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南北、第4回実務会談でも合意に失敗。会談は長期化?

2013年07月18日 | 南北関係関連消息

第4回実務協議を終え、硬い表情で握手する南北の団長


南北当局は15日の第3回会談に続き、開城工業団地の正常化に向けた第4回実務会談を17日に開いたが、依然として立場の差を狭められず合意に至らなかった。南北は来る22日に、第5回目の実務会談を開催する予定である。

南側のキム・キウン首席代表は17日、会談後のブリーフィングで「前回の会談で交換した合意文草案をもとにして、双方が率直な意見交換を行なって協議を進めた。われわれは再発防止を実質的に保障してこそ開城工団を発展的に正常化させることができると説得し、実質的な再発防止案が合意書に含まれるべきだと強調した。一方、北側は公団の操業再開を優先する既存の立場をくり返すだけだった」と説明した。

会談後の報道を見ると南北双方は相手側を非難することに終始し、具体的な提案内容を公開していない。南側のキム首席代表も「再発防止保障措置に関して北側が進展した立場を見せなかった」と強調するだけで、「北側の提案内容を具体的に申し上げることはできない」と述べている。

一方、会談に参加した北側の関係者たちは「開城工業団地の発展を願うのは、南も北も同じではないか。同じ民族が肩を組み助け合って協力しようと作った場所なのに...」と述べ、「互いに相手の事情や立場を考慮すれば、適当な線で妥協することも可能なはずだ」と、一向に進展しない会談の行方に遺憾を表明した。

開城工団の入居企業も速やかな南北合意に期待を込めている。各入居企業は12日から始まった資材および完成製品の搬出を、五日目に当たるこの日も続けた。ある入居企業の代表は「私たちは公団の操業再開を想定して準備している」と熱く語った。一部の企業からは、「資材の搬出作業に際し北側の人員が参加し助けてくれた」との報告もあった。

開城工団の操業再開に向けた実務会談は、長期化の様相を見せている。今回の実務会談は、今後の南北関係を左右する重要な会談と言えるだろう。しかし、互いの原則的な立場を固執すれば会談は長期化するだけであり、会談の長期化に伴ってその動力も低下せざるを得ない。

双方は第一回目の会談で「開城工団の発展的な正常化」という認識を共有した。「発展的に正常化」する意志が強固で明確なら、その方法は、どのようにしてでも探せるだろう。南北は非生産的で消耗的な論争に、これ以上の時間を浪費すべきではない。

参考までに、7月18日付『聯合ニュース』の日本語版記事を紹介する。実務会談に関する『朝鮮中央通信』の記事を要約したものだ。韓国の主要メディアが北の報道をどのように紹介しているのか、参考にしていただきたい。 JHK



北朝鮮、南北当局者協議の報道で韓国を非難 

【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の『朝鮮中央通信』は18日、開城工業団地の正常化を話し合う4回目の南北当局者協議で、韓国が誠意のない態度を示したと非難した。 同通信は前日に協議が行われたことを報じ、「南(韓国)側は工業地区問題に対する責任と一方的な再発防止担保だけを前面に押し出しながら、問題解決に人為的な難関を作り出す、誠意のない態度を取った」と主張した。

 さらに、韓国は工業団地を正常化しようと言いながらも合意書草案すら準備せず、「協議を行っているとのパフォーマンスだけを披露しようとしている」と指摘した。
 
 北朝鮮は協議で、工業団地の早期正常化と発展に向け、▼「(操業)中断事態」の再発防止、▼工業団地の安定的な運営と円満な企業活動を保障する機関・制度的な仕組みづくり、▼身辺の安全・投資財産の保護、▼通行・通信・通関、▼工業団地の国際的発展、などに関する実践的な提案をしたという。

 中央通信は「北(北朝鮮)側の誠意ある努力にもかかわらず、南側の不当な主張と不誠実な態度により、協議は結実なく終わった」と評した。5回目の実務協議が22日に開催されることも明らかにした。 こうした韓国非難は、4回目の協議で双方の溝が深かったことを示すものと受け止められる。

 一連の実務協議に対する北朝鮮の報道をみると、2回目の協議時には韓国に誠意がなかったと非難し、3回目は論評せず簡略に伝えている。