映画鑑賞感想文

濫観っていうか、乱観っていうか・・・ポリシーないですけど(^^;

『ジャス大名』

2010-04-23 14:06:22 | Weblog
1986年 日本
監督:岡本喜八
出演:古谷一行、財津一郎、神崎愛、岡本真実、殿山泰司、本田博太郎、今福将雄、小川真司、利重剛、ミッキー・カーチス、唐十郎、細野晴臣、右門青寿、山下洋輔、タモリ

筋らしい筋はないです。タイトル通り、ジャズ大名な話ですね(^^;。岡本喜八監督で、原作が筒井康隆さん・・・当然、こうなりますよね(爆)。幕末の騒乱を、完全におちょくってます。それが、ものすごく痛快です。

そう・・・明治維新って、今の社会に繋がる出来事だから、必然的に美化されていますが・・・日本の状況がシッカリと見えていて、このままじゃ日本は駄目だって思って、わが身を捨てても、国と民のために変革を意志した人なんて、ほとんど存在しないと思います。結局は、権力闘争なんですよね。今まで冷や飯を食っていた連中が、難局に直面して無能を曝け出した既存の権力を、ここぞとばかりに叩いて勝利したと・・・あっ、どこか、民主党の政権奪取に似てますかね・・・と、まっ、そういうことですから、その後に作られた物語ほど美しいことでも立派なことでもないわけです。そういうことを、岡本監督の映画を見ていると、感覚的に感じますよね。

ただ・・・この映画に関しては、冒頭とラストが、いささが冗長だと、わたしは感じるんですよね。ちょっと悪ふざけが過ぎているようなね・・・そんな気がするんですよね。間は、ふざけているようでも、かなりシッカリ構成されていると思うんですが・・・冒頭とラスト、あれはワザとですかね。素人目にも、もう少しスッキリさせられるように見えるわけですから・・・うむ、きっとワザとですね。それも、岡本監督の狙いなんですかね。でも、何が目的?

けど、とにかく、トータルで楽しかったですから、満足です。岡本監督に関しては・・・監督が望むものをお撮りになれば、それを拝見させていただくだけで結構、というのが、わたしの基本スタンスですから、はい(^^;。

『OBERON日記』
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『秋立ちぬ』

2010-04-23 14:03:47 | Weblog
1960年 日本
監督:成瀬巳喜男
出演:乙羽信子、大沢健三郎、一木双葉、藤間紫、夏木陽介、原知佐子、加東大介、河津清三郎、菅井きん

母と一緒に上京し、親戚の家に身を寄せた小学生の秀男は、なかなか都会の生活に馴染めない。そのうち、住み込みの仲居として働き始めた母は、客の男と駆け落ちしてしまう。しかも、せっかく出来た友達の順子も、親たちの都合で引っ越してしまう。

不幸です、憐れですって、悲しさの押し売りはしていないし、同情を求めてもいないんですよね。それが、とっても気持ちいいです。そして、逆に、勝手に切なくなります。寡黙だった監督が、珍しく幼い頃の自分の体験を反映させた作品だということですが・・・それでもやっぱり、多くは語らない監督らしさは、如実に現れている気がします。

たしかに、大人の都合に振り回される子どもたちが描かれていますが、そういう身勝手な大人を告発しているというよりは、淡々と現実を描いているようにも思えます。たしかに、秀男を親戚の家に置き去りに駆け落ちした母親をはじめ、大人たちの行動は自分勝手ですが、母親神話で飾り立てた虚像の母性を見せられるより、諦めがつくというか・・・なんだか、それでも大人は大人なりに、懸命に生きているのかもしれないという思いも生まれてきます。

秀男は可愛そうですが、親戚の家族は普通に良い人たちですし、都会の子どもたちも決して悪い子達じゃありません。いずれは馴染んで、強く生きていくだろうという希望も見える気がします・・・それは、わたしの願望かもしれませんが(^^;。

