ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

モンスター

2013-07-16 23:39:21 | Weblog
朝からちょっとしたクレーム処理をした。
相手は日本人だったんだけど、
向こうの言い分に腹が立つというよりは、めんどくさいなあという気分で、
思わず「この人絶対、モンスターペアレントだ」と言ったら、
同僚の中国人が「それなに?」と聞いて来た。

彼女は日本語がかなりわかるし、日本のことにもすごく興味をもっている。
彼女の「ワンピース」評なんかは、なかなかのものだ。
いまだに「ワンピース」を見たことがない私でも、
それが日本の世相とどのようにマッチしているのか、
中国人にもどうして受けているのか、
かなり正確に把握できていると思う。

ということで、わたし流モンスターペアレント解説。

学校で「うちの子は悪い子じゃない」って、
何でもかんでも学校や先生、周囲の同級生のせいにして、クレームつけてくる親のこと。
根底には「うちの子が悪いってことは、私の子育てが悪いってことじゃない」という
「自分は悪くない」思想があって、それが元凶。
子どもなんて「こんにちは」「ありがとう」「すみません」という簡単な言葉も、
トレーニングしなきゃ使えるようにならない。
なんでも訓練して初めて自分のものになるのに、
それをさせないで「うちの子は悪くない。頭だっていい」って、
論点をすりかえちゃう、おバカな親のことよ。
性格がいい悪い、頭がいい悪い以前に、
ちゃんと人の話を聞いて理解し、それをやってみることを教えないと、
自分で使えるようにならないだけなのにねえ。
結局、ぜんぜん子どものことなんか見てないんだよ、と。

そしたら「中国にも、そういう親、たくさんいる! 今度使おう」と喜んでいた。

その後、一緒に昼食を食べに行ったら、
日本人の子どもたちが、お店の中を走り回っていた。
私が「すみませ~ん」と日本語で店員を呼んだら、「あっ」と言いながらひるんだ。

どうやら周囲はもっとうるさい中国人だから、騒いでもいいや、と思っていたところに
いきなり日本人がいたから驚いた様子。

せっかく気がついてくれたので、
「あんまり走り回っちゃダメよ。ご飯を食べるところなんだから」と注意しておいた。
まったく、ヒマな太太(読み「タイタイ」。駐在員の妻たちをこう呼ぶ)たちよ、
サービスアパートメントに住んでて、家政婦さんが何でもやってくれるんだから、
自分のネイルの心配と同じくらいには、子どもの躾を心配してくれ。

大手企業の高給取り社員の子どもが、あれじゃ~な~。

半分

2013-07-16 00:01:09 | Weblog
昼食に鉄板焼きを食べた。
カウンターのような席に座っていたら、隣に上海人のおばちゃんが1人で来た。

まず最初に上海語で店員さんに話しかけ、通じないとわかってから、
スゴい訛りの北京語を話し始めた。
ビジネスランチのメニューをいちいち確認していく。

日本人の場合、「全部書いてあるから、ちゃんと読んで」となるのだけど、
中国人の場合、そうではない。

メニューに書いてあるからと言って、今日それがあるとは限らない。
上海の地下鉄も、まだ工事すら始まっていない路線が、すでにあるかのように書かれている。
つまり、紙に書かれたものは「こうだったらいいな」という願望のかたちに過ぎないので、
それをそのまま信じるわけにはいかない。

ということで、中国人は必ず根掘り葉掘り確認する。
公共機関だろうが銀行だろうが、それがランチのメニューだろうが、とにかく全部聞く。
確かに公共機関でも、「うそ」というか「ホラ」を吹かれることがままある。
だから、中国ではこれが正しいのだろう。
が、うるさいし、非効率だと思う。
20元ランチくらい、もう少し譲っておけ。

ただ、私にとってやっかいなのは、
この「紙に書いてるものは半分くらい」という感覚は、
仕事上でも気をつけなければならないことだということ。
手順書を作っても、ちゃんと守らないし、
それで、そこを突っ込んでも「ちゃんとやってる」と言い張る。

そもそも紙に書かれていることは理想に過ぎず、
半分できていればいいじゃん、というお国柄なのだから、
自分に非があるとは認めないし、
「それは上が決めたことで、俺には関係ない。
 お前からうまく上に言っとけ。それがお前の役目だ」くらいなことを
平気なドヤ顔で言ってくる。

私は私腹を肥やしている中共の役人ではない。
賄賂取るぞ、まったく!と怒鳴りたくなることもしばしば。

上海人の場合、もう少しスマートなのだが、
田舎の長男(中国人がみんな一人っ子だというのは幻想だ)は、特にヒドい。

そうだよなあ。
一人っ子政策も、紙に書かれたことだから、半分くらい守られてればいいんだよな。
いま会社の同僚は、上海人は一人っ子が多いけど、
地方の人は、3人兄弟なんて普通だし、なかには7人なんて人もいる。
「もしかしてそのうち何人かは戸籍ないとか?」と失礼承知で聞いてみたけど、
「うちの辺りの政府はあまり厳しくないから大丈夫だったの」と。
まあ、あれやこれや、いろんな解決方法があるんだろう。

「書いてあることをちゃんと読んでやる」というのは、
たぶん日本の義務教育の高さとモラルの高さを証明しているのだと思う。

さて、中国のGDPが発表されたけど、これをどう読むかだよねえ。