映画鑑賞感想文

濫観っていうか、乱観っていうか・・・ポリシーないですけど(^^;

『ステイ』

2010-04-12 12:38:57 | Weblog
2005年 米
監督:マーク・フォースター
出演:ユアン・マクレガー、ナオミ・ワッツ、ライアン・ゴズリング、ボブ・ホスキンス、ジャニーン・ガロファロー、エリザベス・リーサー

精神科医のサムには、自殺未遂の経験がある元患者の彼女がいる。彼女は「もう大丈夫、心配しないで」というけれど、サムはいつも彼女のことが気がかりでならない。そんなサムは、心を病んだ同僚から引き続く形で自殺願望をもつヘンリーという患者を担当する。ヘンリーには、午後から霰があることを予言するなど不思議な能力があり、サムは知らず彼にのめり込んで行く。ヘンリーには、21歳の誕生日に自殺した画家への強い傾倒がみられ、自らも三日後に自殺すると、サムに宣言する。なんとか、ヘンリーを思いとどまらせたいサムは、診察室から踏み出して、ニューヨークの街に出る・・・というような話なんですが

映像がスタイリッシュというか、幻覚的っていうか・・・ジクソーパズルのピースを適当に組み合わせてはバラバラにして、また組み合わせてはバラバラにする、みたいな組み立てなので、正直、とっても悩みます。

こういう心理学ものの定番の展開を、できる限り思い出してみて、いろいろ当てはめてみるけど、どうも違う感じで・・・最後に、どう纏めるんだろうと、そればかりが気になってしまいました。

推理小説などで、すぐ犯人が分かってしまうという、洞察力の優れた方がいらっしゃいますが、残念ながら、わたしにはその能力がないので、こういうヤヤコシイ映画は、最初から深く考えずに、投げ出すように身をまかせちゃうタイプなんですが・・・どうも、この映画は、それもさせてくれないっていうか・・・「大丈夫なのかな?」「ちゃんと治められるのかな」とか、心配で心配でならなくなってしまうんです。

結末を知ると、「ああ、なるほどね」とは思います。予想外ではありましたが、一応、ヒントになる台詞も入れ込んでありましたし、卑怯な作りではないとも思います。まっ、混乱させるための余計なピースも多かったように思いますが・・・それも、この設定から考えれば、許せなくはないです。でも、やっぱり、ちょっとなぁ~・・・もう少し、スッキリさせてくれた方が、わたしは好きです。難しいところですけどね、こういう題材は(^^;。

『OBERON日記』
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『絞殺』

2010-04-12 12:14:03 | Weblog
1979年 日本
監督:新藤兼人
出演:西村晃、乙羽信子、狩場勉、会田初子、岡田英次

息子の家庭内暴力に悩んだ父親が、ついに息子を手にかけてしまったという、実際に起った事件を扱った映画だそうですが・・・映画のどの部分が実際の事件をもとにしていて、どの部分が創作なのか、ちょっと分かりません。

勝手な予想では、近所の人たちが情状酌量のための嘆願をしてくれて、父親は執行猶予付きの判決を得たあたりが実話を基にした部分かなと思います。息子が暴力を振るう切っ掛けになった、女子高生の養父殺し事件はフィクションじゃないかなぁ~と。ただ、父親が執行猶予になって家に戻ってきてからの母親の行動が、どうなのかなぁ~・・・ここが、一番の見所だっていうか、息子をもつ母親としては胸に迫るものがある部分なのだけど・・・どうなんでしょう、実話なんでしょうか、フィクションなんでしょうか。

それにしても、新藤兼人監督の幸せって、乙羽信子という女優を得たことですよね。乙羽さん・・・やっぱり、すごいもの。でも、新藤監督しか、乙羽さんに、こんなことさせないよなぁ~。

ただ、どうしても気になったのが、近所の人たちの撮り方。絶対に、悪意がありますよね。監督は、近所の人たちの嘆願活動に対して、何か思うことがあったのかなぁ。でも、否定するならするで、その理由を観客にも教えてくれないと、見ている者は、ただただワケが分からず混乱するんですよね。その点は、ちょっと不親切だったなと思います、はい。

