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【米印原子力協定】 毎日新聞 視点

2008年09月04日 | 朝米関係関連消息
 今日、母の病院診察の待ち時間にコメダで新聞雑誌を読んだんですが、その中で特に目を引いた記事です。
 最後の『唯一の被爆国 日本』という表現にはげんなりしますが、しかし、こういう当たり前の視点は持っていたいものです。

 しかし、アメリカという国は、よくいえばわかりやすい。利益のためなら何でもするというのか。
 北朝鮮に対して『レアメタル資源』に利益を感じたら、北朝鮮の核も認めてしまうということなのか。

 そういう形で朝米が進むことには賛成できかねるのは言うまでもない。

written by maneappa


http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20080904k0000m070127000c.html

毎日新聞 社説:視点 

【米印原子力協定】=論説委員 布施広

 日本など45カ国で構成される原子力供給国グループ(NSG)は、74年のインドの核実験に脅威を覚えた米国の肝いりで発足した。以来、インドのように核拡散防止条約(NPT)に加わらずに核兵器開発を進めた国とは核関連の取引、技術支援などは行わない--というのが国際社会の大方針になった。

 しかしNSG発足から30年。米ブッシュ政権はインドと原子力協定を結び、4日から開かれるNSG緊急会合で「インドは例外とする」ことで承認を取り付けようとしている。残り5カ月弱の任期をかけて、将来性に富むインドとの核ビジネスなどに道を開きたいらしい。

 もともと米国は利にさとく、よく言えば先見的な国である。10年前、クリントン大統領(当時)は米議会の反対を押して訪中し、天安門事件(89年)以来の冷たい関係を好転させた。いまや米中が緊密なパートナーになったことを思えば、前大統領の訪中は評価されてもいい。

 だが、米印協定は、利にさとくはあっても先見的とは言えまい。成長著しいインドとの核ビジネスを望むなら、NPT加盟を働きかけるのが筋だ。無条件にインドを例外とすれば、北朝鮮やイラン、パキスタンなどがどう動くか。「インド例外化」は先見的どころか、極めて危険と言わざるを得ない。

 そもそもブッシュ政権(共和党)の姿勢に重大な疑問がある。共和党は99年、民主党のクリントン大統領が署名した核実験全面禁止条約(CTBT)の批准を連邦議会で否決した。01年に発足したブッシュ政権はCTBTの「死文化」を公言し、核実験再開や「使える核兵器」の開発にも意欲を見せた。

 9・11テロ後、ブッシュ政権は大量破壊兵器の脅威を強調しつつも、国際的な核不拡散体制の維持強化に熱心だったとは言い難い。むしろ、もともと強い単独行動主義の傾向が、米印協定の推進という形でぶり返したようにも思えるのだ。

 米国内にも協定への反対論がある。2人の民主党下院議員は米紙への寄稿で、協定の承認要請を「ブッシュの危険な頼み」と呼び、これが認められればインドの核兵器製造能力は「年間7発から40~50発に増える可能性がある」と指摘した。

 日本は毎年、国連で核兵器廃絶決議を提案し、国連軍縮会議の開催も受け入れている。今年は8月末、さいたま市で開かれた。ブッシュ政権はまもなく終わるが、日本には唯一の被爆国としての使命がある。米国に付和雷同してNPT空洞化に手を貸すことだけはやめてほしい。


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