ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

かがみ

2013-07-11 01:24:49 | Weblog
今日は、私にとって、なかなか苦行な一日だった。

印刷所で、印刷の立ち会いをする。
しかも、日本語がまったくわからない中国人の90后に対して、
中国語による印刷工程解説付き。

用紙によってにじむとか、
梅雨の時期は湿度が高いから乾燥に時間がかかるとか、
もっと言うと、中国人の彼女は、試し刷りになんでこんなに部数がいるのか、と
もったいないじゃないか、と、疑問をもつ。

印刷機も、始動時と安定期とで色味が微妙に変化するから、
これはある意味で、「必要悪」なのだと説明したり、
CMYKは網点勝負だから、拡大鏡を持ってきて、点を見せて説明したりとか・・・。

我ながら、よくがんばったと思う。

帰り道、日本から来る大切な友人のために
今日、アイスクリームの誕生日ケーキが買いたいと言ったら、
「なんでもっと早く言わないんだ!」と怒りながらも本気で探してくれた。

もちろん、中国人が探すところなので、安かろう悪かろうの感覚が残るのだけど、
私のリクエストを尊重して、最後はハーゲンダッツに電話してくれた。

こういう、恩をちゃんと行動で返すあたり、
中国の育ちがいい人たちは、しっかりしてる。
逆に日本人の方が、礼儀がないんじゃないかと思うくらいだ。

今日行った印刷所では、現場の人もいつも以上にフレンドリーだった。

中国人の新卒に対して、日本人が下手な中国語を駆使して、
一生懸命に印刷の素晴らしさを語る。

最後に、印刷所の人に言われた。
「こんな上司がほしかった。日本人の本当に知識がある人から、
 こんなふうに教わりたかった」と。

そして、「彼女は90后だから、いま、どれだけ恵まれてるかに気づいてないけど、
きっと10年後、わかるよね。自分がどれだけ恵まれてたかを」とまで言ってくれた。

そして、日本人が本気で中国人と向き合おうとしているとき、
周囲の中国人は本当に親切だ。
私の足りない中国語をフォローして、ちゃんと説明してくれる。

中国人だって、その道10年以上の人は、
中国人の若い人に、自分の仕事の価値を知ってもらいたい。
それを日本人が仲介してくれるなら、彼らにとってラッキーなことだ。

日中のあり方に、少し気づかされたし、
日本人は本当に優秀でなければならない。
世界レベルで見たときに、私たち日本人に本当に競争力があるか。

会社の枠組みにとらわれず、一個人になったとき、競争できるか。

ここに立ち返るべきときが来ているし、
それにきづかせてくれる中国は、日本を映す鏡だと思う。