『OBERON日記』
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『もしも昨日が選べたら』

2010-04-12 11:55:31 | Weblog
2006年 米
監督:フランク・コラチ
出演:アダム・サンドラー、ケイト・ベッキンセール、クリストファー・ウォーケン、デイビッド・ハッセルホフ

時間を早送りしたり、静止させたり出来る、万能リモコンを手に入れた男が、嫌なことや面倒くさいことを全部早送りでスッ飛ばして「サイコー!」って思っていたら・・・というようなお話。

なんか安易な設定だし、流し見るつもりだったのです。でも、見始めてすぐ、アダム・サンドラー演じる主人公のマイケルの、ガサツで騒がしい言動に辟易しちゃって、見るの止めようかなって思ったりもしたんです。けど、停止ボタンを押すのが面倒で、なんとなく見続けていたら、だんだん楽しくなっちゃって・・・マイケルのお父さんのくだりでは、不覚にも、ちょっと涙ぐんだりしちやって(^^;。

ありがちな設定だし、ありがちな展開だし、結末もフツーだし、特に何が素晴らしいってこともないんだけど・・・なんだか、見終わったときに「儲けもの」って気分になる映画です。期待してなかったけど、思った以上に楽しかった・・・って思える映画でした。あまり、ちゃんとした褒め言葉になってませんが・・・わたしは面白いと思いました(^^)。

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『妖僧』

2010-04-12 11:25:05 | Weblog
1963年 日本
監督:衣笠貞之助
出演:市川雷蔵、藤由紀子、万里昌代、片岡秀三郎、近藤美恵子、小沢栄太郎、城健三郎(若山富三郎)、小林勝彦、成田純一郎、丹羽又三郎、島田竜三、稲葉義男、石黒達也

道鏡の話です。でも、ぜんぜん史実と違うです(^^:。といっても、そもそも史実なんてもの自体が、研究成果によって年々変わっていくし、当てにならないっちゃあ当てにならないんですが・・・これは、いくらフィクションにしても、ちょっと違いすぎないかなぁ~と苦笑いしちゃいました。

けど・・・期待通り、雷蔵さんは最高ですよ(^^)。

『妖僧』というタイトルから、道鏡を扱うんだろうなというのはスグに分かったし、一昔前の道鏡イメージ、つまり孝謙天皇をたらし込んで自身が天皇になろうと企んだ男として描くんだろうなと予測して・・・なかなかに好いんじゃないのって、見る前から大いに期待したのであります。だって、妖しい雷蔵さんだなんて、絶対に素敵でしょ(^^)。

けどね・・・道鏡は道鏡だけど、孝謙天皇をたらし込んで自身が天皇になろうと企んだ男ではなかったです。むしろ、とっても良い人。お互いにイケナイと自分を諌めつつ、それでも惹かれあってしまった道鏡と孝謙天皇という・・・かなり悲恋物語になってました。

現代の解釈では、道鏡と孝謙天皇が男女の仲であったかどうかは不明と言われているし、道鏡が自ら天皇になりたがったっていうのは違うんじゃないかってことになっていて・・・孝謙天皇が道鏡を、かなり寵愛して重用したことは確かだけど、それほどスキャンダラスな話でもなかったんじゃないかという説が主流になってますよね。実際、孝謙天皇が亡くなった後、道鏡が無事でいたってことが、その証のように思いますしね。

だから、この映画のような道鏡でも、悪くはないんだけど・・・そういうところじゃなく、いろいろと歴史的な出来事を端折っちゃってるのは、やっぱり、ちょっとイタダケナイですよね。一番問題なのはラストで・・・あれは、ほんと、ちょっと困っちゃいますよね(^^;。

でも、それでも、乱れたロン毛の雷蔵さんが、すんごく素敵だから、この映画はOKです(爆)。特に、前半のストイックな修行僧のときの雷蔵さんが素敵です。

雷蔵さんファンは必見、でも、歴史ファンは絶対に見ちゃいけない・・・そういう作品なのでありました(^^;。

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