さっちゃん 空を飛ぶ

認知症で要介護5の妻との楽しい日常を 日記に書き留めたいと思います

自宅へ向けての退院が具体的に進み始めました。でも、その道のりは想像以上に険しそうです

2022-03-16 23:51:22 | 肺炎
今日の11時57分、災害医療センターから電話が入りました。
H越さんという方で、おそらく看護師さんだと思います。
退院支援計画担当者なんだと思います。

まずはさっちゃんの現在の状況の説明から話は始まりました。
酸素マスクは付けていないこと、そして経腸栄養のための鼻からの管が付けられていると言います。
でも、さっちゃんが鼻の管を外そうとするんだそうです。
この管は引っ張ると容易に抜けるんだそうですね。
手で引っ張らなくてもさっちゃんの動きの中で抜けそうになることもあるようなんです。
もちろんテープで止めたりはしているのですが、そのテープも外れることがあるのだそうです。
病院ではその対策として、さっちゃんに手袋をはめてもらっているようです。
手袋と言っても、ボクシングのグローブのように指は使えない手袋だそうです。

痰の吸引についても話してくれました。
病院では2時間おきに行なっているとのこと。
食事の前後や寝る前など、就寝中も定期的に行なうようです。
ゴホゴホと喉を鳴らしている時には必ず吸引を行なわないと駄目だと言います。
鼻と口から吸引を行なうので、鼻からの吸引ではさっちゃんが痛がるんだそうですね。
「鼻にも痰があるんですか?」と聞くと、「鼻水という形になります」と言います。
僕には医学的な正確な意味は分かりません。
簡単に出来ることではないので、「病院に来てもらって実際にやってもらいましょう」と言われました。

この痰の吸引はいつまでも続くことが予想されるようですね。
と言うのも、さっちゃんの場合、肺炎の完治が難しそうだからです。
明らかな誤嚥という訳でなくて、通常の状態の中で少しずつ誤嚥が生じているからだそうです。
さらに鼻から胃に管が入っていますから、その影響もあって痰は出来やすいんだそうです。

痰の吸引は自宅での看護のポイントになりそうですね。
さっちゃんを傷つけずに僕が吸引できるようになること、そして就寝中も1度か2度は起きて、さっちゃんの痰の吸引をすることが必要です。

他にも、H越さんはさっちゃんの様子を教えてくれました。
どうやら座ることも出来なくなっているようですね。
今回救急搬送される前は、ベッドサイドに自力で座り続けることは当たり前のように出来ていました。
でも、今は出来ないのだそうです。
支えがないと無理なんだそうです。
俄かには信じられません。

排便のことも聞いてみました。
排便はあるようです。
どれくらいの頻度かとか、どんな様子の便なのかまでは聞きませんでしたけれど。

途中、H越さんが介護ベッドのことをチラッと聞いて来ました。
褥瘡防止のための体交についてです。
いま使用しているマットは軟らかく体圧を分散するだけのマットです。
自動で体位変換が出来るようなマットもあるようですから、そんなマットの使用も考えた方がいいかもしれません。

そうなると、これまでは僕はさっちゃんの横で(縮こまって)寝ていたのですが、同じベッドでは寝れなくなりそうですね。
ですから、今日僕は敷布団を探しました。
6畳の部屋に介護ベッドですから、家具も置いてあったりして、僕の寝るスペースが狭いのです。
幅が90cmほどのところで布団を敷いて寝なければなりません。
買い物に行ったついでに、無印良品、ニトリ、カインズを回ってみました。
帰宅してからも、ネットで調べてみました。
すると、ニトリに85×185cmの子供用サイズ敷布団がありました。

「鼻からの管で順調に体の栄養状態が良くなったら、体力も付くでしょうか?」と僕は聞いてみました。
ところが、H越さんの返答はこうでした。
「口から食べないと体力は付かないと思います」
でも、僕は信じたいと思います。
体の栄養状態が改善されたら、リハビリを繰り返して、座れるようになり、立てるようになり、歩けるようになると。

H越さんとは電話で30分近く話していましたが、その時々に自宅で介護・看護する僕の覚悟を確認するような言葉を投げかけて来ました。
現状のさっちゃんを自宅で診続けるのは大変なことで、相当の覚悟が要ることです。
その覚悟をH越さんは確認してくるのです。

また、病状が急変した場合の究極の選択をどうするかについても聞かれました。
H越さんは「医師は早い段階からそのような意識を持ってもらいたいので、必ずそういう問いかけをする」と言います。
訪問診療の医師や救急隊員から「このまま看取るか、時間とお金をかけて治療するか決めて下さい」と問われた時のことを思いました。
あの時は、このまま看取るという選択肢は僕にはありませんでした。
突然過ぎて、そんなことは考えられなかったんです。
さっちゃんを治療してもらうことしか念頭にはありませんでした。
そこへ突然、看取るという言葉が暴力的に乱入して来て、ただただ驚き混乱しました。

でも、今は少し違うかもしれません。
さっちゃんにとって何が幸せなのかいろいろと考えたいと思います。
H越さんと話しながら、僕は電話口で言葉に詰まり、嗚咽しそうになりました。
どんな選択、どんな結論を出すにしても、どちらも辛く悲しいことです。

理想論かもしれませんが、僕はさっちゃんを自宅で僕の目の前で看取りたいと思います。
コロナ禍ですから、病院では目の前で看取ることは出来ないのかもしれませんし。
コメント
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