いしているのだが、余った切手はどうしているのでしょう。

 政務活動費の会計は単年度会計だから、本当は返還しなければいけないのです。

政務活動費が前払いというところに、制度の欠陥があるのでしょう。

他に、大量の茶菓子代購入、領収書の使いまわし疑惑も浮上しています。

(つづく) 2015.3.6(記)

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