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『原爆の子』

2010-04-22 12:58:46 | Weblog
1952年 日本
監督:新藤兼人
出演:乙羽信子、滝沢修、宇野重吉、山内明、清水将夫、細川ちか子、北林谷栄、多々良純、東野英治郎、殿山泰司、奈良岡朋子

原爆で家族を失い、瀬戸内海の島の叔父の家に身をよせ、その島で先生をしている孝子は、夏休みを利用して、故郷の広島に戻ることにした。目的は、家族を失った実家のあった場所に参ることと、広島で幼稚園の先生をしていた時の同僚や教え子を訪ねること。そして、広島に戻った孝子先生が目にしたものは・・・

新藤兼人監督は、たしか広島出身でらっしゃるんですよね。だからってことで片付けてはいけないことですが・・・まだGHQの占領下にあった昭和27年に、原爆を正面から扱う映画を撮られたわけですから、その覚悟っていうか、思いの強さは感じずにいられませんよね。実際、監督がのこの企画を持ち込んだ映画会社はどこも、GHQの許可が下りないだろうと判断して手を出さなかったそうです。それで結局、近代映画と民藝の共同製作の自主制作映画になったんですね。

でも、民藝の参加で、キャストは豪華ですね。宇野重吉さん、滝沢修さん、北林谷栄さんに、奈良岡朋子さんも。主演は、当時、大映のスターだった乙羽信子さん。乙羽さんは、この映画への出演をキッカケに大映を退社し、近代映画協会に入社したわけですから、ある意味、監督と乙羽さん、二人の人生を決定付けた作品でもありますよね。

なんて薀蓄は、あまり必要ない映画です。とっても分かりやすくて・・・しかも、原爆を真正面から捉えているのに、どこか明るく、しかも恨みがましさがないんです。胸が締め付けられるような辛いシーンや悲しいシーンもたくさんありますし、時には恨みのこもった台詞もありますし・・・原爆の惨さは十分に伝わってくるのですが・・・でも、なんていうか・・・そう!人の心にある優しさや思いやりは、原爆によって壊されていないんです・・・それで、見ている者も、救われる気持ちになるんです、きっと。

映画は、孝子先生が広島で出会った人たちのことを描いているので、いくつかのエピソードが組み合わさった構成になっているわけですが・・・こういう構成になっている場合、一つのエピソードで一本撮れない薄さが気になるというか、ともすれば寄せ集めになってしまうケースもなくはないのですが・・・この映画に関しては、被爆した子どもたちの文集『原爆の子』がベースになっているということで、むしろ淡々としたリアリティーが生まれたような気がします。

それから・・・新藤監督の映画って、突然アーティスティックな画が押し込まれる傾向があって・・・わたしはいつも「それさえなければ好い映画なんだけどなぁ~」と思ってしまうんですが・・・この映画でも、やっぱりそういうところはありました(^^;。ただ、子どもを走らせて上から俯瞰で撮るような画は、すごく好きでした。そういう、ちょっと一貫性のない、凡人には理解しづらい不思議な撮り方をする監督なんですよね、新藤監督って(^^;。

とにかく・・・辛いんだ、悲しいんだ、酷いことされんだって、畳み掛けるように傷みや恨みを訴えられるより・・・優しさと明るさが投げかけるものが、見終わった後、どんどん心の中で大きくなっていく映画でした。入り口を広く作った映画なので、原爆映画なんて苦手だなと思われる方にも、見て頂きやすいかと思います。ぜひ、機会があれば、ご覧いただけると嬉しいです。

実際の原爆の被害は、肉体的な悲惨さだけでなく、精神的な部分の打撃も大きく、優しさや思いやりも打ち壊されてしまうような酷いことも沢山あったと聞きますが・・・とにかく、まずは一歩を踏み出してもらうために、とても良く考えて作られた映画だと思います。ほんと、機会があれば、ぜひご覧ください。

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『M』

2010-04-22 12:31:54 | Weblog
1931年 独
監督:フリッツ・ラング
出演:ピーター・ローレ、オットー・ベルニッケ、グスタフ・グリュントゲンス

ベルリンの街に、幼い少女ばかりを狙う連続殺人鬼が出現。必死の捜査にも関わらず、なかなか犯人を捕まえられない警察への市民の非難は高まる。世論に突き上げられ厳しさを増す警察の捜査は、思わぬところに影響を与えた。都会の裏側の商売が、完全に干上がってしまったのだ。ベルリンの裏社会の顔役たちは、この事態をなんとかすべく、集まって対策を練る。そして、自分たちで犯人を捕まえようということになった!

