映画鑑賞感想文

濫観っていうか、乱観っていうか・・・ポリシーないですけど(^^;

『めがね』

2010-04-13 11:19:05 | Weblog
2007年 日本
監督:荻上直子
出演:小林聡美、もたいまさこ、市川実日子、加瀬亮、光石研

携帯電話の通じない海辺の宿「ハマダ」に、タエコは一人でやってきた。出迎えたのは、宿の主人ユージ。そして、毎年、シーズンオフのこの時期になったら、いずこからともなくやってきて、人々に美味しいカキ氷を振舞っているらしい女性サクラ。そして、宿の客でもないのに、いつも「ハマダ」で皆と朝食を共にしていく、地元の高校の教師のハルナ。最初は、彼らの独特の雰囲気に馴染めず、「ハマダ」を出ようとしたタエコだったけれど、いつの間にか彼らのリズムに馴染んでいた。タエコが「ハマダ」での生活を受け入れたころ、タエコを追って教え子のヨモギが「ハマダ」にやってくる。なぜか、最初から「ハマダ」に馴染むヨモギ。特に何が起きるということもなく、五人の「ハマダ」での、タソガレ時間が過ぎていく。そんな話ですかね。

荻上監督で、このキャストといえば、『かもめ食堂』を思い出さないわけにはいきませんよね。『かもめ食堂』は、公開当時、映画好きな人たちの間で、ずいぶん話題になっていたように記憶しているんですが・・・実は、わたしは、いまひとつ、その魅力が分からなかったんです。なんとなく頭では分かるんですが・・・それじゃあダメですよね、『かもめ食堂』の味わい方って。だから、それは、まっ、たとえるなら、「ハマダ」を出て行こうとしたときのタエコのような感じだったのではないかと思うのであります。けれど、今のわたしは、「ハマダ」に戻ってからのタエコなのかなぁ~・・・不思議と『めがね』は楽しめたんですよね。

わたしのように、根っこに対人恐怖症があり、自意識とプライドが異常に高い人間は、人との距離というのに神経質なんですよね。だから、朝起きたら部屋に人が座っていて「おはよー」って言われるとか、みんなで一緒に体操をするとか、親しくない人と食卓を共にするとか、そういうの、正直、我慢ならないんです。

けどね・・・だんだん、分かってくるんですよね。大切にしなきゃいけない人との距離って、そういうことじゃないんだって。で、思うわけです・・・「ハマダ」の人たちの距離感って面白いって。

というわけで・・・ここ何年かで、精神的にいくらかは成長したのか、『かもめ食堂』の好さが分からなかったわたしも、『めがね』の好さは分かるようになったのでありました。

『OBERON日記』
http://blog.goo.ne.jp/oberon-p/
コメント
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