すり込み

仕事が忙しくなると、煮干しが食べたくなる。
身体が欲するからには、きっと何らかの因果関係があるのだろう。

さて、昼寝して、起きて仕事して、また昼寝して、という繰り返しの日曜だった。
土日の仕事は、マイペースで出来るのだけがいいところだ。

夢うつつのところで、スマホ宛に変なメールが来た。

「大家です。今月からこちらの口座に振り込んでください。云々。」

詐欺である。
３ヶ月前も来たから、うちの支払いサイクルをよく心得ているらしい。

確かにもうすぐ支払いの時期。
だが、私には引っかかりたくても、引っかかれない事情がある。

それは、工商銀行のネットバンクで、振り込めなくなったから！！！
銀行のATMでやってもいいけど、
中国のATMは、タッチパネルが日本以上に汚れていて、触る気がしない。
現金を引き下ろすだけでも、そのあと指先を消毒したくなる。
（私はけっこう潔癖だ）

ということで、現金で大家さんのところに持って行こうと思っていたのだ。
詐欺師さん、残念でした。

ちなみに、世界でいちばん触りたくないものは、人民元である。
お金はもともといろいろな人が触って汚いものだけど、
人民元は、はんぱなく汚いと思い込んでいる。

最近は、お財布を持つ人も増えたので、20年前のようにポケットにつっこんで、
汗にまみれ、ぼろぼろになったお札というのは、少なくなったけれど、
それでも、やっぱり、一度すり込まれた偏見というのは、
そうそうなくなるものではない。

オリンピック招致のおかげで「日本人はうそつきだ」という偏見が、
きっと世界中にすり込まれることだろう。アーメン。