なんと1931年の作品ですよ。ラング監督にとっては、初のトーキー映画だったんだそうです。でもね、すごくセンスフルで面白いです。重い話のはずなんですが、全体的にコミカルで軽快です。特に役者が何か面白いことをするわけじゃないんですが、全体の空気が大らかで、見ていて安心できます。

でも、警察のお偉いさんたちの捜査会議と、裏社会の連中の密談が、シンクロする撮り方とかは、なかなか凝っていて、ほっほぉ~と感心させられます。

警察側にも敬意を払っているし、犯罪者側にも愛情が感じられるし、そういう包容力のあるスタンスもまた、素敵だと思います(^^)。

わざわざ探して見てくださいとまでは言いませんが、何かの機会がありましたら、是非、見ていただきたいなと思う作品です。

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『運命の逆転』

2010-04-20 13:39:32 | Weblog
1990年 米
監督:バーベット・シュローダー
出演:ジェレミー・アイアンズ、グレン・クローズ、ロン・シルヴァー、アナベラ・シオラ、ユタ・ヘーゲン、フィッシャー・スティーヴンス、ジャック・ギルピン、クリスティーン・バランスキー、フェリシティ・ハフマン、トム・ライト

1980年のクリスマスに、実際に起きたクラウス・フォン・ビューロー事件の映画化だそうです。大金持ちの妻サニーを、夫のクラウスが殺害しようとし、結局、サニーは植物状態になってしまったという、殺人未遂事件。一審で有罪になったクラウスは、ハーバード・ロー・スクールの教授で人権弁護士としても著名なアラン・ダーショウィッツに再審請求と弁護を依頼します。最初は躊躇っていたダーショウィッツ教授ですが、無罪の黒人兄弟の死刑中止の活動のための資金を捻出するためと、事件そのものへの興味でもって、引き受けることにします。映画は、その再審請求のためのダーショウィッツ教授チームの準備活動を中心に描かれています。

よくできているのだと思います。とても優等生な映画だと思います。実際の事件であることにも配慮して、最後まで真実は分からないというスタンスを貫いています。ダーショウィッツ教授のスタンスも、あくまでも「有罪を証明するには証拠が不十分、あるいは証拠が不適切」ということであり、「無罪」を主張しているのではないように思います。けれど・・・裁判とはそういうものですよね。冤罪で無実の人を罰するより、犯罪者を野放しにすることを選ぶ・・・そういう基本理念ですものね。

この映画では、クラウスを演じたジェレミー・アイアンズが絶賛されていたという記憶があります。実は、わたしはジェレミー・アイアンズさんが苦手なのですが、そんなに素晴らしいなら、印象が変わるかもしれないと思って見たのですが・・・逆に、今までのジェレミー・アイアンズさんのイメージが補強されてしまいました(爆)。たしかに「やってるかもしれない、でもやってないかもしれない」という雰囲気は見事でしたけどね(^^;。

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『記憶の棘』

2010-04-19 13:23:04 | Weblog
2004年 米
監督:ジョナサン・クレイザー
出演:ニコール・キッドマン、キャメロン・ブライト、ローレン・バコール、ダニー・ヒューストン、アン・ヘッシュ

アナの再婚を祝うパーティーに突然あらわれた少年は、自ら、自分は10年前に無くなったアナの夫ショーンだと名乗った。誰も悪い冗談だと取り合わなかったが、アナは動揺した。そして、次第にアナの中で大きく育っていく「少年は亡き夫だ」という思い・・・というようなお話。

