映画鑑賞感想文

濫観っていうか、乱観っていうか・・・ポリシーないですけど(^^;

『別れる決心』

2023-07-26 17:38:16 | Weblog

2022年 韓国

監督:パク・チャヌク

出演:パク・ヘイル、湯唯(タン・ウェイ)、イ・ジョンヒョン、コ・ギョンピョ、パク・ヨンウ、キム・シニョン

 

男性の転落死を担当した刑事のヘジュンは、大方の見方が自殺である中、被害者の妻の中国人女性ソレの犯行をを疑い、一人で捜査を行う。ソレにはアリバイがあるのだが、へジュンはどうしても彼女から目が離せない。自分の中のどうしようもない心の動きに戸惑うヘジュンは・・・

 

「韓国映画なのに湯唯?」と思ったけど、最近はよくあることだし、彼女、たしか韓国の映画監督さんと結婚したんだったよなぁ~・・・本作の監督さんじゃないけど。本作の監督さんといえば、ニフティのアジア映画フォーラムの仲間たちと銀幕会して公開当時の『JSA』を見たっけ。それで初めてイ・ビョンホンさんに遭遇したのだけど、当時は何も知らなかったから、ネプチューンの原田泰造さんにそっくりな俳優さんだなって思ったっけ。原田さんもハンサムだしお芝居も上手い人だから、ファンの皆さん、怒らないでね。その後、やっぱりアジア映画フォーラムの仲間から「絶対に好きだと思うから、ぜひ見てみて」と言われて『オールド・ボーイ』を見て、たしかに好きだわ(^^)と思ったものだったっけ。パク・ヘイルさんは『殺人の追憶』の人だよね・・・韓国映画、それほど沢山見てないのだけど、にもかかわらず多数微妙に心をくすぐるポイントのある映画で、見ないではいられませんでした(^^)。

感想は・・・思いっきりネタバレしないと語りづらいんだよねぇ~・・・でも、ネタバレはしないほうが絶対にいいタイプの映画だと思うし・・・好き嫌いはあるかもしれないけど、面白い映画だと思うので、ぜひ、ご自分で見てみてくださいと言いたいです(^^)。


『アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台』

2023-07-21 17:19:07 | Weblog

2020年 仏

監督:エマニュエル・クールコル

出演:カド・メラッド、ダビッド・アヤラ、ラミネ・シソコ、ソフィアン・カーム、ピエール・ロッタン、ワビレ・ナビエ、アレクサンドル・メドベージェフ、サイド・ベンシナファ、マリナ・ハンズ、ロラン・ストケル

 

三年間も仕事がない俳優エチエンヌは、刑務所の囚人たちの更生プログラムの一つである演技のワークショップの講師を引き受ける。前任者は、子ども向けの寓話などを課題にしていたが、エチエンヌは、自身も思い入れがあるサミュエル・ベケットの戯曲「ゴドーを待ちながら」を選ぶ。演技経験も演劇に対する興味もない囚人たちはふざけるばかりで真剣に取り組もうとしないが、エチエンヌの熱意に動かされ、次第に本気で練習し始める。そして、六か月後には刑務所外の本物の劇場で公演することになる。彼らの舞台は思いのほか好評で・・・

 

実話をもとにした映画だそうです。でもベケットの「ゴドーを待ちながら」、ズブの素人が半年の練習でできるものなのかなぁ~とビックリ。それにしても、シェイクスピアとがじゃなく、サミュエル・ベケットって・・・玄人好み過ぎるでしょ・・・服役者のことを考えた深い意図があってのこととなのか、あくまで本人の拘りなのか・・・後者のような気がするけど、結果的には、それがハマったんだろうなぁ。好評だったというのも、なんとなく分かる気がします。だって、本物の彼らのゴドー、見たいなって、わたしも思いましたもん、うん。


『ベイビー・ブローカー』

2023-07-13 10:17:41 | Weblog

2022年 韓国

監督:是枝裕和

出演:ソン・ガンホ、カン・ドンウォン、ペ・ドゥナ、IU(イ・ジウン)、イ・ジュヨン

 