なんだかね、子役のキャメロン・ブライト君が巧いの、巧すぎるの。どうして、あんなに大人に見えるのかな。表情が乏しいからかな。最後の方で、感情が揺れ動くシーンでは、子どもらしい愛らしさが覗いてたもんな。大人って、子どもに比べて、表情が豊かじゃないってことなのかな。いや、表情がないというよりは、顔の筋肉がいつも緊張している感じなのかも・・・いや、迷いの無い視線のせいかな・・・とにかく、普通の子どもには見えないの。だから、この映画が嘘くさくならなかったんだなぁ~、きっと。体型は、めちゃくちゃ子どもらしいんだけどな(爆)。

キャメロン・ブライト君の体型といえば・・・ニコール・キッドマンとの入浴シーンがあったのです、彼。なんでも、このシーンは、ヴェネチア国際映画祭でブーイングが起こったそうなんですが・・・うんうん、ブーイングしちゃうの、分かるなぁ~。だってね・・・明らかに性的な雰囲気なんですよ。だって、アナは少年を亡くなった最愛の夫だと思ってますし、少年は自分のことをアナの夫だと本気で思ってますからね・・・その二人が一緒にお風呂に入るシーンとなれば、セクシャルな雰囲気にもなるでしょうよ、設定的に。で、ちゃんと二人の役者さんは、それを巧く演じたわけですよ。ただね・・・役者の一人は、名優といえど子どもでしょ。見ている者は、どうしたものかと困っちゃうんですよね。

世の中には、赤ちゃんも子どもいるわけで、成人だけで映画は撮れないのは当然なんですが・・・赤ちゃんや子どもを出演させる場合には、大いに気を使ってもらいたいものですよね。天才子役と言われるような子達は、現場で子どもというより役者さんなんだろうと思いますが、それでもやっぱり彼らは子どもですから、大人が気を遣って欲しいです、精神的成長に支障がでるようなことがないように。

でも、まっ、とにかくショートヘアーのニコール・キッドマンが超可愛いの。だから、オヤジな婚約者にも、ぽっちゃり体型のガキにも、渡したくないなぁって思ってました(爆)。

基本的に、観客は、アナと少年の関係を応援すべきなんだろうと思うんですが・・・少年に生まれ変わった元夫のショーンの、アナに対する愛がエゴにしか見えなくて、それで気持ちが殺がれてしまうんですよね。彼のアナに対して権利があると思っている態度が、自己中心的すぎで嫌なんですよね。もし本当に、彼が亡くなったショーンの生まれ変わりだったとしても、それで今もアナを愛していたとしても、今のアナの幸せを奪う権利はないでしょ。そっと見守るべきでしょ。アナが不幸そうならまだしも、結婚を祝うパーティーに現れて、結婚するなはないでしょ・・・って思うわけです。だから、ほんとうのところ、映画の製作者は、観客に何を感じて欲しいのかが読めないっていうか・・・とにかく、二人の愛に共鳴はできなかったんですよね。

それにね、少年ショーンの、生みの母に対する冷たさがね・・・子をもつ母として、悲しくてならなかったです。生んで、愛しんで育ててくれたお母さんを、そこまで無視していいのかって話ですよね。本当に生まれ変わで、少年としての意識はまったくなく、成人男性ショーンの気持ちしかないにしても、礼儀を知らない奴でしょ、コイツ。ブライト君のぽっちゃり体型を見ると、責める気持ちも勢いがなくなるんですが、大人のショーンって奴は、アナが惚れるに足りる人物ではないですよ、マジで。

そういう意味では、それが、大どんでん返しへの伏線なのかもしれませんが・・・伏線としては、あまり活きてないんですよね。ちょうど、話に飽きてきたあたりで、どんでん返しがあったのは、良い構成だと思いますし・・・あれはどういうことなの?と思っていた、ハッキリ提示されていた伏線も表に飛び出してくるんですが・・・成人ショーンが素敵じゃない男なんじゃないかと観客が感じる設定は、やっぱり失敗だと思います。

それにラスト・・・あのラストも、何なのかな?肩透かしっていうか、意味わかんねぇ~っていうか・・・一つ一つのシーンは好いんですが、締めとしてあれでいいのか。観客として、若干、馬鹿にされたような気がしますよね。

でも、まっ、とにかく、ショートカットの二コールの画だけで、この映画は合格点獲得ですが(笑)。

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『BODY ボディ』

2010-04-18 13:00:08 | Weblog
1992年 米
監督:ウーリー・エデル
出演:マドンナ、ウィレム・デフォー、ジョー・マンテーニャ、アン・アーチャー、ユルゲン・プロフノウ、フランク・ランジェラ、ジュリアン・ムーア、マイケル・フォレスト

高齢の富豪が心臓発作で亡くなった。検察は、彼の愛人だったレベッカを殺人の罪で起訴した。彼女自身の体(BODY)を凶器にし、激しいSMセックスとコカインで、心臓病の老人を故意に死に至らしめたというのだ。あくまでも無罪を主張するレベッカ。彼女の弁護士フランクは、彼女を救えるのか・・・というような話かな。というより、弁護士のフランクを含め、周りの男たちを、自分の肉体でたらしこんでいく女の話、かな。いや、やっぱり、ただただマドンナの肉体技を披露する映画かな(^^;。

わたし、『プラトーン』以来のデフォーふぁんなので、公開当時から、かなり楽しみにしてたんです、この映画。当時、この映画に対する世間の評判はあまりよくなくて・・・自分の目で見ても「なるほどな」って思った記憶があります。

でも、見返してみると、そんなに悪くもないんじゃいかと思いましたよ。たしかにねぇ~、マドンナの裸体が生々しくないんですよね。だから、いくら脱いでくれても、いくら激しいセックスシーンを演じてくれも、エッチじゃないんですよね。エロさが売りみたいなところがあったので、この湿り気の無さに、観客ががっかりしたとしても、それは責められないかなとは思いますが・・・ぬらぬらしたエロティシズムを最初から期待しないでみれば、そんなに悪くはないですよ。

マドンナの泣き顔を正面からアップで、じぃ~っと撮るみたいな演出は、ちょっとイタダケナイって思いますが、マドンナの台詞回しとかは、大げさじゃなくて良かったんじゃないでしょうか。英語の台詞じゃぁ、ちゃんとした感想も言えませんが、そんな気がします。

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『地獄』

2010-04-18 12:33:21 | Weblog
1979年 日本
監督:神代辰巳
出演:原田美枝子、岸田今日子、林隆三、石橋蓮司、西田健、田中邦衛、加藤嘉

母娘二代にわたる地獄堕の話です(^^;。母ミホは、夫の兄と密通の上、子どもを宿し駆け落ち。けれど、追ってきた夫に弄り殺され地獄へ。そんな母の死体から生まれた娘アキは、そっと養護施設に預けら成長するのですが、年頃になって引き寄せられるように母の死んだ地へ訪れます。そして偶然知り合った幸男と恋におちるのですが、幸男はアキの異母兄だっのです。その事実を知ったときには、すでに二人の気持ちは抜き差しなら無いところまで来ていました。アキは近親相姦の罪を犯してしまい、地獄へ。と、まっ、そんな話です。

原田美枝子さんが大好きだし、岸田今日子さんも大好きなので、喜んで見たのですが・・・どうしたもんでしょう、はぁ~(爆)。地獄の描写もふざけてますし、ストーリーもいい加減ですし、酷評したいのは山々なんですが・・・なんだか、切り捨ててしまえない何かがあるんですよね(^^;。

役者さんは、みんな、熱演だったし、良かったですよ。原田美枝子さんや岸田今日子さんはもちろん、林隆三さんは超カッコよかったし、加藤嘉さんが最高に好い味だしてくださってました。山崎ハコさんの歌も良かったですしね(^^)。

そうだ・・・地獄部分を描かなきゃ、とっても好いドラマだったんだ! けど、監督は、どっちかっていうと地獄の方を描きたかったんでしょうね(^^;・・・だから、余分が多くて面倒くさい映画になっちゃったんだ、きっと(爆)。