離婚し、娘とも思うように会えないクリーニング店主のサンヒョンは、児童養護施設出身のドンスと組んで、教会に設置された赤ちゃんポストに預けられた赤ちゃんを連れ去り、子どもを欲しがる夫婦に売り飛ばす、「ベイビー・ブローカー」だった。ある夜、また、赤ちゃんが、ポストの前に置き去りにされた。サンヒョンとどんすは、いつもようにその子を連れ去った。しかし、それを見つめているものがいた。彼らを人身売買で検挙するため張り込んでいた刑事のスジンとイだった。翌日、赤ちゃんを置き去りにしたことを後悔した母親のソヨンが、ポストの前に戻ってきて、赤ちゃんがいないことに驚き、通報しようとする。それに気づいた二人は、ソヨンを自宅に連れていき、赤ちゃんを育ててくれる家族を見つけようとしているのだと弁解する。金のためと簡単に見破ったソヨンだが、自ら養父母探しをするため彼らに同行することにする。そして、人事売買を現行犯で逮捕しようと、二人の女刑事たちが、そのあとを追う・・・

 

この映画も、『淪落の人』と同じように、展開は大きく二パターン、ハートウォーミングになるか、悲惨になるか・・・これまた、わたしが好きな方で、とっても嬉しいです(^^)。あっ、最後が、ご都合主義といわれかねないほどの大団円なのも『淪落の人』と同じだわ。最近の映画の傾向なのかな・・・わたし的には大歓迎ですが、好まない人もいるでしょうね。少なくても、若いころの私なら、ケッって思ったと思います(爆)。

ソン・ガンホ映画あるあるですが、最初はなんともガサツとというか、共感をもちづらいんですが、中盤すぎると、波のように感動シーンが次々とやってきて、最終的には完全に心をもっていかれると(^^)。まっ、大きな賞も獲得している映画ですし、情報は溢れるほどあると思うので、お勧めするために、多くを語る必要ないですね。あっ、ペ・ドゥナさんは、『空気人形』の女優さんですね・・・わたし、『空気人形』好きです(^^)。


『淪落の人』

2023-07-13 09:40:29 | Weblog

2018年 香港

監督:陳小娟(オリバー・チャン)

出演:黄秋生(アンソニー・ウォン)、クリセル・コンサンジ、李璨琛(サム・リー)、葉童(セシリア・イップ、イップ・トン)、ヒミー・ウォン

事故で半身不随となったリョン・チョンウィン。妻とは離婚、息子はアメリカに留学。たまに会う実妹との関係はギクシャク。ただ生きているだけの虚しい一人暮らし生活を送っていた。ただ、事故の前にはよく面倒を見ていた職場の後輩であるファイだけが、親身に彼の世話をしてくれていた。そんなファイが見つけてきた新しい家政婦は、広東語を離せない若いフィリピン人女性のエブリン。コミュニケーションもままならず、いらだつチョンウィンだったが、懸命に世話してくれるエブリンに少しずつ心を開き、彼女が家族のために写真家になる夢を諦めたのを知って・・・

 

こういうテーマの映画の展開は、大きくわけて二種類ですよね。ハートウォーミングか悲惨を極めるか。この映画は、わたしが好む方のタイプだったので、とても満足です(^^)。で、細部については・・・どの人間関係も、疎かにされていなくてよかったです。チョンウィンとエブリンの物語だけど、それ以外の人との関りが、過不足なくちゃんと描かれていて、バランスよく居心地よかったです。エブリンがフィリピン人家政婦仲間と集まって会話するシーンは、そんなに長くも多くもないんだけど、彼女たちの状況というのが必要最小限ちゃんと伝わるように描かれているように思います。効率がいい巧い描き方だなと思うけど、決して効率重視の技っぽくは感じられず、温かみすら感じました・・・ちょっと贔屓目かな(^^;。さすがに、最後の方は、ちょっと簡単に上手く行き過ぎにも思えますが、いいんです、その方が・・・わたしはその方が好きです(^^)。

陳果(フルーツ・チャン)プロデュースで、アンソニー・ウォン主演、脇がセシリア・イップやサム・リーで、こういう映画を見せられたら、そりゃあ、往年の香港映画迷は泣くでしょ(^^)。サム・リー君なんて、あのヤンチャ(もちろん役柄がね)が、こんな落ち着いた好いおじさんになったのねって・・・おばちゃん、マジで泣きました(^^)。けどね香港映画ファンじゃなくても、この映画は十分に楽しめますよ・・・お勧めです(^^)。