わたし、自分でいうのもなんですが、B級映画に理解があるっていうか、際物映画も十分に楽しめるタイプの観客なんですよ。なのに、そのわたしを困らせるというのは・・・やっぱり、何か足りないんですよ、監督ぅ~。それでも、切り捨ててしまえない魅力はあるんですから、どうか撮りなおしてくださいよ、監督ぅ~(笑)。

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『木村家の人々』

2010-04-18 12:20:00 | Weblog
1988年
監督:滝田洋二郎
出演:鹿賀丈史、桃井かおり、岩崎ひろみ、伊崎充則、柄本明、木内みどり、小西博之、清水ミチコ、加藤嘉、酒井敏也、鳥越マリ、池島ゆたか、上田耕一、竹中直人、ベンガル

「ひたすらお金を貯めることだけに奮闘する木村家の人々の姿を、財テク・ブームへの皮肉を交え、ブラックな味付けで描いたホーム・コメディ」ということだったんですが・・・そうなのかなぁ。

実は、ずっと前に、一度、この映画見てるんです。その時には、上記のような解説に違和感は感じなかったのかもしれません。けど、今のわたしは、木村家の人々を、肯定的に見てしまいます。

毎日、小銭稼ぎに勤しむ木村家の人々・・・そもそも、彼らは誰に迷惑もかけてないし、とにかく明るいし前向きだし・・・なんの否定をされる筋合いもないと思うんですよ。むしろ、高齢者を雇っての新聞配達や宅配サービス、お惣菜の買取なんかは、すばらしいと思います。先見の明があるといっても過言ではない(^^;。

キャストも好いし・・・劇場にいって見たい映画ではないし、ちょっと古臭い印象派否めないんだけど、DVDやTV放送で見るには面白いと思います。いろいろ軽く考えさせられるものもありますしね(^^)。

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『濡れ髪剣法』

2010-04-18 11:40:09 | Weblog
1958年 日本
監督:加戸敏
出演:市川雷蔵、八千草薫、中村玉緒、大和七海路、阿井美千子、島田竜三、潮万太郎、和泉千太郎、小堀明男、本郷秀雄、小川虎之助、荒木忍、羅門光三郎、香川良介、上田寛、葛木香一

雷蔵さんのコメディーです。すごく面白いです。クールでカッコいい雷蔵さんファンの方は「いやいや」って思われるかもしれませんが、雷蔵さん、コメディー、上手いですよね。この作品は時代劇ですが、現代劇の『ぼんち』とかも、わたしは大好きです(^^)。

そうそう、この作品、時代劇といいましたが、当時の分類では“明朗時代劇”“パロディー時代劇”になるのかな。タイトルにある「濡れ髪」も、別に誰かの髪がぬれているわけじゃなく、濡れ髪シリーズという雷蔵さんのパロディー時代劇のシリーズ名みたいですよ。

この作品には、直接関わっておられないようなんですが、濡れ髪シリーズにとって無くてはならない八尋不二さんという脚本家さんがいらして・・・彼は“梶原金八”のお一人だったんですよね。

で、“梶原金八”というのは、昭和初期に京都の鳴滝に住んでいた八人の若い監督や脚本家たちが作った鳴滝組の共同共同ペンネームで・・・彼らは、この名前でもって、「チョン髷をつけた現代劇」と言われるライトで楽しい時代劇を、たくさん作り出したんです。ちなみに、わたしが大好きな山中貞雄監督も鳴滝組の一人、つまり“梶原金八”のお一人だったんです。中山監督は、戦死されてしまったんですが・・・もし生きて戦後を迎えられていたら、どんな映画を撮られたんだろうと、詮無いことを思わずにいられません。

って、まったく『濡れ髪剣法』の話をしていませんが・・・とにかく、見て損はない楽しい映画です。古い日本の娯楽映画なんてと馬鹿にしないで、一度、この時代の映画も見ていただければ嬉しいです(^^)。

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